『原神』×「スイパラ」コラボで「大量食べ残しは特典返却」と警告─ファンは食品ロス問題に同意しつつ「特典のランダム配布も問題」とも指摘

「コラボカフェ」の特典目当てで料理などを食べ残す振る舞いは、以前から問題視されていました。ですが、食べ残しへの警告や罰だけでは、この問題への正確な理解と対処とはいえません。ファンが提起する問題点とは。

その他 全般
『原神』×「スイパラ」コラボで「大量食べ残しは特典返却」と警告─ファンは食品ロス問題に同意しつつ「特典のランダム配布も問題」とも指摘
『原神』×「スイパラ」コラボで「大量食べ残しは特典返却」と警告─ファンは食品ロス問題に同意しつつ「特典のランダム配布も問題」とも指摘 全 3 枚 拡大写真

本日9月30日に、「スイーツパラダイス」のコラボレーション情報を発信するTwitterアカウント「スイーツパラダイスコラボ」が、現在10店舗で開催中の「原神×SWEETS PARADISE-櫻舞万雷-」コラボに関する注意案内をアナウンスしました。

同アカウントが投稿したアナウンス(全文)は「コラボご利用のお客様にお願い申し上げます。食べきれない量でのご注文はご遠慮下さい。万が一多くの食べ残しがあった場合、特典をご返却いただく場合がございます。スタッフの判断でお声がけすることもありますので予めご了承下さい」といったもの。この投稿をきっかけに、利用者の間で様々な意見がSNSなどで飛び交っています。

ゲームやアニメといった特定の作品と飲食店がコラボレーションし、料理やドリンクに特典が付属する「コラボカフェ」が、様々な店舗で全国的に行われています。今回名前が挙がった「原神×SWEETS PARADISE-櫻舞万雷-」も、人気ゲーム『原神』と「スイーツパラダイス」によるコラボカフェです。

特典は料理やドリンクごとに異なる場合が多く、そうした特典が欲しくてたくさん注文し、しかし食べきれずに残す──といった問題が、今回のコラボカフェに限らず起きています。残した品は仮に手つかずであったとしても、廃棄するほかありません。

そうしたごく一部の客の振る舞いを抑制すべく、今回「スイーツパラダイスコラボ」が食べ残しに関する対処を提示。場合によっては、特典の返却を行うという強い姿勢を見せました。これは、転売目的で特典だけ集める利用者への牽制も兼ねたものと思われます。

どれだけ特典が欲しくとも、大量の食べ残しは大きな問題です。そうした行為に向けた今回の対処そのものは妥当と言えますが、しかしこの問題は「一部の客の食べ残し」だけに留まりません。

例えば今回の「原神×SWEETS PARADISE-櫻舞万雷-」では、コラボメニューを注文したひとりにつき1枚、「ペーパーランチョンマット」がプレゼントされます。ですが、このランチョンマットは全2種類あり、しかもランダムでの提供です。

また、コラボフード&デザートメニューでもらえる「等身キャラコースター」は全16種類。コラボドリンクだと、「ちびキャラコースター」全17種類が用意されています。こちらも全てランダムでの提供なので、欲しい図柄が手に入るとは限りません。

作品のファンがコラボカフェへと足を運びますが、その中でも特に好きなキャラクターがいて、その推しキャラの特典が欲しいと思うのはごく自然な話です。しかし、全16種類や17種類となれば、お目当てが手に入る確率はかなり低く、それでも欲しい場合は注文を重ねるしかありません。また「スイーツパラダイス」の場合は、別途バイキングの注文も必要なので、食べ残し問題に拍車をかける形になります。

こうした背景があるため、コラボカフェを利用するユーザーからは、“大量に食べ残す客が一番悪い”という前提を踏まえた上で、「ランダムにする企業側のやり方にも問題がある」「食べ残しを警告するだけでなく、別の提供方法も模索するべき」といった声が挙がっています。

一部のコラボカフェでは、メニュー分の代金は丸々支払うものの、提供される料理やドリンクはスタッフへの差し入れ扱いとなり、特典だけもらう「スタッフさんにどうぞ」というシステムを採用しているケースもあります。

このシステムなら、食品ロスに関する問題は発生しないため、ひとつの解決法と言えるでしょう。しかし、「支払う金額が特典と見合うのか?」「そもそもランダムをやめればいいのでは」との声もあり、「スタッフさんにどうぞ」も万能の解決手段とまではいきません。

大量の食べ残しが発生する問題は、ランダムな特典の提供と無関係ではありません。利用者からすれば、ランダムの取りやめが最もスムーズに解決できる手段です。しかし店側や運営側からすれば、大がかりなコラボレーションをリスクなく行えるわけではないので、ランダムで注文が多めになる部分まで想定してようやく実施できるのかもしれません。

今回「スイーツパラダイスコラボ」が発信した「大量食べ残し問題」は、誰にとっても解決すべき点なのは明らかです。しかし立場によって、この問題で注目するポイントや解決方法が変わってきます。

コラボをきっかけにお店の料理を知って欲しい、作品を愛するファンに色んなサービスをしたい、可愛いグッズを集めたい……そうした想いは、どれも間違っていません。どうしたら、このシンプルな気持ちのままでいられるのか。それぞれの視点から見える問題点の共有と、立場を超えた理解や協力が必要なのかもしれません。

(C)miHoYo


るるぶ原神 (JTBのムック)
¥1,375
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《臥待 弦》

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース