『スーパーマリオ』も『ゼルダ』もなかった40年前、ファミコンキッズが遊んだゲームって?

40年前のファミコンは、どんなラインナップが並び、少年少女が熱中したのか。懐かしい「ファミコン1年目」に迫ります。

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『スーパーマリオ』も『ゼルダ』もなかった40年前、ファミコンキッズが遊んだゲームって?
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■意外に少なかった!? ファミコン1年目のラインナップ

ここまで、ローンチソフトの3本、「競技系」、「光線銃シリーズ」について触れましたが、この記事での取り扱いに偏った印象を持たれたかもしれません。

では、これ以外にどんなファミコンソフトが出たのかと言えば、前述した『マリオブラザーズ』のほか、『ポパイの英語遊び』『ドンキーコングJR.の算数遊び』といった知育系、そして1984年7月4日に発売された『ドンキーコング3』。これが、ファミコン1周年の1984年7月15日までに発売された、ファミコンソフトの全てです。

つまり、「競技系」や「光線銃シリーズ」を取り扱った分量が多いのは、記事に偏りがあるのではなく、実際にリリースされたタイトルの割合が高かったためでした。

1年目は、20本に満たないラインナップで勝負したファミコン。任天堂が独力で、当時のファミコン市場を引っ張り続けました。しかし数は少なくとも、ファミコンのプレイ体験は魅力的で刺激があり、限られたゲームを延々と楽しむ子供たちが続出しました。

こうした熱量は他社も敏感に察知し、1年目のラインナップにこそ間に合わなかったものの、ハドソンが1984年7月20日に発売した『ロードランナー』を皮切りに、『ギャラクシアン』や『パックマン』(ナムコ)などが、1984年下半期のファミコン市場を彩ります。

特に、1984年11月8日にリリースされた『ゼビウス』は、アーケードで絶大な人気を博したSTGでした。これまでプレイする度に硬貨を投入していたゲームが、追加費用なしで遊び放題。移植度も完全再現とは言えませんが、ファミコンの性能を踏まえれば完成度も相当なもの。大人から子供まで年代を問わず夢中になる名作として、ファミコン人気をさらに押し上げました。

他社からのソフトリリースは1985年も活発になり、ジャレコやタイトー、コナミにアイレム、エニックスと、枚挙に暇がないほどになります。そして1985年9月13日に、あの『スーパーマリオブラザーズ』が登場。ここで新たなブームが巻き起こり、ファミコン人気を盤石なものとしました。

ラインナップは少なくとも、子供たちは種類が少ないソフトを存分に楽しんだファミコン1年目。ここからゲーム市場が大きく広がったことを思えば、大きな価値のあるひとときだったと言えるでしょう。



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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