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「ゲームは楽しむだけで十分だ!」
それでも、ゲームについて語る文章を考えることや、動画を制作すること、ゲームキャラクターのコスプレやイラスト、ときにはゲーム漫画の創作など「ゲームに関わる“何か”を作りたい」と思っている人も多いはずです。それがまだ、ぼんやりとしたものであったとしても。
筆者はインサイドやGame*Sparkなどの媒体で「ゲーム」に関わるコラムやインタビューを企画し、記事化をしてきました。その記事制作の上で、YouTube番組「桜井政博のゲーム作るには」から多くのことを学び、活かした経験があります。
では、どんな「動画」が役に立ったのか。せっかくなので自身の記事制作の流れに沿いつつ、紹介をしようと思います。
◆「アイデア出し」の際に役立った動画
「ゲームの販売において、支持が厚い層を狙い撃ちするのが“ターゲティング”、客層の傾向を調べるのが“マーケティング”」
「ただし、これらは誰かが通った道を事細かに分析するもの。そこには新しい道を切り開くという要素はない。」
※「桜井政博のゲーム作るには」「ターゲティングとマーケティング 【広報】」より。
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企画を立てる際、もちろん安全な道を知る必要はあります。ライターは一人で仕事をしているわけではありません。編集者や営業の人々など、広い繋がりの中で記事を制作しています。組織の中で仕事をする以上は、予測されるビュー数などの、数字のチェックはもちろん重要。
しかし、ただそれだけでいいのでしょうか?
「新しい何かが作りたい」と考えているのならば、数字から得られる情報は話半分に考えておいた方がいい。それ以上に自分の信じるものを見つけ、そこに没頭することが大事だと学んだ動画です。
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筆者はこの動画をみて「ゲーム」と「ファッション、美容、恋愛」の関係性という、まだまだ未開拓の分野を掘り下げていこうという強い気持ちに襲われました。
たとえどれだけ企画が却下されたとしても、自身の信じることを。
「斬新なことをしよう」という人間は常に孤独です。
◆「記事案を考える」際に役立った動画
「企画書を書くときにはモタモタしない!」
「文章を長くしすぎないこと。図や写真はしっかり入れイメージの補強をすること」
※「桜井政博のゲーム作るには」「企画は強火でザッと仕上げる 【仕事の姿勢】」より。
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ゲーム制作においては、「企画書」は準備段階の最重要部分ですが、記事制作においては企画構成を考える段階が何よりの勝負どころです。考えた構成がそのまま文章の骨格となり、記事になっていきます。
そして、人間は想像以上に視覚情報に弱く、タイトルや記事内の文字を読んでもらえる時間は悲しいほどにわずか一瞬です。
だからこそ文字を読んで理解してもらうのではなく、イメージを伝えるという意識が重要。自身はこの動画をみて以降、記事を“執筆する”という表現から、記事を“制作する”という表現へと普段の言葉遣いを変えていきました。
そして感情の強いうちにザッと仕上げることで、読んでいてドライブ感のある「アツい」記事が書けることも本動画から学びました。これは「ゲーム制作」や「記事制作」に限らず、あらゆる「ものづくり」においても、きっとそのはず。
◆「記事構成のコツ」を知れる動画
「事件が起こるならば、パッとそこから見せて、その前の段階のものは後から見せる方が良い。」
「まず、ゲームの操作をさせる!できれば敵軍の本気を見せる。」
※「桜井政博のゲーム作るには」「最初にクライマックスを 【企画・ゲーム設計】」より。
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記事を書いたり、何かを誰かに伝える上でも同じことが言えます。
コンテンツが溢れる今の時代、人はそう長くは待ってくれません。コンテンツの“美味しい部分”に辿り着くまえに別のコンテンツに移動してしまいます。すぐに、簡単に、いくらでも、ゲームを購入してプレイできる環境が備わっている今の時代に、誰が広告まみれのダラダラ書かれたゲームレビュー記事など読むのでしょうか。
だからこそ、簡潔に物事を伝え、素早く人を惹き込んでいく必要があります。その有効な手段として「最初にクライマックスを持ってくる」ことが重要だと、動画では示しています。
本記事では自身の記事執筆の経験をベースに、「桜井政博のゲーム作るには」の役立つ動画を紹介しました。どんな仕事や趣味にもきっと応用はきくはず。魅力的なものを作れるように、誰かに素敵な時間を与えられるように。
なお残念なことに、「桜井政博のゲーム作るには」は、最終話の収録がすでに済んでおり2024年に終了することが明らかになっています。ぜひこのタイミングに「桜井政博のゲーム作るには」を見て、あなたなりの人生のピースを見つけてください。