■あの時も味わった「犠牲と代償」を、今VRで体感できる奇跡

『ソウル・コヴェナント』がどれだけ“濃い”のか、その一部だけでも伝わったでしょうか。あまり踏み込み過ぎるとネタバレが増えてしまい、プレイする楽しみを奪ってしまうため、今回はこの辺りで一端留めておきます。濃密な展開はこの先も終盤まで続くので、どうぞお楽しみに。
また、本記事の主旨から外れるため、ゲーム面にはほとんど言及しなかったものの、VRアクションゲームとしてもかなり優れた作品でした。心地よい操作感に裏付けられた、VRならではの「自分が直接戦っている感覚」が実に楽しく、世界観への没入感も相まって、武器を振るう腕にも自然と力が入るほどです。

ゲームシステムも一通り揃っており、素早い移動に正面の攻撃を防ぐ「シールド」、「スケイプゴート」の変形機構、武器を手放せば体力の自動回復、必殺技ともいえる「デモニックバースト」などを駆使し、強大な敵と戦うのはやはり刺激的です。
「アヴァター」や「スケイプゴート」の強化も可能なので、戦うたびに強くなる実感を得られるのも嬉しいポイント。もちろん敵も強くなるので、終盤に向かうほど手こずりますが、強化が打倒の光明となるでしょう。

ちなみに2人目の追体験では、心を殺して生きる「自分」に声をかけ、馴れ馴れしく距離を詰めてくる「エイト」と共に機械兵団と戦いながら……ふたつ目のスケイプゴート「エイト」を手にする物語が描かれます。その入手の経緯は語るまでもなく、ご想像の通りです。仲間はいつまでも、プレイヤーの助けとなります。その手の中で。
人類の絶望と希望を詰め込み、そして業と価値を問いながら、理不尽な世界で足掻く人々を克明に浮かび上がらせる『ソウル・コヴェナント』。世界観や表現、ゲーム性などは異なっていても、そこに刻まれる「犠牲と代償」には、『ソルサク』の魂を感じざるを得ません。
ひとりの『ソルサク』ファンとして、「まさに、これが見たかった!」と幾度呟いたことか。あくまで個人の実感に過ぎませんが──10年前に味わった衝撃と驚きが、ここにありました。

プレイにはVR機器が必須なので、まだ未所持だとかかる費用もバカにできません。そのため手軽にはお勧めできませんが、いつかVR機器を手に入れた時に備え、「骨」ならぬこのレビューを拾い、ぜひ覚えておいてください。潰えた命の数だけ物語がある、『ソウル・コヴェナント』というゲームを。