“からくり”が作り出す自由な、新次元の狩りを堪能!EA×コエテク新作狩りACT『WILD HEARTS』プレイレポ【特集】

無限の戦略を生む“からくり”が最高に楽しい!世界観も抜群です。

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“からくり”が作り出す自由な、新次元の狩りを堪能!EA×コエテク新作狩りACT『WILD HEARTS』プレイレポ【特集】
“からくり”が作り出す自由な、新次元の狩りを堪能!EA×コエテク新作狩りACT『WILD HEARTS』プレイレポ【特集】 全 38 枚 拡大写真

エレクトロニック・アーツとコーエーテクモゲームスは、新作ハンティングアクション『WILD HEARTS』をPC/PS5/Xbox Series X|S向けに2023年2月17日リリースしました。

本作の舞台となるのは、幻想的な中世の日ノ本・東(あづま)の国。この地では雄大な自然と融合した強大な“獣”が勢力を広げ、今では人間たちの領域はほぼ失われている状況です。プレイヤーは古の技術“からくり”を扱える存在「獣狩(ししがり)」として、獣を狩るためにさまざまな地で戦っていきます。

本稿では、いよいよ狩猟解禁となった『WILD HEARTS』のプレイレポートをお届け。“からくり”によって自由で立体的なアクションを実現した、本作の魅力を存分に伝えていきたいと思います。

『WILD HEARTS』とは

本作は2022年9月13日にエレクトロニック・アーツとコーエーテクモゲームスがパートナーシップを締結し、ω-Forceが手がける新作ハンティングゲームを制作する発表から始まりました。そして、9月27日に『WILD HEARTS』というタイトルを発表、和風ファンタジーな世界観を窺わせるトレイラーも公開されています。

その後は巨大な“獣”やさまざまな“からくり”の紹介など、多くの情報を公開。一部の獣のデザインには造形作家の竹谷隆之氏が参加していることなども明かされています。自然と融合した“獣”との戦いが描かれる本作の魅力やテーマについては、発売前プレビューや開発者インタビューなどもご覧ください。





本作の舞台となる東の国は、かつて“獣”との領域争いに人間が敗れ、今ではほぼ全ての地域が獣の縄張りとなっている地域。勇壮な城や街、仏閣などの建物は今や自然に侵食され、美しくも不気味な雰囲気を醸し出しています。

物語は、主人公が東の国を訪れるシーンから始まります。まずチュートリアルとして、移動方法や攻撃、壁の登り方などの基本操作を学び、道中出会った謎の老人「六科(むじな)」との会話後にキャラメイク画面へ。本作のキャラメイクはかなり設定項目が多いのも大きな魅力です。



その後、突如として周囲の風景が一変し、凍てつく大地に現れた獣「ラセツ」によって主人公は瀕死に。六科によって一命をとりとめますが、その代償として、主人公は古の兵器“からくり”をその身に宿す事になります。

“獣”を狩れ。その六科の言葉に導かれるように、主人公は「獣狩(ししがり)」として、東の国で戦うことになるのです。

美麗な自然を支配する"獣"を狩れ!

本作の"獣"は自然と融合した姿をしているのが特徴。最初に主人公を襲った「ラセツ」は狼の姿に氷の樹を纏った姿で、周囲の環境を冬に変えてしまうのは驚きです。

ゲーム内には季節を司る4つのフィールドなどがあり、その自然に呼応したような"獣"が闊歩しています。ゲームとして最初の狩猟対象となる「ハナヤドシ」は頭に花、尾に大きな実のようなコブを付けているネズミのような姿が特徴。その大きなコブを使用した強力な一撃を放つなど、その個性を生かした戦い方でプレイヤーを苦しめます。

すべての大型獣はある程度戦っていくと「怒り状態」になります。怒り時のモーションが、身に宿す自然の力を「解放」しているような雰囲気でとてもかっこいいのも魅力的。もちろん怒ることで危険性が増すので要注意ですが、じっくりと観察してみたくなります。

個人的に好きな"獣"は「ジゴクザル」「ヤマウガチ」「ラセツ」など。また、タイトルバックにも登場する「クニナラシ」はその全体的なデザインの良さはもちろん、背中に人工物を載せている途方もないスケール感に驚かされます。

なお、それぞれの"獣"には弱点属性や破壊できる部位などがあります。一度戦った相手ならばメニューから各項目が確認できるので、再戦前に確認しましょう。知識こそが「獣狩」が戦うための大きな武器なのです。

攻防一体!圧倒的”からくり”の面白さ!

