ホロライブ・兎田ぺこらと『FGO』は蜜月のときを過ごすのか?インパクト十二分の初配信から現在までを追いかけた【バーチャルタレント名鑑】

ホロライブの兎田ぺこらが『Fate/Grand Order』をプレイする。それは衝撃となってシーンに広がっていきました。

配信者 VTuber
ホロライブ・兎田ぺこらと『FGO』は蜜月のときを過ごすのか?インパクト十二分の初配信から現在までを追いかけた【バーチャルタレント名鑑】
ホロライブ・兎田ぺこらと『FGO』は蜜月のときを過ごすのか?インパクト十二分の初配信から現在までを追いかけた【バーチャルタレント名鑑】 全 5 枚 拡大写真
様々なバーチャルタレント事務所が次々に発足し、着実にその裾野を広げ続けているバーチャルタレント(VTuber)シーン。牽引する二大事務所に注目が集まるなかにあって、数年来に渡って活躍を続けるタレントも非常に多い。この連載コラム「バーチャルタレント名鑑」では、様々なカルチャーシーンで奮闘を続けるバーチャルタレント(VTuber)一人一人にスポットライトを当て、これまでの軌跡とこれからの望見について書いていきます。今回紹介するのはホロライブの誇るトップオブトップなインフルエンサー・兎田ぺこらさんです。

ホロライブの兎田ぺこらさんが『Fate/Grand Order』をプレイする。

VTuberファン/FGOファンの両者に、大きな衝撃を与えた一大ニュース。初配信から現在でも話題を呼ぶ配信となり、毎回のように超大人数の視聴者を集めています。なぜこの配信が人気となっているのでしょうか?

まず、ホロライブに所属する兎田ぺこらさんについて話しましょう。

【#兎田ぺこら生誕祭】お誕生日記念 3rd Birthday LIVE【ホロライブ】

2019年7月17日にホロライブ三期生としてデビューして以降、水色の髪色、三つ編みにはニンジンが刺さり、うさ耳をつけた何とも印象的/個性的なビジュアルで注目を集めており、癖のある笑い方や語尾に「ぺこ」をつけた口調など、彼女にしかないオリジナリティに溢れた個性を生かして注目を集めてきました。

配信中の彼女はというと、負けず嫌いな性格を前面に出してゲームプレイしつづけ、物覚えもかなり良い方ですぐに攻略・難所をクリアしていく、まさに正統派なゲーマーとしてゲーム配信をこなしています。

それに加えて、ゲーム内のギミックやストーリーに対して気になるところがあればすぐにツッコみを入れてお笑いにしてみたり、リスナーのコメントにも「アンタたちねぇ!」と言いながらツッコんでみたりと、ハイトーンな声もあって賑やかなキャラクターとしてファンに愛されることになりました。

【カミングアウト】ママにVtuberやってるって言う!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

デビューしてから3年ほど経過した2022年8月5日にはYouTube登録者数は200万人を突破し、ホロライブひいてはVTuber/バーチャルタレントシーンでも指折りのYouTube登録者数を誇っています。その影響力・存在感は非常に強く、ゲーム配信を生業とする著名ストリーマーや配信者からも常に名前が上がり、その勢い・規模感は「インフルエンサー」といっても過言ではないレベルです。

そんな彼女がプレイすると語ったのは、2010年代を代表するゲームタイトル『Fate/Grand Order』です。

『Fate』シリーズの最新タイトルとして2015年に配信されて以降、重厚かつ複雑なストーリー/大胆でインパクトあるキャラクターの魅力/細部にわたって拘ったディティールの数々などで、00年代の原作ゲームを知る層だけでなく、アニメ『Fate/Zero』を見ていた層やこの作品からスタートする層、すべてをひっくるめてブチアゲてしまった作品です。

The Essentials of “Fate Series” - 人類史最大の英雄譚 - | Fate/Grand Order 配信3周年記念映像

Twitterのトレンド占拠など朝飯前、超大型タイトルとして数多くのメディアミックスがなされ、その多くがヒット。
独自・独特な世界観で原作発売から20年近く経ったいまでも巨大なファンダムを抱え、強い支持を受けるシリーズ/作品となっています。

◆兎田ぺこら×「FGO」=大トロ×ステーキ

そんな本作をぺこらさんプレイするといったのは、なんと配信当日の18時半。VTuber界きっての人気者が、ついに本作品に手を出すのかという期待に溢れることになりました。

『Fate』シリーズはいうに及ばず、こういったシナリオに重きを置いたゲームを配信でプレイするとなった場合、必ず注意されるのが「どこまでシナリオを進めていいか?」「ネタバレはどこまでが許されるのか?」という点。

