突然ですが、今回は『カプコン アーケードスタジアム』を紹介します。
昨今、「アーケードアーカイブス」やリメイク/リマスターなどで、人気のレトロゲームが手軽に遊べるようになりました。カプコンもこれまでアーケード向けに多くの作品を発売してきましたが、それらを最新ハードでプレイできるようにしたのが本シリーズです。
特徴は、1タイトル200円と「アーケードアーカイブス」などのタイトルと比べると破格の値段になっていること。ゲームセンターでプレイする場合を考えると、おおよそ2~4プレイほどするだけで元が取れてしまう値段です。
今回はそんな手軽に買い求めやすい『カプコンアーケードスタジアム』から、筆者が強くおすすめする5作品をピックアップしてきましたのでご覧ください。
◆大人達はみんな死んだ・・・・。 『プロギアの嵐』
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本作は『怒首領蜂』や『虫姫さま』などを開発したケイブとカプコンが手を組んで誕生した、世にも珍しい横スクロールの弾幕シューティングになります。横スクロールのシューティングと言えば同じくカプコンが販売した『サイドアームズ』や『アルティメット エコロジー』のような、敵の弾はそこまで多くなく、自機の当たり判定が比較的大きいゲームを思い浮かべる人も多いと思います。しかし本作は、『怒首領蜂』や『ギガウイング』などの縦スクロールの弾幕シューティングに近い雰囲気になっています。
本作の一番の特徴は、「敵の爆発が弾幕を誘爆させる」ところにあります。これによって苛烈な弾幕による攻めをボムを使わずにしのぎ切ったり、誘爆させるとスコアアップアイテムに変化することを利用。あえて敵を倒さず残して弾幕を処理するのに使えるなど、プレイヤーが腕を磨けば磨くほど画面を覆いつくすような弾幕を大胆な動きで処理することができます。
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前述した特徴も相まってか本作の難易度は非常に高く、比較的簡単な1面を抜けて油断していると、2面からもう度肝を抜かれることになるでしょう。しかし、決してクリアできないというものでもなく、何度も何度もコンテニューを繰りかえすことでクリアに一歩一歩着実に近づけると思います。
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稼働開始から20年以上、家庭用ゲーム機に移植されてこなかった幻の名作、『プロギアの嵐』で弾幕の嵐をぜひ体感してみてください。
◆俺より強い奴に会いに行く 『スーパーストリートファイターIIX』
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本作は皆さんご存じ『ストリートファイター』シリーズの2作目、『ストリートファイターII』の完全版ともいえる作品です。初代『ストII』が8キャラだったのに対し、『スーパーストリートファイターIIX』は16キャラと登場キャラクターが倍以上になっています。
また、本作はキャラバランスがとてもよく、初代『ストII』などでよくあった「始めてザンギエフを使ったらCPUのガイルに勝てない」ということが減り、どのキャラを選んでも熱い試合を繰り広げられます。
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そうしたキャラバランスの良さにくわえて、飛び三段と呼ばれる比較的簡単なコンボから、相手の体力を一気に5割ほど削り取っていく爽快感も持ち合わせている本作。ゆえに今なお愛される不朽の名作となっています。
まだまだ人気が衰えず、つい最近でもEVO Japan 2024にて有志の方が大会を開いていた『スーパーストリートファイターIIX』をプレイして、‘‘俺より強い奴’’に会いに行ってみてください。
◆俺たちゃ戦場の狼だ 『戦場の狼』
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本作は1985年に稼働開始したアクションシューティングで、本稿で紹介する作品の中では一番古い作品となっています。プレイヤーは銃と手榴弾のみを手にした主人公「スーパージョー」を操作し、たった一人で敵軍の基地を壊滅させるべく立ち向かっていきます。
