体験版で賛否両論の『ヴァルキリーエリュシオン』は買いなの? 製品版で快適に遊べるの?─体験版の先に待つ“プレイ感の一変”を伝えたい!

久しぶりのシリーズ最新作となった『ヴァルキリーエリュシオン』。ですが、体験版での限られたプレイから、不安や懸念を抱えている方が少なからずいます。そんなユーザーに向け、製品版で感触が変わるプレイ感に言及します。

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体験版で賛否両論の『ヴァルキリーエリュシオン』は買いなの? 製品版で快適に遊べるの?─体験版の先に待つ“プレイ感の一変”を伝えたい!
体験版で賛否両論の『ヴァルキリーエリュシオン』は買いなの? 製品版で快適に遊べるの?─体験版の先に待つ“プレイ感の一変”を伝えたい! 全 25 枚 拡大写真

PSソフト『ヴァルキリープロファイル』から始まった『ヴァルキリー』シリーズは、北欧神話を題材とする共通点を持つ一方で、2Dアクション+コマンドRPGだった1作目、バトルに3Dフィールドでの位置取りを取り入れた『シルメリア』、シミュレーション要素が色濃い『咎を背負う者』と、同じ場所に留まらないシリーズ展開を行ってきました。

『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』では、スマートデバイスに向けて基本プレイ無料というプレイスタイルを提案するなど、新たな刺激を求め続けるスタイルに変わりはなく、9月29日に発売されたばかりの『ヴァルキリーエリュシオン』も、アクションRPGという新境地に踏み込んだ姿を見せました。

安定は時にマンネリに繋がりますが、しかし挑戦がいつも成功に結び付くとは限りません。過去作たちも素晴らしい魅力を備える反面、特定の部分について改善を望む声が上がることもあります。

最新作『ヴァルキリーエリュシオン』についても不安や懸念の声はあり、特に発売前に配信された体験版のプレイを通して、不満を覚えた方もいました。

実際、筆者も冒頭(体験版の範囲)をプレイしている最中、気になるポイントがいくつもありました。しかし、その範囲を超えて遊び続けると、抱えていた不満が解消されたり、プレイ感の変化を味わったことから、「体験版だけで判断するのは早急だ」という結論に辿り着きました。

ゲームが面白いかどうかは、好みや相性が左右するため、あらゆる人が“面白い”と感じる作品は存在しません。ですが本作については、最初の手触りだけでは見えてこない面があるのも事実です。

そこで今回、『ヴァルキリーエリュシオン』のプレイを続けた筆者の経験から、体験版だけでは分からないプレイ感や、序盤をうまく乗り切るポイントなどをお届けします。購入の判断の目安にするもよし、先に進む足がかりにするもよし、この記事をどうぞお役立てください。

■体験版で直面する、戦いにくさから湧き上がる不安感

体験版で気になりやすい点のひとつは、バトルのアクション面……特に快適性に関わる部分かと思います。筆者も、最序盤はこのポイントが非常に気になりました。

『ヴァルキリーエリュシオン』は、シリーズ初の3DアクションRPGです。立体的な空間を自由に動き回り、通常攻撃と変化技(いわゆる弱攻撃・強攻撃)を組み合わせる連続攻撃、強力な攻撃や回復スキルに相当する「ディバインアーツ」、そしてガードに回避、カウンターなどを駆使し、敵と戦います。

一般的なアクションRPGに見られる要素は一通り揃っており、操作感そのものもまずまず。遠くの敵へ一気に近づける「ソウルチェイン」と呼ばれる独自要素のおかげで、戦闘中に3Dフィールドを行き来する手間はかなり少なく、この点はかなり爽快です。

ただし、攻撃後の隙が若干長めでモーションの大きい攻撃もあるため、連続攻撃の終盤などで別の敵に割り込まれることも多々。もちろん、少ない手数で一度距離を取り、仕切り直せば安全に戦えます。しかし、雑魚であっても2~3撃では倒せないので、ついつい手数を増やしてしまいがち。その結果、別の敵から攻撃を食らってストレスが溜まる、という悪循環に陥りやすいのです。

このバランスが爽快感を欠き、体験版でプレイ意欲を挫かれた方が少なくないと思います。ですが、これには理由があり、またプレイ感も後々大きく変わっていきます。

■体験版の1歩先に待つエインフェリアが、ヴァルキリーの戦いを大きく変える!

最序盤の戦いが厳しく、阻害されて爽快感を欠く大きな理由は、主人公であるヴァルキリーしか戦場にいないためです。体験版の主なプレイ範囲となるチャプター1は、彼女だけで挑まなければなりませんが、その先に待っているチャプター2の終わり際に、仲間に加わるエインフェリアが戦闘に参加。そして、以降はプレイヤーの任意でエインフェリアを戦闘中に呼び出せるようになります。

エインフェリアを召喚すると、制限時間(任意で変更可能)こそありますが、その間はずっと一緒に戦ってくれます。メンバーが増えると2人まで呼び出せますが、ひとりいるだけでも戦いやすさは大違いです。

彼らは、召喚すればあとは操作いらずで自動的に戦ってくれます。また、ダメージソースの点でも頼りがいがあり、特に属性的に有利な敵なら、こちらが気づかぬうちに倒していることもしばしば。

エインフェリアがひとりいるだけでも、敵の攻撃が分散されるので、割り込まれる確率は単純計算でも半分に。2人いれば1/3となり、攻撃を受ける負担はこれだけで激減します。

本作のバトルは、エインフェリアとの共闘が基本になっているので、ヴァルキリーだけだと戦闘が厳しいのはむしろ当然の話。「ならば、チャプター1はもっと敵の数を減らせばよかったのでは?」と思われるかもしれませんが、ここで厳しいバトルを経るからこそ、エインフェリアのありがたみや本作独自の戦略性が実感できるのだと思われます。

ちなみに、「じゃあ体験版でチャプター2まで遊べた方が良かったのでは?」とのご意見については、筆者も強く同意するほかありません。エインフェリアとの共闘こそ本作の核なのに、体験版で存分に味わえないなんてもったいない……!



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《臥待 弦》

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