◆運命やギターの音色に揺れながらーマイペースに楽しむことも大切
バグの話題が度々あがる『Apex Legends』ですが、本大会において、最もバグに振り回されたのは、イブラヒムさん、一ノ瀬うるはさん、小森めとさんの「sadame gaming」チームでしょう。
彼らが降りるスカイフック西には「試練」といわれ、襲ってくる敵性生物をすべて撃退すると、報酬として高ランクなアイテムが入手できる場所があります。これらのアイテムがマップにのめり込むバグが発生し、拾うことができないという状況が続いていました。
練習期間の間には修正される気配がなく、公式大会である「Apex Legends Global Series(ALGS)」では、この不具合を含めた現況を不安視して、試合日程を思い切って変更したほどです。
本来入手できるアイテムがゲットできず、「直るか?」と思われていたゲームパッチでも修正される気配が無く、装備面での不安が残っていました。しかし、「V最協」前日となる4月14日に突如バグが修正され、本来通りにアイテムが入手できるようになると、その日の公式カスタムでは高順位を得ました。
そのなかで迎えた大会の5戦目には見事にチャンピオンをゲットし、苦悩し続けた「sadame gaming」は総合順位4位で大会を終えました。
バグの修正に振り回され、他チームからも狙われたりなど「運命」に振り回されたこのチーム。そんな3人を癒したゲームがあります。それが『ゴッドフィールド』です。20年以上に渡ってプレイされつづけているカードゲームですが、試合が始まる前、試合途中で負けた時、ちょっとした休憩時間などのタイミングでプレイしていました。
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本大会の4戦目に早々にリタイヤしてしまった際には、「ゴッフィーやるかぁ、見てても仕方ないし」の一言でいつものように(?)『ゴッドフィールド』を始めました。
まさに「運命」を受け入れるかのように、気負い過ぎることなくリラックスしようと『ゴッドフィールド』に興じる3人。1か月で続けてきた習慣をこなすことで、一度リセットし、リラックスして5戦目を迎えられたのかもしれません。
このように、試合途中でリタイヤしてしまったりちょっとした休憩時間が挟まると、配信としてもダレてしまいがちになります。とくに悪いムードが漂っていると気落ちしてしまいそうになります。そんななかでハユンさん、ナリさん、水無瀬さんの「ぴんくあらもーど」は第3戦目と第4戦目のあいだにある15分ほどの休憩時間中、ギターを持ち出してセッションをしはじめます。
チームに途中から加入した水無瀬さんやコーチを含めた4人全員がギターを持っているという意外な共通点があったこのチーム。練習期間中もたまに誰かがギターを弾きはじめて歌うというシーンを多く見せていました。
この日もあいみょん「マリーゴールド」を歌い始め、「Fコード難しい!」と言いながら練習し始めるナリさんと水無瀬さん。トイレから戻ってきたハユンさんやコーチも混ざって4人でギターセッションが始め、楽しく休憩時間を過ごしていました。
韓国在住のハユンさんとナリさん、日本在住で途中加入した水無瀬さん。3人の距離を詰めたのが音楽だったというのはとても微笑ましいシーンでした。
◆運命を左右したのは「超反応爆殺シーラ」だった?
最後に紹介するのは、優勝チーム「めーぷるなっつばにーだよ」。
マッドマギーと同じようにピック率の高くないランパートをメインにプレイする樋口楓さん、いくつものカジュアル大会に出場して好成績を収めてきた胡桃のあさん、この第5回大会が「V最協」初参加となった兎咲ミミさん。
真面目かつ人見知り気味な3人ということもあり、練習期間には接敵した時にコールが足りないことや、エースである胡桃さんをいかにサポートするか?などさまざまな問題と向き合うようになりました。一連の練習が終わったあとも、コーチを務めたみこだよさんと共にメンバーの悩み・本音と向き合ったり、練習場内で実際にプレイしてみせてアドバイスをしつづけてきました。
そんななかで迎えた本大会で、3人は大爆発。第1戦、第2戦と連続でチャンピオンをゲットすると、早々にリタイヤすることがないようにしぶとく生き残り続ける戦法で高順位をキープしていきます。
10ポイント以上の差で迎えた最終戦。胡桃さんと兎咲さんが前方に展開したところ、脇の岩上からラトナ・プティさんが2人を狙う動きを見せます。後方から見ていた樋口さんは、とっさにシーラを構えて超反応。ランパートのアルティメットスキルであるミニガトリング銃の威力は超絶で、瞬く間にラトナさんを落とし、そのままチームで2キルをゲットしました。
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試合後、兎咲さんとコーチが口を揃えて「あの岩上を抑えたのはほんとにナイスプレイだった!」と激賞しています。
実はこの2キルは、大会中に「めーぷるなっつばにーだよ」としてゲットしたチーム内キルでした。総合順位を見てみると2位とはちょうど2ポイント差であり、もし樋口さんのランパートがシーラで撃ち落としていなければ、順位に大きな変動があったのかもしれません。まさにチームを勝利に導いたワンシーンです。
注目を集めていたのは本大会の配信や出場プレイヤーのプレイングだけでなく、本大会を見守るミラー配信も同様でした。
『Apex Legends』公式大会でアナウンサーなどを務める海外人気ストリーマーのNiceWiggさんが、rprさん、Nocturnalさんといった「V最協」でコーチを務めた2人らとともに観戦。
第2戦目での神成きゅぴさんのクラッチシーンには席を立ちあがって大盛り上がりし、配信中には神成きゅぴさんにかなり入れ込んだ様子で、「彼女のことは知らなかったけどファンになったよ!」「行け行けきゅぴ!!」と叫ぶほど。
rprさんが「推し」について語った際には、「間違いなくきゅぴを選ぶ。悩むまでもない、簡単だよ」「彼女のIGLは素晴らしい。言葉が伝わらなくても何をしたいかが分かるよ」とまでコメントしています。
神成きゅぴさん本人は大会終了後の雑談でrprさんとメッセージを送りあっていたことを明かしつつ、「NiceWiggはあたしがイチオシみたい!」と喜んでいます。
先述した第2戦目の自身のクラッチシーンで盛り上がるNiceWiggさんの姿もバッチリと確認すると、そのはしゃぎっぷりに神成さんも嬉しさを滲ませます。神成さんは以前から海外ストリーマーやプロ選手を見ることが多いので、喜びもひとしおでしょう。
もしかすれば今後NiceWiggさんがVTuberコミュニティに入ってくる布石になるかもしれません。
本大会だけでもこれだけの見どころ・面白いシーンが生まれたわけですが、練習期間となった1か月間でも多くの面白いシーンが生まれています。次回大会の開催はまだ分かりませんが、その間を埋めるには十分なほどに、魅力にあふれた大会になったといえるでしょう。