善人ではなく、子供ともガチで喧嘩……そんな「岸辺露伴」がなぜ人気なのか? 「だから気に入った」と言いたくなる人間性に迫る

人格者からは遠く、しかし魅力に溢れている「岸辺露伴」。その人物像にあらためて注目しましょう。

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善人ではなく、子供ともガチで喧嘩……そんな「岸辺露伴」がなぜ人気なのか? 「だから気に入った」と言いたくなる人間性に迫る
善人ではなく、子供ともガチで喧嘩……そんな「岸辺露伴」がなぜ人気なのか? 「だから気に入った」と言いたくなる人間性に迫る 全 7 枚 拡大写真

■理不尽に抗い、誰かを守る意志を貫く

ワガママで人間嫌いな一面はあるものの、「自分だけよければそれでいい」といった隔絶感はなく、なんのかの言いつつも人との関わりを断たない振る舞いも、露伴らしい人間味が窺える部分です。

一例ですが、担当の編集者が謎めいた別荘地を購入すべく、売り主との面談に挑んだ「富豪村」の話では、露伴は漫画の取材として同行し、編集者の窮地を救いました。

その面談では「マナー」が厳しく問われ、3つのマナー違反を犯した編集者は、再挑戦の代償として、母親と婚約者の命を奪われてしまいます。さらに、この異常な事態に露伴が動くものの、その過程で編集者自身の命も失われてしまいました。

マナーを間違うだけで、多大な代償を負わされる「面談」。ですが、深入りしなければ、それ以上失うことはありません。この時点で露伴は担当編集者を失っていますが、彼自身は至って無傷。これ以上の危険に関わらず帰ることも可能でした。

リスクを負い、仮に成功しても失ったものを取り戻せるだけ。しかし失敗すれば、今度は露伴自身がかけがえのないものを失います。あまりにも危険な賭けなので、ここで保身を考えたとしても、その判断を強く責められる人は誰もいないでしょう。

しかし露伴はマナーの再挑戦に挑み、正しい選択とスタンド能力「ヘブンズドアー」の力で、失われていた全てを取り返します。担当編集とはいえ、自らリスクを負ってまで救おうとする姿勢は、裕也との戦いでも見せた「屈しない誇り高さ」「自らを危険に晒してでも誰かを助ける意志」を改めて感じさせてくれました。

ちなみに実写ドラマ版の「富豪村」では、「全てのマナーにおいて最大のマナー違反、それは……マナー違反を、その場で指摘することだ」といった鋭い指摘も見せた露伴。この一言も、視聴者から多くの共感と賞賛を集めました。



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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