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私達ゲーマーが普段ゲームをプレイする時に絶対に使うもの。それは「コントローラー」。
ゲームを開始してから終えるまで、長時間触れるものとあって、コントローラーにこだわりを持つユーザーも多いことでしょう。
そして、人気ゲーム機であるニンテンドースイッチにはたくさんのコントローラーに関する機器が販売されています。今回はその中でも選りすぐりの一品である、株式会社サイバーガジェットから発売の新型「CYBER・ダブルスタイルコントローラー(SWITCH/SWITCH 有機EL用)」のレビューを旧商品と比較しながらお届けします。結論としては、カジュアルゲーマーが欲しいと願った機能や操作性がぎゅっと詰め込まれている良品でした。
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旧商品を徹底的に見直し、操作感が劇的に向上
まずは実物を見ていきましょう。下記、左の黒色が新型である本製品、青が旧製品です。
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大きさは旧製品と新製品共にほぼ変わりません。
公式のJoy-Conを付けた状態のグリップコントローラーよりは一回り大きい印象です。そのため、ボタン1つ1つがJoy-Conに比べて大きく押しやすく感じます。
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また、その分重いかと言えば決してそうではなく、持った時の重さは公式のグリップコントローラーとほとんど変わりません。ボタン1つ1つも大きくなり、そのため押しやすくなっていると言えます。
そして、旧製品と新製品の大きな違いの1つとして、ボタンやスティックに改良を重ねている点が上げられます。まずZL/ZRボタンの形状が変更され、非常に押しやすくなりました。旧製品は中指を少し伸ばさないとZL/ZRボタンを押すことが出来なかったのですが、新製品では中指を添える感じで押せるようになっています。
次にスティック。旧製品版に比べて高さ(長さ)が2.5mmほど短くなりました。たかが数ミリと思うかもしれませんが、短くなったことにより操作性は段違いに良くなりました。少ない操作でスティックを倒せるようになるため、上下左右の切り返しが機敏になり、コンマ数秒を争う際に競り勝つことが多くなります。
ABXYボタンの押し心地も大きく変わりました。旧製品では丸みを帯びていた形状は平坦になったため 、押した際の感触が 全く異なります。筆者は両製品 とも試しましたが、旧製品ではボタンを押す感覚を強く感じられるのは間違いありません。ただかなり硬い感じも受けたので、長時間プレイした際に親指が疲れそうだと思いました。
一方、今回の新製品版はボタンを押す感触やレスポンスは残しつつ、軽く押せば反応する絶妙なラインで作られていました。長時間遊んでも疲れにくく、かつ操作している感覚を損なわないよう丁寧に作られていると感じました。個人的にはこのポイントが旧製品版と新製品版で最も大きく変わった点だと思っています。
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また、十字キーやこの製品の特徴でもある背面にあるマクロボタンも形状を 変化させています。旧製品版では出っ張りがありかつ押した際に硬さを感じたため 、押すのも難しくボタンの押し間違いによる誤操作も発生していました。 しかし新製品版は軽く押すだけで反応しつつ、出っ張りが無くなったことにより誤操作もしなくなりました。 この様に、新製品版は旧製品版の不満点を全て改善した完成度の高い仕上がりになっていると言えます。
カジュアルユーザーが「欲しい」と思う機能満載
ここからは「CYBER・ダブルスタイルコントローラー」の機能を紹介します。本製品はボタンの設定を好きに変更できます。つまり、Yボタンの位置にXボタンを、Xボタンの位置にYボタンを設定する、ということが可能なわけです。
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昨今のゲームはコントローラーのボタン設定を自由に決められることが多いですが、中には設定出来ないゲームも存在します。その様な時にコントローラー側でボタン割り振りを変更すれば、自分のプレイスタイルに合わせた設定で遊べます。これは大きなメリットと言えるでしょう。
また、本製品には連射機能が備わってます。連射モードを起動すると、特定のボタンを押し続けるだけで、自動で秒回約20連射してくれるようになります。連射が必要なゲームにおいてこれほど心強い機能は存在しないでしょう。ワンボタンで連射のON・OFFの切り替えも可能なので、誤操作も起こりにくいです。
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さらに、本製品は背面のパーツを外してSwitch本体を挟むことで、 携帯モードのコントローラーとして使用することが可能になっています。そのため、TVモード、テーブルモード、そして携帯モードのどのシーンにおいても「CYBER・ダブルスタイルコントローラー」を使用可能ということであり、本製品は汎用性においてProコントローラーすら上回ると言えるでしょう。
なお、有機EL版のニンテンドースイッチにおいて携帯モードで使用する際、旧製品版ではコントローラーでスピーカーが塞がってしまいましたが、新製品版ではしっかりスピーカーの位置に隙間があり、音を遮断しません。この様に細かな点もしっかり改善されているのも好印象です。
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そして、最後にして筆者が最も紹介したい機能が旧製品版でも好評だった背面にある4つの拡張ボタンです。この拡張ボタンは前面にあるボタンの機能を割り当てることが出来ます。これにより右手でスティックを操作している間でも左手でAボタンを押すことが出来るので、操作方法に幅が生まれます。
それに加え、背面ボタンにはマクロを設定することが可能です。マクロというのは一連の操作を記録し、その操作をワンボタンで実行する機能です。これを設定することで、格闘ゲームなどの複雑なコマンドを予めマクロに設定し対戦中にワンボタンで必殺技が発動出来るというわけです。
