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2023年5月24日、中国マクドナルドはチキンマックナゲット発売40周年を記念して、『テトリス』を遊べるナゲット型の携帯ゲーム機(以下、ナゲット型『テトリス』専用ゲーム機)を発売しました。中国限定販売であったものの、本ゲーム機は世界中で注目を集め、国内外では様々なメディアがその存在について報じています。
このたび筆者は、遅ればせながら本ゲーム機の入手する機会に恵まれたので、本記事では、マクドナルドとゲームの関係や、“そもそもなぜ『テトリス』なのか?”といった点の考察も交えて本ゲーム機の開封レビューをしていきます。
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また、今回レビューに使ったゲーム機のプレゼント企画もあるので、詳細は記事最後段を確認してみてください!
※以下の本文では、システムの都合上、簡体字で表記すべきところを繁体字に置き換えています。
マクドナルドとゲームの関係
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今回『テトリス』とコラボを行ったマクドナルドですが、ビデオゲームの観点では既に様々な展開が行われており、同店舗やマスコットキャラクターを題材にしたゲームとしては、ファミコン『ドナルドランド』、NES(海外版ファミコン)『M.C. KiDS』、メガドライブ『マクドナルド トレジャーランドアドベンチャー』、GBC『マクドナルド物語 ほのぼの店長育成ゲーム』などが存在し、2023年にはGB風新作ゲーム『Grimace’s Birthday』がリリースされています。
またニンテンドーDSシリーズに関しては、店舗で同ゲーム機を使った限定コンテンツを楽しめるサービス「マックでDS(2015年提供終了)」が展開されているほか、2010年にはアルバイト研修のため、全店舗にニンテンドーDSならびに専用ソフト『eSMART』が導入。ソフトの内容は、調理やサービスの手順などをゲーム形式で学べるものとなっています。
子供向けおもちゃとフードをセットにした「ハッピーセット」に目を向けると、『ポケットモンスター』や『スーパーマリオ』をはじめ、『イナズマイレブン』から『ロックマンエグゼ』など、様々な他社IPを使った商品がこれまでに販売されており、ここまでの情報でもマクドナルドとビデオゲーム史の一端でしかないことから、両者は切っても切れない関係と言えるでしょう。
なぜ“中国でチキンマックナゲットの『テトリス』なのか”
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疑問となるのは、チキンマックナゲット40周年を祝うのに“なぜ数ある他社IPの中で『テトリス』が選ばれたのか”、そして“なぜ中国限定販売なのか”という点です。しかし、これらの疑問の答えは“チキンマックナゲットと『テトリス』”、“中国と『テトリス』”という視点から考えると見つかるかもしれません。
考察1“『テトリス』とチキンマックナゲットに関連がある説”
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まず、チキンマックナゲットは今年で1983年のアメリカ全土販売開始から40年目を迎えましたが、奇しくも『テトリス』は1年後の1984年生まれ、ソビエト連邦・モスクワの科学者アレクセイ・パジトノフ氏により開発されました。
『テトリス』というタイトルはギリシャ語で4を意味する「テトラ」と、パジトノフ氏の好きなスポーツ「テニス」の合成語であり、その名の通り4つの四角形で構成された「テトリミノ(ブロック)」を、隙間の無く並べてラインを作り消していくパズルゲームです。ゲームモードの中には40ラインを消す速度を競うものもあり、これらの数字に着目すると、チキンマックナゲットが40周年であることや、ナゲットに「ブーツ」、「ボール」、「ボーン」、「ベル」と4種類の形が存在することが共通点と言えます。
この共通点が『テトリス』が採用された理由の可能性もありますが、ここで問題になるのは“なぜ中国限定なのか”というポイント。チキンマックナゲットと『テトリス』は共に世界中で商品展開されており、上記の理由では中国でしかこのナゲット型『テトリス』専用ゲーム機が発売されなかった点を説明できません。
考察2“中国と『テトリス』に関連がある説”
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そこで重要なのが本ゲーム機に関する中国マクドナルド公式ページの説明文です。公式サイトでは、本ゲーム機について「ドナルド・マクドナルド(中国では通称「マクドナルドおじさん:麦当勞叔叔」)とその友達が君を子供時代にお届け!」など、“懐かしさ”をアピールする文面が記載。実際に『テトリス』は長い歴史を持ち、多くの大人が幼少期にプレイした経験があるかもしれませんが、中国において本ゲームは“単なるレトロゲーム”以上の意味合いを持っているようです。
