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PS4・PS5ユーザー向けのサブスクサービス「PlayStation Plus」にて、『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』が7月のフリープレイに登場。同作はシリーズでもとくに人気が高い、初期3作品をイメージして作られたゲームです。
ではそんな『クラッシュ・バンディクー』シリーズが、なぜ日本で流行っていたのかご存じでしょうか。その裏には、ローカライズ担当者の優れた手腕がありました。
こんなに違う!?日本版『クラッシュ・バンディクー』
初期3作品はいずれも1990年代にPSで発売されましたが、アメリカの「ノーティードッグ」が制作したため、いわゆる洋ゲーにあたります。しかし日本で発売されるにあたって、海外版とは異なる要素が盛り込まれることに。とくに有名なのは、アクアクさんの機能追加でしょう。
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アクアクさんはクラッシュの冒険をサポートしてくれるお助けキャラで、日本版では「フンババ!」という声とともに現れ、そのステージのボスの弱点や、隠しコースの入り口のヒントなどを語ってくれます。しかし実はこうしたアドバイスは日本版限定であり、海外版では身代わり機能しかありません。
また、『クラッシュ・バンディクー』シリーズといえば、腰を振りながら腕を身体に引き付ける“クラッシュダンス”を思い浮かべる人も多いでしょう。クラッシュの陽気な性格にぴったりのダンスで、ファンに愛されていますが、こちらも日本独自の要素。日本版のCMで生み出されたのがきっかけで、後に海外版でも採用されました。
当時のゲーム業界は、「洋ゲーはウケない」という風潮があった時代。そこで同シリーズが異例の大ブレイクを果たした理由の1つには、こうした工夫の数々があったのではないでしょうか。
ちなみに、海外のゲームを国内向けに調整する作業は、「ローカライズ」という用語で呼ばれています。それに対して、国内の文化的風土にまで踏み込んだアレンジは「カルチャライズ」と呼ばれており、『クラッシュ・バンディクー』シリーズをその成功例とする人もいるようです。