現在では配信する上でのルールが作品ごと・制作会社ごとによって異なるため、それに則っていない場合かなり強く責任追及されてしまいます。とりわけホロライブやにじさんじなどの有名なVTuber/バーチャルタレントが『FGO』を配信でプレイすることはほとんど無く、新サーヴァントが登場した際にガチャ配信をする程度になっていました。

そんななかで、ホロライブのトップオブトップである兎田ぺこらさんが『Fate/Grand Order』をプレイすることを宣言しました。ステーキと大トロを組み合わせるような、そんなレベルである。

【FGO】はじめての Fate/Grand Order !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

配信の冒頭に、大きな声でぺこらさんはこのように話しました。

「SNSで『案件かな?』なんて言われていたけども、案件ではございません!」
「ここ最近になってFGOの配信がオッケーになったと運営から知らされて、『え!ならやりたいです!』と運営に掛け合って、ようやくオッケーしてもらった」

概要欄には「メルブラと月姫が好きで/stay nightの漫画を途中で借りパクされた」とあるように、『Fate』シリーズは深く理解しているわけではない模様。プレイしても良いシナリオも序盤の「炎上汚染都市 冬木」までと伝えられていたそうで、わずか2回で配信が終わるかと思われていました。

その後、2011年に放映された『Fate/Zero』をリスナーとともに同時視聴、無事に全話を見届けました。

【同時視聴】Fate/Zeroみんなで観よう!!!!!!!!!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

セイバーことアルトリア・ペンドラゴンやアーチャーことギルガメッシュを筆頭に、登場キャラクターらのクセの強い思想・信念にツッコミながら、各キャラクターの宝具が炸裂するシーンでは作画・演出の素晴らしさに興奮しっぱなし。

「こういうの展開読めちゃうんだよなぁ~」と時折口にしていたぺこらさんですが、まったく読めなかったストーリー展開に「誰が想像できるか!」「この話作った人、人の心はないのか?」と圧倒されます。

『Fate/Zero』の原作小説を執筆したのは虚淵玄、同小説を執筆した数年後に『魔法少女まどか☆マギカ』を制作しているといえば、どれほどの物語かが想像に難くないでしょう。

◆なんと配信がFGO第1部第6章~終章途中までオッケーに!

最終回まで見終わったあとの感想戦もそこそこにしつつ、彼女の口から「第六特異点 神聖円卓領域キャメロット」「第七特異点 絶対魔獣戦線バビロニア」「終局特異点 冠位時間神殿ソロモン 11節まで」という特例的なオッケーが出たと報告されました。

さっそく10月15日から「キャメロット」編をプレイし始めた彼女。配信外でかなりストーリーを進め、手持ちのサーヴァントも育成していた彼女。「みんなー!ウェイバーくんとイスカンダルが並んでるよー!!」と初々しくリスナーに語り掛けつつ、やはり引っかかったのは円卓騎士の一人でもあるガウェイン。

とあるギミックが施されているのでかなりの強敵であり、コメントからのヒントも参考にしながら1時間かけて(!)撃破すると、さすがにお疲れの様子で配信を終えました。

ちなみに、ここで倒したのは第4節「嘆きの壁」のガウェイン。その後により強力な円卓騎士が登場するので、ぺこらさんには頑張ってほしいところです。また、『Fate /stay night Unlimited Blade Works』の同時視聴も予定しているとのこと、今後数か月間兎田ぺこらさんの配信は「Fate」一色になっていきそうです。

【FGO】はじめての Fate/Grand Order !! 神聖円卓領域キャメロットやる!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

2022年末に『FGO』第2部第7章「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」が公開予定であり、長きにわたって紡がれてきた物語の終焉がようやく見えてきたタイミング。くわえて「キャメロット」「バビロニア」「ソロモン」はすべて映像化されており、BD/DVDは既発売、Amazon Primeなどの配信サイトなどで見ることもできます。

こういった関係をみるに、ぺこらさん曰く「FGOの配信がオッケーになった」というのも、ラストの大団円に向けてラストスパートをかけたいというFGOスタッフの考えがあるのかもしれません。

今後はぺこらさん以外にも、『Fate/Grand Order』を配信でプレイする方々が出てくる可能性もありえます。ですが、ファーストインパクトはシーンを飛び越えていくほどに波及していったのをみると、ホロライブの誇る「インフルエンサー」兎田ぺこらさんだからこそ残せた威力だったと思えます。

「バーチャルタレント名鑑」過去記事はコチラ

《草野虹》

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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