今年で30周年を迎える『パワフルプロ野球(以下、パワプロ)』シリーズの定番モード「サクセス」。きっと、これほど長い歴史があれば、『パワプロ』を通じて野球の面白さを知った、矢部くんや猪狩とともに青春を味わった、お気に入りの彼女を作るために何度も周回したなど、各タイトルに特別な思い出を持つ読者も多いのではないでしょうか。
2026年6月11日に発売予定で、サクセス30周年の節目を飾る最新作『パワフルプロ野球2026-2027』では、歴代キャラクターが集結する新シナリオ「パラレルオールスターズ」編を収録。本シナリオでは過去30年分のサクセスを渡り歩き、思い思いのキャラクターを自由に集められる夢のような内容となっています。
また、「パワフェス」や「栄冠ナイン」といった人気モードも引き続き収録。さらに、KONAMI野球ゲームアンバサダーの大谷翔平選手とともに世界一を目指す特別なサクセスシナリオ「World Baseball Classic(TM)」編の実装も予定されており、シリーズの進化はとどまることを知りません。
今回は、そんな新作『パワフルプロ野球2026-2027』主題歌「Highlight」のレコーディング現場に潜入。主題歌を担当した杏子さんへのインタビューを通して、楽曲にかける思いや『パワプロ』シリーズへの印象、そして歌手を目指した経緯についてなどを伺いました。
◆合格したときの初めて見る景色に「うわ~~」
――初めに、今回『パワプロ』の主題歌を担当することになった経緯についてお聞かせください。
杏子さん(以下、杏子):通っている専門学校でオーディションのお話をいただいたのがきっかけです。ダメ元でしたが「やってみようかな」と思い、オーディション用に動画を撮影して応募しました。
――オーディションに合格された時の感想や心境はいかがでしたか?
杏子:すごく嬉しかったです。でも、それと同じくらい不安もありました。これまで受けてきたオーディションは全部落ちていて。もし今回も落ちていたら、「もう一回頑張ろう」と思える未来は想像できたんです。でも、合格した未来はまったく想像できなくて。初めて見る景色や感情に「うわ~~」って圧倒されました。(笑)
これから何が始まるのか分からない怖さもありましたが、「責任を持たなければ」と強く思いました。
――収録では堂々としている印象を受けましたが、こういった場で歌うのは初めてですか?
杏子:はい、初めてです!
――やっぱり、緊張しますよね…?
杏子:すごく緊張しました。でも、緊張を隠すのは得意なほうで。「緊張してないように見えるね」と言われるんですけど、実際は心臓がバクバクで……死ぬ気でした(笑)。

――福岡県出身とのことですが、福岡ソフトバンクホークスなど何か野球に関する子供のときの思い出はありますか?
杏子:家族全員が野球観戦好きで、祖父によくホークスの試合に連れて行ってもらっていました。その頃はまだ小さくてルールも分からなかったのですが、ドームの一体感や掛け声、応援歌がすごく印象に残っています。応援歌の「いざゆけ若鷹軍団」とかをみんなで歌ったりとか(笑)。野球ってこんなにみんなが1つになるんだなって思ったのを特に覚えています。
今もしているかは分からないのですが、試合に勝った日に飛ばす風船が本当に好きで。風船を飛ばすために試合を観に行っていたくらいです(笑)。みんなで風船を飛ばして見上げた光景は、今でも記憶に残っています。
――現地観戦は、野球に詳しくない人でも楽しめる演出が満載でテンションがあがりますよね! 次に『パワプロ』シリーズの印象などはどうでしょうか?
杏子:『パワプロ』シリーズについては、見たことはありましたが、プレイしたことはありませんでした。今回初めて「主題歌があるんだ」と知りました。