本作の最大の特徴とも言える”からくり”は、かつての「獣狩」たちが使用していた、失われたはずの古の技術です。その「種」を六科によって移植されたことで、主人公はゲーム内で”からくり”を使用することができます。”からくり”には「基礎からくり」「連結からくり」「龍脈からくり」の3種類があります。

「基礎からくり」は、足場やジャンプ台に使える“匣”、短距離移動に使える“発”、灯りや武器強化に使える“灯”などの種類が存在。プレイヤーは「からくり糸」と呼ばれるアイテムを消費することで、ほぼすべての場所に設置することができます。マップの移動や戦闘中の回避など、上手く使えば狩りは大幅に楽になります。

「連結からくり」は「基礎からくり」の組み合わせで作り出すもので、大きな“門”で相手の突進を防ぐなどのテクニックも使えます。“獣”の一部行動には「連結からくり」で対処できる弱点があり、成功すればダウンを奪って攻撃チャンスが生まれる、まさしく攻略の鍵ともいえる要素です。

足場を作って攻撃してくるツノバシリ。つまり足場を……?

ちなみに「連結からくり」は、特定の“獣”との戦闘中に閃くことで使える様になります。この閃き演出も非常に格好良く、どういった場面で使えばいいのかを強く印象づけてくれます。”からくり”はシームレスなマップで自由に設置できるので、状況に応じた対応が必須。ゲームに高い戦略性を生むシステムとしてとても優秀です。

ただし、からくりを使うための「からくり糸」は通常ではあまり数が持てないため、リソース管理には注意しましょう。フィールド上のオブジェクトから集めたり、“獣”を攻撃して補充はできますが、肝心な時に糸が足りない、となると命に関わる事故が起こりかねないのです。

もうひとつの“からくり”こと「龍脈からくり」は、ゲームのシステムを大きく拡張します。次項では、その魅力をお伝えしていきます。

空を飛ぶ“羽”が最高に楽しい。

「龍脈からくり」でフィールドを自由にカスタマイズ!

「龍脈からくり」は、ゲーム内での狩猟や移動に便利な施設を好きな場所に設置できるもの。ゲーム冒頭で、倒れているNPCキャラクター「なつめ」を介抱する形式でチュートリアルを行います。

代表的なのが「獣狩の幕屋」で、設置した場所へのファストトラベルが可能になります。狩猟中に倒されたり、目標が移動した際にはショートカットに使えるほか、テント内で休むこともできます。「焚き火」を作ればオンラインプレイの待受ができたり、主人公に付き添うマスコット“つくも”の改造も可能です。

他にも“獣”の位置を探ってくれる「獣探しの櫓」、フィールド上にジップラインを貼れる「飛蔓」や、どこでも装備の制作や変更が可能な「金床」、鉱石や魚といった素材を集めてくれる施設など、多くの便利な“からくり”が用意されています。設置した「龍脈からくり」は狩猟終了後も引き継がれるので、マップの各地に置くことでショートカットや素材集めに活躍してくれます。

ただし設置には「龍脈」と呼ばれるコストが必要になるため、フィールド上に設置できる数には上限があります。設置コストはフィールド上の“龍穴”を見つけて開放することで増やせるので、新しいマップに来たら、まずはマップ内を探索しながら「からくり設置に適した場所」と「開放できる“龍穴”の場所」を見つけましょう。

「龍脈からくり」で個人的にユニークに感じたのは食材加工施設。本作は食事を摂ることでステータスにバフがかかるのですが、採取した肉・魚・野菜などは干したり燻したりすれば、より大きな効果を得られるようになります。例えば麦などはそのまま食べるだけでなく「味噌」に加工して、他の野菜を漬ける調味料にすることもできます。

シンプルながら加工のバリエーションも多いので、地味に楽しいシステムですね。なお、一部の「龍脈からくり」の解放はステータス画面から行います。

拠点も「龍脈からくり」で自分好みにカスタマイズ!