中国ゲーム関連メディア游研社によると、“同国内で最も売れた携帯ゲーム機は『テトリス』専用ゲーム機であり、今でも人気な国産携帯ゲーム機である”といいます。1989年当時、ゲームボーイは中国でも流通していたものの約500~800元と、1994年における中国国民一人当たりの可処分所得が3,496元であることを考えると非常に高額でした。
そこで各中国メーカーは30~100元と比較的お手頃な価格で『テトリス』をベースにしたゲーム機を販売。「爆弾を投下してブロックを爆破する」といった様々なバリエーションのゲームを備えたデバイスが登場し、なんと20年以上前の2002年には、ケンタッキー・フライド・チキンがカーネルサンダース人形風の『テトリス』が遊べるゲーム機をリリースしています。
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『テトリス』は中国内で単なる歴史の長いゲームではなく、特定の世代に親しまれてきた“懐かしの子供時代を象徴するゲーム”であり、このナゲット型『テトリス』専用ゲーム機発売が、現地の国際こどもの日(国際儿童節)である6月1日を控えた5月末な点や、文化的背景が理由で同国限定販売となったのでしょう。
ナゲット型『テトリス』専用ゲーム機を開封レビュー
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さて、前段が長くなりましたが、ようやく本題のナゲット型『テトリス』専用ゲーム機を開封レビューしていきます。まず内容物や製品の仕様などを見ていきましょう。
本製品のパッケージですが、形こそ違うものの質感は日本で販売されているマックナゲットのものと似ており、表面には「俄羅斯方塊(テトリス)游戲机(ゲーム機)」とともにゲーム機のイラストなどが、裏面には製品の仕様などのほか、テトリス社公式ライセンスを示すロゴがプリントされています。
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外箱を開封すると、ビニール袋にナゲット型『テトリス』専用ゲーム機、説明書、そしてデコレーション用ステッカーが共に梱包。ゲーム機はチキンマックナゲットの中でもブーツ型を模した形状で、触ったところ質感は滑らかなプラスチックとなっています。
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サイズは120mm×87mm×31mmで厚さはニンテンドースイッチのジョイコン(スティックを除く)より一回り厚く、縦横はゲーム&ウオッチ(スーパーマリオブラザーズ版)に近い大きさ、そして重さは約100gと見た目の割に軽量です。
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本機表面には40mm×45mmの液晶のほか、左右下の移動やハードドロップ、ローテーション用ボタンがあり、サウンドやディスプレイのオン/オフ、一時停止機能も完備。背面には電源スイッチに加えスピーカーが存在し、カバーを開けると電池ボックスに単4電池が2本収められています。
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電源を付けると、『テトリス』でお馴染みロシア民謡「コロベイニキ」をBGMに「TETRIS」の文字が画面にスクロールします。音質は令和生まれのデバイスとは思えないほどに割れており、一周周って懐かしさを感じるサウンドです。
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ゲームプレイにおいては、レベル15までの落下速度を選択できるものの、ゲーム中はBGMが一切なく効果音のみであり、ローテーションが右回転しかできないことや、現代『テトリス』に標準搭載されがちなテトリミノのホールド機能も無い点も考慮すると、娯楽用と言うより記念品としての側面が大きい製品かもしれません。
なお、同梱されているデコレーション用ステッカーにはドナルド・マクドナルドをはじめとする、マクドナルドのマスコットキャラクター達やこどもの日を祝う文面以外にも各アルファベットが用意されており、ある程度好きな文章を作ることができます。
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さいごに
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本記事では、ナゲット型『テトリス』専用ゲーム機リリース背景の考察や開封レビューを紹介しました。2023年に遊ぶには様々な点で至らなさを感じる本ゲーム機ですが、記念品としては良くできており、現地メディアでは各所で売り切れていたことや、主な購入者が「大きなお友達(大朋友)」であったことが報告されており、今でも『テトリス』が中国の大人たちの心を掴んで離さないことが察せられます。
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8月27日(日) 23時59分
注意事項
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