◆イメージしたのは自分なりの「パワプロくん」
――『パワプロ』のイメージをどのように歌へ落とし込んだのでしょうか?
杏子:今までのオープニングムービーをYouTubeで見て、過去の主題歌やMVの雰囲気を研究しました。その中で、自分なりの「パワプロくん」のイメージを作り上げていきました。
――レコーディングでは、杏子さんの「声量の力強さ」がひしひしと伝わってきましたが、そのような部分は意識されましたか?
杏子:音楽自体がロック調で力強さがあったので、そのエネルギーは大切にしました。ただ、これまでの『パワプロ』の雰囲気を壊さないように、「力強さの中に繊細さもある」ことを意識して歌いました。
――主題歌を歌うときのこだわりポイントなどあれば教えてください。
杏子:「覚悟を決めてけ」という歌詞の部分があるんですが、このメロディ譜から一気に変わるところで、「ホームランを打つような」キャラクターのイメージがあったので、“カキン”と打つ瞬間を意識して歌いました。
また、声を長く伸ばす部分では、ただ伸ばすのではなく、聴く人を勇気づけられるような「パワー!」を込めることを意識しました(笑)。
――歌詞についてのお話がありましたが、お気に入りはやはり「覚悟を決めてけ」の部分ですか?
杏子:「覚悟を決めてけ」に続く、「高鳴る鼓動を信じて 重なる熱量が~」という部分が私のお気に入りですね。言葉の間と意味がとてもマッチしていて、自分自身の経験とも重なりました。最後の「大丈夫信じて」という言葉は、今の自分だけでなく、過去の自分にも向けて歌いました。
――ご自身の経験とも重ねて歌われたのですね。そのような過去を経て、歌手の夢を目指し始めたきっかけは何だったのでしょうか?
杏子:最初は単純に「歌うのが楽しい」という気持ちでした。でも小学生の頃、2014年の「アニー」という映画を観たとき、「ずっと続けていきたい」と思ったんです。それが歌手を目指すきっかけになりました。
演技も学びましたが、最終的に「自分は歌だ」と思いました。歌は、嬉しい時も悲しい時も寄り添ってくれる存在です。1人でとぼとぼ歩いているように見える人も、イヤホンで壮大な音楽を聞きながら素敵な気分で歩いている、そのような人を支えられる音楽が素敵だなと思っています。
歌うことは単に曲を歌うだけではなく、上には上がいることを知ったり、自分にしか出せない声があることに気づいたり、さまざまな発見があって夢中になってしまいますね。

◆「やりたいことは全部やる」アメリカ留学で17歳の女子高生が路上ライブ!
――英会話を14年学ばれ、アメリカ留学も経験されたとのことですが、なぜ渡米を決めたのでしょうか?
杏子:渡米を決めたのは私が高校2年生の夏頃のときでした。私の通っていた高校はみんなが国公立大学の受験を目指すような学校で、進級していくにつれて歌手という夢の壮大さに気づいて、私もみんなと同じように大学にいって就職するのだろうな…と考えていたんです。
高校2年生のときに進路を考える中で「自分が本当にやりたいことは何だろう」と悩み、このまま大学に進学すると後悔する気がして、お母さんに「アメリカに行きたい」と伝えました。
――勇気を出して言ってみたんですね。そのときお母さんはどのような反応でしたか?
母は英会話教室の先生で留学をさせてくれる環境にいたので、「いいよ~」と背中を押してくれました。「待ってたよ、その言葉を」とサポートしてくれましたね(笑)。それから高校3年生から1年間アメリカに留学し、現地の高校を卒業しました。

――アメリカでは、路上ライブもされたそうですね。若くしてとても勇気ある行動に感じますが、そのときの雰囲気などはいかがでしたか?
杏子:今思うと勇気ある行動に思えますね。そのときは、耳あたりの良い言い方をすると「自分探し」をするためにアメリカに行っていた部分もあるので、とても勇気がいりましたが「やりたいことは全部やる」と決めていたので挑戦しました。
――ちなみに、どのような楽曲を歌いましたか?また、オーディエンスはどんな反応でしたか?
テイラー・スウィフトさんの「We Are Never Ever Getting Back Together」や、あいみょんさんの「マリーゴールド」などを歌いました。
街で路上ライブをしていた日本人は私だけで、たくさんの拍手や温かい言葉をいただき、「歌って本当に楽しい」と改めて気づくことができました。
――すごすぎる…アメリカで路上ライブは普段、見かける行動なのでしょうか?
杏子:個人で歌っていたのは私だけだったので、普通は無いと思います(笑)。ほかは地元の高校のブラスバンドや教会の子どもたちなどが多いですね。とても楽しかったです。


◆『パワプロ2026』主題歌は、一歩が踏み出せない人に届けたい「応援歌」
――杏子さんが今後、叶えたい夢などがあれば教えてください。
杏子:私は作詞作曲もしているので、自分の楽曲を形にして届けたいという気持ちもありますし、私が歌を歌うことで何かを飾り付けられるようなアーティストになりたいです。そしてツアーができるようなミュージシャンとして一人前になりたいと思っています。
――最後に、主題歌を聞いたファンや『パワプロ』プレイヤーの皆さんへメッセージをお願いします。
杏子:私が歌った今回の『パワプロ』主題歌は、「夢中になれるものに向き合い、くじけたり傷ついたりしながら仲間とともに高みを目指す」という想いが込められていると思っています。夢中になることは楽しい気持ちや時間を忘れるポジティブなイメージもある反面、「もし上手くいかなかったらどうしよう…」と悩むネガティブな不安も伴います。
私自身もたくさんくじけてきました。この曲は、そんな夢中になりたいけれど一歩踏み出せない人の背中を押せる、元気付けられる「応援歌」のような曲として聞いていただきたいです。
――これからの活躍を応援しています! 素敵なインタビューをありがとうございました!

『パワフルプロ野球2026-2027』は、2026年6月11日に発売を予定しており、現在パッケージ版の予約を受付中です。詳細は、公式サイトをご確認ください。
©Konami Digital Entertainment



