
HTCはVRヘッドセットで全身トラッキングを可能にする「VIVEトラッカー(Ultimate) 」を発売しました。軽量コンパクトで、HTC製のスタンドアローン型VRヘッドセットと組み合わせることで、外部センサなしで手軽なフルトラッキングを実現します。
◆軽量コンパクトで幅広いXR用途に使える
現在発売されているVRヘッドセットの大半が、装着者の上半身の動きだけをトラッキングする仕様で、腰、膝、足の動きをゲームやVR SNS内で再現するためには、専用の外部センサやスマートフォンを使ったトラッキングシステムを別途導入する必要がありました。
VIVEトラッカー(Ultimate) は外部センサを必要としないインサイドアウトトラッキングに対応しており、ゲーム、VRSNS、フィットネス、VTuberなどの用途で手軽にフルトラッキングを可能にする、とされています。

スペックは以下の通りです。
・サイズ:77×58.6×27.3mm
・重量:94g
・バッテリー:最大7時間
・接続機能:2.4GHzおよび5GHzのWi-Fi
・トラッキング:6DoFインサイドアウトトラッキング
本体には2つの広角カメラが搭載され、これで空間を認識して腰や脚の位置のトラッキングを行います。標準的な1/4-20 UNCの三脚マウントも付属し、幅広い用途での利用が可能だとしています。
VIVEトラッカー(Ultimate) は、現状ではHTC製のスタンドアローン型VRヘッドセットである「VIVE XR Elite」か「VIVE Focus 3」と一緒に使う必要があります。これに加えて専用のドングル「VIVEワイヤレスドングル」をこれらHTC製ヘッドセットに取り付けることで、フルトラッキングが可能になります。また、最大5台のトラッカーを同時に使用することができます。
充電は付属のUSB Type-Cケーブルで行うようです。
◆VRChatの全身トラッキングに標準で対応
対応するアプリケーションとしてまず、VIVE XR Elite用の「VRChat」がリリースされました。VRChatは、現在もっとも人気のあるVR SNS/メタバースであり、VRChat内ではフルトラッキングを使ったダンスやゲームの需要があります。
また、今後数週間のうちにベータ版としてSteamVRにも対応する予定で、SteamVRで人気のダンスステップ型音楽リズムゲーム「Dance Dash」用の専用ストラップも用意されています。

VIVEトラッカー(Ultimate) は将来的には、ヘッドセットがなくても完全に独立してSteamVRで動作するようになり、人や物体の動きを追跡するために使用できるように。個人向けだけではなく、映像制作や産業用のユースケースにも対応するとしています。


VIVEトラッカー(Ultimate) の価格は税込み31,000円(ドングルは別売)。トラッカー3台とドングル1つがセットになった「VIVEトラッカー(Ultimate) 3+1セット」の価格は税込み91,900円で、vive.comにて販売していますが、お得な3+1セットは発売からすぐに「再入荷待ち」となっています。