しかもマクロ機能は最大30秒かつ16カウント(16ボタンの操作)まで1つのボタンに設定可能。操作と操作の間隔まで記録してくれるので、「まずAボタンを押して3秒後Bボタン、そこから5秒後Xボタン」という一定の時間をかけた操作も自動化出来るわけです。使い手の発想次第であらゆる操作に応用が可能である、凄い機能と言えるでしょう。
すぐに馴染む操作感と楽しさ
ここからはいくつかのゲームタイトルで本製品を使用し、色んな角度から遊んでみた感想をレポートしていきます。
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『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
まずは対戦アクションゲームの金字塔である『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(以下、スマブラSP)』から。ここで効いて来るのは旧製品より短くなったスティック。これが非常に『スマブラSP』と相性が良いです。
『スマブラSP』ではスマッシュ攻撃を出す際にスティックを弾く操作が必要になります。慣れてしまえばそこまで難しい操作ではありませんが、対戦中において弾く動作を何度も行えばスティックが弾けず別の攻撃が出て相手に手痛い反撃を受けてしまう、なんてこともしばしば。
しかし、本製品のスティックはその様な誤動作を起こすことはありませんでした。これは、スティックが機敏にすぐ戻ってくれるので、弾いた後の次の動作までにタイムラグが発生しないからです。
Joy-Conのスティックは材質が柔らかいので、特に上下から左右・左右から上下に切り替える操作でスティックが戻らず、結果誤動作を起こすことがあります。その様な現象が発生せず、操作感もProコントローラーのスティックに近い感覚なので、気持ちよく操作出来ました。
また、背面ボタンの マクロ機能も便利です。『スマブラSP』の一部のキャラクターは一定のコマンドを入力することで強化された必殺技を繰り出すことが可能ですが、目まぐるしく展開が変わる『スマブラSP』において初心者がコマンドを入力する余裕はありません。
ですが、マクロに予めコマンドを設定することで、ワンボタンで強化された必殺技が出せる。これは非常に強力な武器と言えるでしょう。最も、この様な物理デバイスによる補助機能は大会や真剣勝負の場ではご法度です。なので使う際には対CPU戦や友人とのハンデ戦、仲の良い人達でパーティ感覚で遊ぶ時くらいに留めておきましょう。
『モンスターハンターライズ』
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次はモンハンシリーズから『モンスターハンターライズ(以下、ライズ)』。本作は『スマブラSP』ほど瞬間的な操作は求められませんが、ゲームの性質上モンスターと戦い始めると10分から15分、下手をすれば30分ほど戦い続けることが発生します。
そのため、長い時間コントローラーを握り続け力を込めてしまう、なんて場面があります。しかし本製品を長く持っていても特に疲れなどは感じませんでした。ボタンもレスポンス良く押せるので、1,2時間程度の狩猟では指や腕に全く問題も起きません。非常に楽しく遊べました。
また、本作は一人で狩猟するのであればマクロが強力です。回復アイテムなどをすぐ使えるように設定しておくのもいいですし、片手剣にある「ジャストラッシュ」などタイミングが大事なコンボをマクロに登録しておけば、安定してコンボをモンスターに叩き込むことが出来るので、狩猟が大きく楽になること間違いなし。
さらに、携帯モードで遊ぶ際の操作感は本当に抜群です。少々重くはなりますが、コントローラーがそれぞれ丸みを帯びているので手に馴染みやすく、多少の操作では画面ブレを起こすこともありません。今のご時世、何処かの家に集まって友人同士ワイワイ遊ぶことは中々難しいですが、その様な時には間違いなく心強いパートナーになってくれることでしょう。
『グルーヴコースター ワイワイパーティー!!!!』
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最後は、音ゲー好きな筆者の趣味かつ変わり種ということで『グルーヴコースター ワイワイパーティー!!!!』を本製品で遊んだレポ―トをお伝えします。
『グルーヴコースター ワイワイパーティー!!!!』は音楽ゲームの1つであり、難しいモードになると2分間に1000回近く、もしくはそれを超えるくらいボタンを押すこともあります。そのため、コントローラーのボタンに負担がかかるゲームなのです。
実際、Joy-Conで遊ぶとボタンのレスポンスが遅れたり押しにくいこともあったりと、中々上手くプレイすることが出来ませんでした。ボタンも小さく、親指の一部分だけしか触れられないため結果的に付け根の部分に余計な力がかかり、痛くなることも良く起きました。
しかし本製品でプレイしたところ、固くもなく柔らかくもない丁度いいボタンの反発具合が音楽ゲームにも最適。少しプレイしただけでJoy-Conでプレイした時よりも圧倒的に高いスコアが出せるようになりました。また、立て続けにプレイし続けてもボタンがJoy-Conより大きいので、ボタンに圧力がかけやすく指の負担も分散。
たくさんボタンを連打しても、確かなレスポンスと操作感を担保してくれるコントローラー。激しくボタンを押し続けるゲームであっても実用に耐えられる確かな商品だと言えるでしょう。
ワンランク上を目指すカジュアルプレイヤーはぜひ
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以上、「CYBER・ダブルスタイルコントローラー」のレビューでした。本製品はどんなプレイスタイルであっても活用でき、Joy-Conとは全く別次元の操作感、楽しさを筆者は受けました。
なので、「今までJoy-Conしか使ったことない」「もう少し良いコントローラーを使いたい」「もっと効率良く遊びたい」と考えているカジュアルなプレイヤーは、ぜひ本製品を手にとってみてはいかがでしょうか。本製品を使って遊べば、きっとワンランク上の楽しさを発見出来ると思います。