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シリーズの誕生から30周年を迎えた大人気シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』。そのアニバーサリータイトルとなる『スーパーロボット大戦30』がニンテンドースイッチ/PS4/Steam向けに10月28日に発売予定です。
今夏の「E3 2021」内にて行われたNintendo Directで電撃発表され、一躍注目の的となった本作。7月11日に配信されたシリーズ30周年記念イベント「スーパーロボット大戦 鋼の超感謝祭2021」では、参戦作品ほかの詳細が明らかになり大きな話題となりました。その日のTwitterのトレンドランキングも『スパロボ30』の関連ワードが席巻。SNSを中心に話題騒然となり、往年の名作を懐かしむ声や推し作品の参戦を喜ぶ声が溢れていました。
さらにその日の深夜、突如として開始された本作限定版の予約受付の様子は、さながら争奪戦といった様相に。フィギュア付きの数量限定販売ということもあってか予約戦は苛烈を極め、翌朝のSNSにはファンの歓喜と絶望の声が溢れていました。
そんなこんなで、あらゆる意味で話題の『スパロボ30』。しかし、その衝撃はなんと言っても第一弾PVに集約されていたのではないでしょうか。事前に小出しされた初報PVにインパクトを削がれることなく、怒涛の勢いで発表された参戦作品やオリジナル主人公、ゲームシステムなど新情報の数々。今回は、そんな第1弾PVの「ここに注目してほしい!」という部分を筆者の独断と偏見でチョイスしてみました。
参戦作品紹介
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PVの前半は既存の参戦作品およびユニット紹介となっています。とはいえ、「コン・バトラーV」や「エルガイム」といった近年発売されたスパロボには登場していなかった作品や、コンシューマー機のスパロボでは初となる「機動戦士ガンダムNT」、「コードギアス 復活のルルーシュ」の紹介など見どころは満載です。
特に、「機動戦士ガンダム」の紹介シーンでは、初代ガンダムに乗る「逆襲のシャア」バージョンのアムロが見れる驚きのサプライズも。RX-78特有のコックピット内スコープがカットインで表示されるなど、なんとも雰囲気を醸し出しています。
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また、『D』以来かなり久々の登場となった「機動戦士Vガンダム」。本編映像を彷彿とさせる特徴的なカットイン演出など、最新のスパロボフォーマットで描かれる「Vガン」に喜んだファンの方も多いのではないでしょうか。
さらに、『X-Ω』でも参戦していた「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」からはレッドファイブが登場。3DCGで表現されていた本編映像さながらの戦闘シーンはまさに圧巻。スパロボ演出のさらなる進化を垣間見ることが出来ますね。
新規参戦作品
今作から新たにスパロボに登場する参戦作品。その第1弾として紹介された「ナイツ&マジック」の登場に度肝を抜かれた方もいたことでしょう。いわゆる「異世界転生モノ」である本作の主人公エルネスティは、数々のロボット作品がフィクションとして存在している、我々の現実に近い世界からの転生者。はたしてエルくんの目には、ガンダムやマジンガーはどのように映るのでしょうか?
続く「マジンカイザー INFINITISM」。少し聞き慣れないタイトルかもしれませんが、実はこれ、プラモデルシリーズから派生した作品です。「マジンガーZ INFINITY」で描かれたハイディティールなスーパーロボット像を新たなフォーマットとして、これを既存の機体にも適用した意欲的なシリーズで、身体中を走るパネルラインなど、ひと目でその情報量の多さがわかる表現手法が特徴的。新たな魔神皇帝の活躍に期待です。
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昨今ではすっかり常連の「勇者シリーズ」からは新たに、「勇者警察ジェイデッカー」が初登場。勇者刑事デッカードとサポートメカ・ジェイローダーの合体した姿であるジェイデッカーが、磁力ロボ・デスマグネを電磁警棒で撃破しています。ちなみに、原作ではデッカードが単身で犯罪者ドクトルガウスを逮捕していため、デスマグネVSジェイデッカーという図は、スパロボならではといったところ。
「SSSS.GRIDMAN」はその演出の随所に特撮やロボット作品のオマージュがあちこちに散りばめられており、ひと目見ただけでわかる「カッコよさ」のエキスが凝縮されたような作品。実写ドラマ「電光超人グリッドマン」を原作とする本作ですが、「スパロボ」参戦も大いに納得できる作風であっただけに、その舞台設定や敵役の人気キャラクターがどのように生かされるかにも注目が集まります。
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「破壊王 ガオガイガー対ベターマン」は小説作品。同一の世界観を持つ「ガオガイガー」、「ベターマン」それぞれのスパロボ参戦は過去にもありましたが、いずれも単独での参戦であったため、今回はまさに満を持しての参戦。アニメ化も期待される中、先んじてスパロボでの活躍が見られるとは思っても見なかった、という方もいるのでは。
驚きのオリジナル主人公メカ&キャラクター
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今回は第一弾PVにて、早くも本作のオリジナル主人公情報がお披露目となりました。しかも、主役機はあの凶鳥の名を冠する機体、「ヒュッケバイン30」。30周年を記念する作品としてこれほどまでに適役の機体もそうないでしょう。
その見た目から『第2次スーパーロボット大戦OG』に登場した「エクスバイン・アッシュ」を連想した方も多いことでしょう。深紫の機体色に目元を隠すゴーグル。カラフルなパッチアーマー、包帯の如く巻きつけられたADテープとかなり共通点があります。
しかし、「30」はあくまでヒュッケバインである、ということは一目瞭然です(エクスバインも初代ヒュッケバインがベースと言えばそうなのですが)。細かく見ると背部のリープ・スラッシャーが収められているラックや、手持ちのフォトン・ライフルのような銃など、より近代化的な改修が施されてるような風体。いわくつきな機体の因子をこれでもかと纏っているこのヒュッケバイン30は、果たしてどのように物語に関わってくるのでしょうか。
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主人公キャラクターは今作も男女別に用意されており、エッジ・セインクラウスとアズ・セインクラウスの選択式とのこと。声優はそれぞれ杉田智和さん、相沢舞さんと「スパロボOGラジオ うますぎWAVE」のメインパーソナリティの二人が抜擢されています。また、本作では主人公別に主題歌が設定されているといった気合の入りっぷり。スパロボオリジナルのキャラクターBGMに歌詞が付くのは、かなり久しぶりかも?
終盤の戦闘アニメ紹介からも目が離せない!
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PVの終盤はおなじみ、JAM Projectによる作品主題歌をバックに、畳み掛けるような戦闘アニメラッシュです。筆者個人的には「今作は裏切らない」とプロデューサーが直々に明言した、赤い服を着たサングラスの人の「フルアーマー百式改」が気になりました。他にも、ビルドタイガーが殴っているのはアビスガードかな?とか、何の前情報もなく登場した我らがSRXなど気になる点は盛りだくさん。うーん語り尽くせない……。
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30周年を記念するにふさわしく大きなワクワク感を届けてくれた『スーパーロボット大戦30』の第一弾PV。見れば見るほど味わい深い、「スパロボのPVはかくあるべし!」といったような映像でした。今後発表される続報にも期待しながら、今はただ噛みしめるようにこの映像を繰り返し、隅から隅まで見尽くそうと思います。