「ハリポタ」知らなくても『ホグワーツ・レガシー』は楽しいの!? “ミリ知り”勢の筆者が50時間プレイして本音レポート

PS5版やPC版などに続き、PS4版やXbox One版の『ホグワーツ・レガシー』が5月5日に発売。すでに高い評価を受けていますが、「ハリポタ」を知らなくても楽しいのか? その疑問に体当たりで挑んだプレイレポをお届けします。

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「ハリポタ」知らなくても『ホグワーツ・レガシー』は楽しいの!? “ミリ知り”勢の筆者が50時間プレイして本音レポート
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■「魔法世界」のオープンワールドは刺激的ながらも、探索の手応えは弱め

学校の作り込みは唸るほどでしたが、続いて本作に用意された世界全体について触れます。オープンワールドなのでフィールドの区切りはなく、目に映る様々な場所へ自由に移動可能です。とはいえ、周囲を囲う山などには侵入できず、そこが本作における世界の果て。こうした制限は他のオープンワールド作品にもつきものなので、やむを得ない部分です。

学校を出た外の世界には、住民たちが暮らす街や村があるほか、危険な森に朽ちた廃墟、山間や湖、探索に赴く遺跡など、様々なロケーションがプレイヤーを待ち受けています。しかも本作は、歩いて移動する以外にも、空を飛ぶ手段も用意。立体的な世界を自由に飛び回って動けるのは、本作ならではの醍醐味でしょう。

ただし、世界のスケール自体は、他の作品と比べて決して大きいとは言えません。単純な広さもそうですが、探索要素がやや物足りず、「世界を隅々まで調べつくしたい」という気持ちに駆られにくい印象を受けました。

探索要素自体は複数ありますが、コレクションやトロフィーに関するものも多いため、収集に興味が湧くかどうかで、探索への意欲が大きく変わります。戦闘に直接関わる部分(装備品の所持枠を増やしたり、古代魔術のストックを増加させる等)の強化も探索要素に含まれますが、比率的には少な目です。

より強い装備品を見つけに行くこともできますが、主人公のレベルに合わせて獲得できる装備品も強くなるので、低レベルの時に探し回るメリットはさほどありません。本作は「常に適切な装備品を見つけられる」のですが、「いつも適切な装備しか見つけられない」とも言えます。ゲーム進行をスムーズにする反面、探索への意欲が減るデメリットも存在します。

本作におけるオープンワールドは、「未知の世界を冒険する」ではなく、「目的地を目指して移動し、その途中で見つけた場所に寄り道する」といった手触りでした。そのため、冒険感を求めると肩透かしを食らうかもしれません。ただし、「生徒」という主人公の立場を考えると、冒険感の比重は適度とも感じます。学生の本分はやはり、勉強や生徒との交流でしょう。

原作を知っていると、訪れる先々で「あの町が再現されてる!」「この辺りはこういう感じなんだ」といった再現度への驚きや関心があるので、探索の味わいも増すものと思われます。この点は、未経験者にとって不利な部分かもしれません。

■生徒や先生との交流は、密度が高く、頻度は低め

先に述べた通り、先生や生徒との関係性はゼロからの構築です。といっても、交流に複雑な手順はいらず、メインストーリーやサブクエストを通じて、その関係が自然と深まっていきます。

先生はいずれも個性的で、魔法についての考え方も細かく違います。誰もが、人生と魔法が深く結びついており、その断片を覗き見るだけでも想像が膨らみ、興味をそそられます。

また、悩みや困りごとを抱えている生徒も多く、時には一緒に危険な場所へ赴き、ともにピンチを乗り越えることも。苦難を通して距離が縮まっていく感覚は、普段の生活では得難いだけに、ゲーム中の体験とはいえ嬉しいものです。

メインストーリーやサブクエストは、物語の展開もさることながら、関わる人たちの人柄が見えることが多く、その意味でも見ごたえがあります。台詞回しにも個性が伺えるので、そのやりとりに惹かれて物語やクエストを進めたくなるほどです。このあたりも、「ハリー・ポッター」を知らなくても問題なく楽しめる要素でしょう。

しかし交流の密度は魅力的でも、頻度という点ではやや弱いかもしれません。イベントが発生するとやりとりが濃いものの、日常生活の中での関わりが薄いという難点を抱えています。良く言えばメリハリが利いており、悪く言うとON/OFFの落差が激しく、受け取り方次第で印象が大きく変わるところです。

この落差が生まれる要因のひとつは、こちらから能動的に話しかける機会が少ない点にあります。日常的な、他愛のないやりとりをする場面があまりないので、個人的にはここの物足りなさが残念でした。

これは、交流のない生徒や住人たちの大半にも通じており、彼らとは直接話をすることができません。こちらは編入でやってきた立場なので、急に色んな人と親しくなるのも不自然ですから、無理のない話でしょう。とはいえ、もう少し交流が多かったら……と感じたのも事実です。

ただし補足しておくと、直接話せない相手は、無言でただそこにいるわけではありません。生徒同士や住民同士、時には霊たちが互いに会話しており、その内容は通りがかった主人公の耳にも入ります。嫌いな先生の話題で盛り上がる様子なども見られるので、決して味気ない存在ではなく、没入感を促す大事な役割を担い、その役目をしっかりと果たしていました。



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《臥待 弦》

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