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『ポケットモンスター』シリーズには、モブキャラにしておくのは惜しいほどユニークなトレーナーが多数登場します。その中でも一際強烈な存在感を放っているのが、「かいじゅうマニア」。彼らは一体何者なのでしょうか?
謎に包まれた「かいじゅうマニア」の正体
「かいじゅうマニア」は、その名の通り怪獣のような見た目のポケモンに魅せられたトレーナーたち。初登場作品の『ポケットモンスター 赤・緑』では、長髪のイケメン風キャラとして描かれ、続編の『ポケットモンスター 金・銀』および『クリスタルバージョン』では、マントに身を包んで不敵な笑みを浮かべるようになりました。
ここまではとくに問題ないのですが、その後見た目が暴走するようになっていきます。『ポケットモンスター ルビー・サファイア』からは、下半身に怪獣の気ぐるみを身に付けているのが印象的。さらに『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』では、被り物が追加されています。
そして、『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』になると、全身を怪獣の気ぐるみに包んだ状態で出現。『赤・緑』の頃に比べると、完全に別人へと変貌してしまいました。一体どんな心境の変化があったのか、気になるところですね。
『ポケモン』と「ウルトラマン」の意外な関係
そんな「かいじゅうマニア」ですが、2018年には公式情報サイト『ポケモンだいすきクラブ』で特集が組まれたことも。特集ページでは、「かいじゅうマニア」のハヤタとリクなる人物が、「かいじゅう」について熱く語っている様子が公開されていました。
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勘の良い方はもうお気づきかもしれませんが、このハヤタとリクの元ネタは、日本が誇る特撮ドラマ『ウルトラマン』シリーズでしょう。ハヤタは、『ウルトラマン』の主人公であるハヤタ・シン。そしてリクは、当時放送されていた『ウルトラマンジード』の主人公・朝倉リクのパロディキャラだと思われます。
そもそも『ポケモン』は、“ポケモンの生みの親”として知られるゲームクリエイターの田尻智氏が、『ウルトラセブン』などの作品に登場する「カプセル怪獣」からインスピレーションを受けて誕生した作品。つまり「かいじゅうマニア」は、「特撮マニア」でもあるわけですね。
とはいえ、怪獣そのものになりきろうとする人は現実世界だとそうはいないでしょう。そんなことを気にも留めず、自分の“好き”を主張し続ける「かいじゅうマニア」の愛の深さには、見習うものがあるかもしれません。