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藍沢エマさんが2021年9月18日に初めて配信した8日後、9月26日に紫宮るなさんがYouTubeで初配信しました。2022年3月末現在ぶいすぽっ!のなかで彼女が一番の若いメンバーとして活動中です。
薄紫の髪色で左右にはビッグテール、肩まではかからないショートカットで、細い肩・腕・足で小柄な体格。上着は着崩していて、足元は厚底ブーツ、どこか病的なムードを纏う彼女は、Twitterのプロフィール欄で自身のことを「不健康VTuber」と紹介しています。
初配信ではカップ麺とお菓子が大好きと明かし、雑談中やコラボ相手との会話でカップ麺について話題があがると「世界で一番美味しい」「ゲームをしながら食べられるのが最高」と答えることも。自身のサブアカウントではその日に食したカップ麺をアップしたり、空いた時間にカップ麺を作り、豪快にすすって食べたりすることもあります。
ぶいすぽっ!のなかでも一、二を争うほどの長時間配信者として現在まで活動しており、一度スっと集中し始めると呼吸音すら聴こえないほどに息をひそめ、その瞬間のゲームプレイに没入していくタイプです。
2~3時間ほどで終わることもあれば、自身の体調やプライベートの用事とも十分相談したうえで6時間オーバーの配信を連日のようにこなすこともあります。時にはYouTube生配信の限界時間でもある12時間を超えてしまいそうになり、2つ目の枠を取ってさらに配信しようとするほど。
驚くべきはその配信時間です。朝早い7時頃、お昼時の13時頃、深夜目前の22時ごろ、配信タイミングが日によって不定期で、先にも述べたように長時間に及ぶこともしばしばということを踏まえると「不健康VTuber」と自称するのも頷けるところです。
彼女はYouTubeで初配信する以前、Twitterに自身のゲームプレイ動画をアップしています。『Apex Legends』『スプラトゥーン』でのプレイをまとめたものですが、相手を狙うエイムが非常に滑らかなのは一目で分かり、多くのリスナーからかなりの実力者では?と予想されていました。
期待や予想が入り混じるなか、『Apex Legends』はマスターランク、『スプラトゥーン』はゲーム内最高ランクのX帯、加えて『Overwatch』は300時間以上プレイしてきたというFPS猛者であることが初配信で公開され、その実力はその後の配信内でも十二分に伝わってきます。
彼女を面接していた運営スタッフも、ぶいすぽっ!メンバーに「今までで一番上手い子が入ってくるかもしれない」と明かしており、その実力をみて驚かされたメンバーもいたそうです。
今年に入り、胡桃のあさん、神成きゅぴさんとともに「ぶいすぽっ!マスター企画」を戦って見事にマスターランクを達成。胡桃さんやきゅぴさんは攻め気あるプレイで知られていましたが、2人を超えるほどの獰猛なプレイングを見せつけます。
最終局面で相手にダメージを入れると、次の瞬間には相手へ突っ込んでいって1vs1を仕掛け、「るなちゃん待って!それ1人で詰めてる状況だよ!」と胡桃さんが声をかけるもその制止を振り切ってしっかりとキルをしてしまいました。
その直後、あれは良くなかった…と紫宮さんが反省しているところ、「1人で行っちゃダメ!とか言ったけど、正直勝つやろなって。」「1vs1は絶対勝つからなぁ~」と胡桃さんと神成さんの2人がフォローし、その実力の高さを褒めてもいます。
ぶいすぽっ!メンバー同士だけでなく、紫宮さんと絡む機会のある他のストリーマーやVTuber、ファンによって意見は様々ありますが、彼女のFPSに関する実力はぶいすぽっ!でも指折りなのは間違いないでしょう。
彼女の実況や配信を見ると、小柄かつ線の細さからダウナー気味な方かな?と思われがちですが、ウィスパー気味な幼い声で会話しており、ぶいすぽっ!の先輩方や自身がプレイするゲームについて、もっと言えばその直前までプレイしていた戦況にいたるまでしっかりと分析したり、リスナーといくつも問答できるしっかり者な顔を持ち合わせています。
『ぶいすぽっ!学力テスト』を自主的に解答したところ22点を取ってしまい、ぶいすぽワースト3の学力を明かしていますが、長時間プレイを通してゲームを理解し、しっかりと状況判断していく頭の良さを感じられるところです。
デビューから半年ほどが経過し、新人らしからぬ不遜な態度を取り始めてもいます。
ゲーム内で指示された仕事をサボる、それまで「さん」付けで呼んでいた方をニックネームで呼び始める、それまでフツーな会話をしつつボケとツッコミが混じると「え?ちょっと分からないなぁ…」と梯子を外す、切羽詰まったシチュエーションでドジを踏んだ先輩や仲の良い年上のストリーマーに「おい~!」と声をあげてしまうなど。
同期の藍沢エマさんがしっかりとした後輩らしい態度を一貫しているのとは真反対に、「後輩イジリ」よろしく「先輩イジリ」を積極的にしているのが彼女です。
初対面となった方々にはデビュー当初の丁寧でしっかり者な表情で会話をしていくこともあるので、その可愛げのある表情の裏で、オンとオフを切り分けているのが伝わってきます。知らない人の前では行儀よく、先輩たちに囲まれるとヤンチャになる、そんな二面性をリスナーに見せてくれるのです。
こういった振る舞いも、じっくりと時間を割いてしっかりと分析し、周囲のムードに合わせて我を出すことができるようになった、とも言えます。無用に控えめになりすぎたり、遜り過ぎることもなく、先輩にも引けを取ることなく会話もゲームもエンジョイできるようになったのです。
もちろんこれは半年ほどの活動を経て、徐々に先輩たちとの交流が進み、ファンやリスナーとの関係性が構築、自身の性格や考えに対して理解が浸透しはじめており、何より「VTuberとして自分がどう振る舞うか?」という勘所が掴めてきたからかもしれません。
藍沢さんと同様、彼女もまだデビューしてから半年ほど。今後の彼女がどのように自身のスタンスを変化、使い分け、増やしていくのか次第で、その未来は大きく変わっていくと思えます。
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