さて、この「龍脈からくり」の醍醐味は、プレイヤーの拠点・湊の村にも置けることです。湊は東の国で唯一人間たちが集まって暮らしている集落で、かつて「獣狩」たちが集まっていた場所でした。現在は“獣”の脅威に怯えながらも何とか暮らしている状況です。

そんな湊には武器や防具を制作してくれる「鍛冶屋」、商品の売買ができる「商店」といった施設があり、プレイヤーの狩りを助けてくれます。ストーリーが進めば「温泉」も使えるようになるなど、少しずつ施設が復旧していくほか、主人公への依頼を持つNPCも登場します。

鈴蘭さんが個人的に好み。個人的な話ですが。

しかし、切り立った崖の上に立つ湊は立体的で、慣れないうちは移動に手こずってしまいます。もちろん施設へのファストトラベルはあるのですが、もっと気軽に移動するならば「龍脈からくり」の出番です。村の中でもほとんど制限なく設置可能なので、施設への直通ルートを作り出すこともできます。

もちろん素材収集や食材加工施設も街中に設置可能。さらに、装飾用の見た目アイテムなども設置できるので、自分だけの湊を自由に飾りつけることもできます。マルチプレイではホストの風景を共有できるので、こだわり抜いた湊を見せつけることもできます。

村の中を車輪で走り回る。

ちなみに「飛蔓」などは、設置するとNPCが利用し始めるようになります。村で”からくり”が生活に根付いていく感じもあり、演出としてもなかなかいい雰囲気だと思います。

豊富な武器とからくり!マルチならさらに戦略は広がる!

本作には「からくり刀」「野太刀」「鎚」「傘」「弓」「大筒」「変形棍」「飛燕刀」の8種類の武器が存在しています。ゲーム開始時に主人公は「からくり刀」のみ使用可能ですが、ゲームが進めばさまざまな武器が開放されていきます。

武器はどれも独自の機能があり、その性能や得意な戦闘スタイルもさまざま。最初のからくり刀も普通の刀としての運用だけでなく、専用ゲージを消費することで、刀身を蛇腹のように変形させた協力なラッシュが可能になります。他にも5種類の武器に変形する「変形棍」、必殺攻撃でビームを出す「大筒」など、個性豊かな武器が目白押しです。

これらの武器と各種“からくり”との組み合わせを考えるのも重要です。特に本作では、地上と空中で大きく性能が変化する武器も多いため、“匣”でジャンプ攻撃を織り交ぜたり、空を飛ぶ“羽”で上空から相手を狙ったりと、気軽に立体的な戦闘もできるのが嬉しいところです。

ちなみに「基礎からくり」は一度に4種類までしか持てないため、ソロではすべての「連結からくり」を使用する事はできません。しかし、マルチプレイならフレンドと協力して組み合わせることもできるので、上手く持ち込む「基礎からくり」を調整することで無限の戦略を構築する事もできるのです。

“獣”の特性を見つけ出し、相手の強力な一撃に“からくり”でカウンターを決めた瞬間は、本作で最高に気持ちいい瞬間です!


ここまで紹介してきた『WILD HEARTS』。本作の最大のポイントとも言える“からくり”がアグレッシブな陣地構築や戦闘を可能にし、狩りゲーとして独特な面白さを作り上げています。“からくり”を上手く利用し合うマルチプレイが何よりも楽しいのも嬉しいところです。

全体的な「和」の雰囲気も抜群で、フィールドの風景や“獣”も素晴らしいデザインです。キャラメイクの豊富さや魅力的なキャラクターはもちろん、ストーリーもしっかりと盛り上げてくれます。とてもいい意味で「お約束」なシーンで最高にかっこいいカットインを用意してくれているのも老舗メーカーの実力を感じます。

ロケーションはどこも魅力的。

一方で、もう少しだけ洗練して欲しいと思うのがカメラワーク。一部の“獣”は非常に大きいため、距離によってはターゲットで視点を固定した際に何も見えなくなることも珍しくありません。どうしても回避や“からくり”によるカウンターが重要な作品なので、もう少し相手の動きが見やすくなるとさらに遊びやすいかなと思います。

なお、記事執筆現在では多数報告されているパフォーマンス問題への対応パッチは間もなくリリース予定です。ゲームとしては間違いなく面白い作品なので、すべてのプレイヤーの環境が改善されていくことを望みたいところです。

『WILD HEARTS』はPC(Steam/Epic Gamesストア/EA app)/PS5/Xbox Series X|S向けに2023年2月17日より発売中。サブスクリプションサービス「EA Play」の対象タイトルでもありますが、無制限プレイには「EA Play Pro」加入者である必要があります。


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《Mr.Katoh》

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