「PSVR2」を自腹で買って1年2ヶ月……プレイ感や不満、足りない点を忖度抜きで語る! 現状を変える“2つのポイント”にも注目

PSVR2と1年以上付き合ったひとりのユーザーとして、機器としての魅力やプレイの実感、不満点などに迫ります。

ゲーム 特集
「PSVR2」を自腹で買って1年2ヶ月……プレイ感や不満、足りない点を忖度抜きで語る! 現状を変える“2つのポイント”にも注目
「PSVR2」を自腹で買って1年2ヶ月……プレイ感や不満、足りない点を忖度抜きで語る! 現状を変える“2つのポイント”にも注目 全 11 枚 拡大写真

■「PSVR2」にキラーソフトはないの?

作品単位で見れば、PSVR2にも素晴らしいゲームがいくつもあります。PSVR2と同時にリリースされた『Horizon Call of the Mountain』は、『Horizon』の世界をVRで表現するという難問に立ち向かい、その課題を見事クリアしました。

ポピュラーなVR体験のひとつである「高所の移動」を取り入れているため、崖登りのシーンが多いものの、その臨場感はやはり刺激に満ちています。また、実際に弓を引くようなアクションで楽しめるバトルも、同一性が感じられて満足度高め。

また、『Synapse』はありがちなFPSかと思いきや、まるで超能力者になったような疑似体験を味わうことができ、これもVRならではのプレイ感で興奮しました。

視線で敵を選び、手を握りしめるだけで拘束できる超常感。空高く放り投げれば、敵は落下でダメージを受けますし、空中で固定したまま銃で狙い撃つことも可能、そして崖下や海に投げ捨てれば敢えなく即死させられます。操作はシンプル、効果は絶大、気分は超能力者と、これほど贅沢なゲーム体験はそうありません。

そして、先日リリースされたばかりの『ソウル・コヴェナント』も、個人的なお気に入りVRソフトのひとつになりました。『ソウル・サクリファイス』のクリエイター陣が中心となって開発しただけあり、ポストアポカリプスな世界観の構築は見事の一言。そうしたクセの強い設定を、VRならではの臨場感とマッチさせた本作は、文字通りの意味で「その世界の登場人物と化す」疑似体験を与えてくれました。

アクションが激し過ぎると「VR酔い」を容易く招きますが、単調な動きだけではゲームとして手応えが薄くなる。この難問に敢然と立ち向かい、剣や鎌といった近接戦闘によるアクションゲームをVRで成立させる手腕と挑戦心、そこに独自性の高い世界観が加わり、VRでしか体験できないゲーム性を確立させた1作です。

時間が経つのも忘れて没頭してしまう、魅力的なPSVR2ゲームはいくつもあります。ですが、これは「遊べばわかる面白さ」を持ったゲームがほとんどです。PSVR2を支えるにはこうしたゲームの存在も必要不可欠ですが、今もっとも求められているのは、「遊ぶ前から、問答無用で購入意欲をかき立てるパワフルなゲーム」に他なりません。

曖昧かつ無茶な要求なのは百も承知ですが、現状足りないものを忌憚なく考えると、この結論が真っ先に思い浮かびます。現状、PSVR2は活気があるとは言い難く、この空気感と現状を一変させるには、パンチのある展開が急務です。



  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 4
  6. 続きを読む

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

+ 続きを読む

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース