アトラスを代表するRPGのひとつ『ペルソナ』シリーズは、少年少女たちの悩みや葛藤、そして成長を描く物語と、“もうひとりの自分”であるペルソナ能力を使いこなすバトルシステムが高く評価され、長く愛され続けています。
2024年2月には、シリーズの転換期となった『ペルソナ3』(以下、P3)をベースにフルリメイクした『ペルソナ3 リロード』(以下、P3R)が発売。現行機向けに登場した名作の復活に、多くのゲームファンが虜となりました。
その発売から7ヶ月が経った同年9月10日、DLC「エクスパンションパス」に含まれる第3弾「エピソードアイギス」の配信が始まりました。この「エピソードアイギス」は、更なる物語を楽しめるのはもちろんのこと、『ペルソナ3』ユーザーが長年待ち続けた展開のひとつでもあり、ようやく念願が叶ったと喜ぶ人も少なくありません。
この「エピソードアイギス」がなぜ17年越しの悲願となったのか、その背景に迫ります。
■2000年代に幕開けした『ペルソナ3』と「エピソードアイギス」
『P3R』の元となったオリジナル版『P3』は、2006年7月13日に発売されたPS2ソフトです。物語の大筋や、有利/不利なアクションによって行動回数が増減する「ワンモアプレス」など、基本となる要素はオリジナル版の時点で確立されていました。
ですが、オリジナル版『P3』に収録されていた内容は、いわゆる本編のみ。その後、追加要素を加えた『ペルソナ3 フェス』(以下、フェス)が2007年4月19日に登場しました。そして、『フェス』版の追加要素として初めてお目見えしたのが、「エピソードアイギス」です。
ネタバレになるので詳細は伏せますが、『P3』本編のエンディングでは衝撃の結末を迎えました。そして「エピソードアイギス」は、後の物語を描いた後日談。あの展開からどのような物語に続くのかと、当時の『P3』ファンの関心を大きくかき立てます。
「エピソードアイギス」はデリケートな内容だったため、賛否が分かれる向きもありましたが、『P3』と直接繋がる物語だったのも確か。好みの違いはあれども、「エピソードアイギス」も大事な『P3』の一部でした。