そんな本作の一番の特徴は何と言っても「あまりにも硬派」という点にあります。ほかのアクションシューティングによくあるパワーアップアイテムなどは一切なく、ステージにある要素は敵と手榴弾の補給と捕まってしまった味方のみ。他のゲームとは一線を画す硬派さですよね。使われる武器も銃と手榴弾、あとはバズーカくらい。飾ることなくシンプルな見た目になっているからこそ、より戦場の臨場感が強化され、実際に戦場に投げ込まれたかのような感覚を味わえます。
本作で立ちはだかる敵は、1人の兵士に対して過剰なのではないだろうかと思うほどに大量に出てきては、主人公をハチの巣にしようと様々な方向から銃を放ってきます。立ち止まろうものなら、四方八方から撃たれてお陀仏です。それを防ぐためにもとにかく前に進んで路を切り開くことが重要になってくるのが、ここでしか味わえない魅力です。
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そんなあまりに硬派なアクションシューティングの『戦場の狼』で、敵の基地を炎で包んでみる1日を過ごしてみてはどうでしょうか。
◆ねらえ!ギガスコア! 『ギガウイング』
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本作は1999年3月稼働開始の縦スクロール弾幕シューティングです。カプコンの縦スクロールシューティングといえば、カプコンがゲーム業界に参入したタイトルでもある『バルガス』や、カプコンアーケードスタジアムで無料で遊べる『1943 ミッドウェイ海戦』など様々な名作があります。しかし、『ギガウイング』にはそのどれもと明確に違う点があります。
それは、「スコアがあり得ないくらいにインフレする」ということです。本作では、特にスコア稼ぎを意識することなく1面をクリアしたとしても、大体500億点ほど取れます。参考までに、前述の『プロギアの嵐』の1面を普通にクリアした場合はおおよそ72万点、『1943 ミッドウェイ海戦』で同様に1面をクリアすると5万点程度となります。これでどれほどインフレしているのかが分かっていただけたかと思います。
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また、ゲームシステムである「リフレクトフォース」も、このゲームを紹介する上で欠かせません。これはショットボタンを長押しすると発動可能なのですが、ボムを消費することなく無敵時間を生み出せるほか、敵から放たれた弾を全て反射し、その弾を命中させると大量のスコアアップを放出します。そういったシステムを利用し、迫りくる弾幕を全て自分の武器に変えていくのがこのゲーム最大の魅力となります。
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他のSTGとは一線を画すスコアアップを体感できる『ギガウイング』で他のゲームでは見ることのない兆の位に行くほどのスコアを叩き出してみてはいかがでしょうか。
◆光剣サイファー、存分に味わうがいい 『ストライダー飛竜』
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本作は1989年3月に稼働開始された2Dアクションゲームになります。プレイヤーは主人公のストライダー飛竜を操作し、全世界を支配する謎の冥王グランドマスターを倒すために雪山からジャングルまで世界中を駆け抜けていきます。
本作の魅力はなんといっても、様々なところに飛び移り、スタイリッシュに敵を始末するところにあります。同時期に稼働していた『大魔界村』なんかのずっしりとした動きが人気なゲームに対し、『ストライダー飛竜』は忍者のような動きでステージを飛び回り、彼の相棒とも言える「光剣サイファー」で邪魔するものたちを切り伏せていくことができます。
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また、BGMが非常に豪華に使われているのも大きな特徴です。同時期に稼働していた大体のゲームでは1面につき1曲のゲームも多いのですが、本作では1面につき3曲以上用意されていることも多く、そのどれもが名曲ぞろいというのも本作が人気な理由なのではないでしょうか。
本作、『ストライダー飛竜』で「光剣サイファー」を振り回し、敵をなぎ倒して冥王グランドマスター抹殺の任務の達成を目指してみませんか。
本稿では、カプコンアーケードスタジアムに収録されているゲームを5つピックアップして紹介しました。この中でも筆者は、『プロギアの嵐』のトゥルーエンドまでのタイムを競って切磋琢磨していたのが強く記憶に残っています。今回紹介したタイトル以外にも名作ゲームがたくさん収録されていますので、皆さんもお気に入りの1本を探してみてください。