■ファミコン1年目に、ガンマン体験を提供
『ベースボール』のような「競技系」以外に多かったのは、周辺機器を活用したゲームでした。その代表例が、射撃型玩具を接続して遊ぶ「光線銃シリーズ」を使った、『ワイルドガンマン』『ダックハント』『ホーガンズアレイ』です。
『ワイルドガンマン』は、西部劇のギャングを相手に、銃の早撃ちを競うゲーム。次々と現れる悪漢を倒し続けるモードもあり、映画の主人公さながらの体験を楽しめました。
第2弾の『ダックハント』では、空を飛ぶダックやクレーなどを撃ち抜きます。猟犬が茂みに飛び込むと、驚いたダックが飛び上がるので、それを撃ち抜く腕前が問われるゲームでした。
本作に登場するダックと猟犬のコンビは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにも参戦しているので、そちらで知った人も多いことでしょう。
『ホーガンズアレイ』は、標的のパネルを狙うガンシューティング。警察モノの映画やドラマでよく見られる射撃場での訓練を想像すれば、イメージしやすいかと思います。
しかもパネルは、標的以外の一般人なども混じっており、速さだけでなく正確な判断力も求められました。また、放り投げられた空き缶を撃ち、ブロック台に乗せるといったモードも楽しめます。
こうした「光線銃シリーズ」の展開も注目を集めたほか、簡単なプログラムを自作できる「ファミリーベーシック」も登場。1年目にこれだけの周辺機器を揃えた点を鑑みても、任天堂がどれほど本気でファミコンに取り組んでいたのかが分かります。
本体やゲームソフトに加え、周辺機器の購入費もかかるため、「光線銃シリーズ」などが揃っている家庭はある程度限られていましたが、前述のデパート展示などに並ぶケースもあり、「持ってないけど遊んだ経験はある」というファミコンキッズは多くいました。