
そして今回、「Scream Garden」での体験配信も実施した「スタンミじゃぱん(以下、スタンミ)」さんにインタビューを実施。この夏に継続して遊んだ『VRChat』の魅力や反響、そしてこれからについて聞きました。
◆スタンミが語る『VRChat』の世界…配信に乗らない「青春」感
ーー7月頃から『VRChat』の配信をはじめられてYouTubeの急上昇1位に入るなど、非常に人気を集めています。以前、にじさんじ・叶さんが気になる人としてスタンミさんの名前を挙げられていましたが、実際に身の回りでの反響はいかがでしたか?
やっぱり、今日(インタビュー日:9月13日)まさに「金曜日のメタバース」っていうテレビ番組が地上波で放送されるんですが、いろんなきっかけに繋がったのかなと思っています。
ただ『VRChat』の企画ではちょっとだけ俺のモットーに反してしまった部分があって(笑)。すこし戦略的に行き過ぎたなと反省してます。
ーー戦略的に…ですか?
昨日の「神父配信」もそうなんですが、企画の一個一個がめちゃめちゃ時間かかるんです。「神父配信」だと、多分打ち合わせの時間やワールド制作、リハーサルの時間も全部合わせて15時間位かかってたので。
楽しさが100%、戦略的なところが100%があったとして、楽しいのはずっと100%あるんですけど、戦略のパーセンテージは落としてもう少し流れに身を任せてみたいなとは思っています。
もちろん『VRChat』は楽しいので、そういったところを全部取っ払って流れに身を任せてみようかなと思っています。

ーー『VRChat』は「VRがないと楽しめない」と思っている人が多いと思います。もちろんそういった側面もあると思いますが、スタンミさんが思う『VRChat』の魅力はどこにあるでしょうか?
やっぱりコミュニケーションツールなんで、体験もそうなんですけど、 やっぱり青春が戻ってくるみたいな感覚があって、そこがめちゃめちゃ『VRChat』の強みかなと思います。
ーーなるほど。『VRChat』の動画を楽しむ視聴者の方には、そういった青春の部分が伝わっているのでしょうか?
ん~視聴者に青春感が伝わっているかというのはちょっと怪しくて、やっぱり体験をしている側じゃないとそれは感じられないことなんですよね。
視聴者として楽しんでいる面っていうのは、コミュニケーションの部分にあって。外配信と通じるものがあるってよく言ってるんですけど、はじめましての人への距離感の詰め方から感じるスリルみたいなところが面白いと思ってもらえてるのかなと。
相手とのコミュニケーションが弾む場面や、『VRChat』の濃い人に人たちに俺がズカズカ色んなことを聞いていくってのが見ていて楽しいのかなと思います。

ーー確かに、そこはとってもスタンミさんらしさを感じます。
『VRChat』って可哀想なキャラとかがいるじゃないですか、おどおどしてる子がいたりして。そういう子がいたとき、俺は「大丈夫だよ」って言うよりもいじめたくなるんですよね。
まさに「トコロバ」もそうですよね。普通だったら結構謎めいているんで。あいつも実際話していたんですけど、ロールプレイして「NAGiSA(一対一で会話する交流系ワールド)」に入ってて3,4割の人には無視されたり、会話も弾まなかったりみたいな感じだったらしいんですよ。
ーーえ、そうだったんですね。
でも何か……こいつは殴ったほうが面白くなるなと、多分音が鳴るなぁと思って殴って。
もちろん距離感ってのもあるんですけどね。その人がどういう性質なのかなっていう部分はこれまで外配信もやってきて何となく分かってはいるので。
今後もそういった人を見かけたら、基本的に殴っていこうかなっていう。『VRChat』って殴ったほうがいい音が出る人も多いんで、殴ります。
ーーこれまで、『VRChat』のさまざまな世界を体験してきたかと思います。「Scream Garden」でもそんな「創造を受け入れる幅」というものを強く感じました。配信者としてはもちろん、俳優やモデルなどさまざま活躍されているスタンミさんは、今後『VRChat』の世界でどのような方向を目指されていくのでしょうか?
これから、色々なイベントを開いていきたいなとは思っています。神父配信をベースに、もうちょっとカロリー抑えめなやつをたくさん出来たらなっていうので。キャストさんにお願いしてやってみたくて。
今考えているのが、カフェというよりかはアトラクションなんですが、接客イベント「人生最高の瞬間」というのをやりたいんですよね。
それって『VRChat』でしかなし得ない技で、例えば体育館倉庫裏で告白される瞬間だったり、卒業式で第2ボタンが欲しい女の子のシチュエーションだったり。そういったシチュエーションを一個一個作って、そのシチュエーションにキャストさんがRPをしてぐるぐる接客をするっていうイベントも作りたいですね。
ーーそれは自身がステージに立つというよりは、イベントの主催者としてということでしょうか?
そうですね。神父のときは僕しかやっていなかったので、キャストさんにお願いして開いてみたいってのはぶっちゃけあります。この世界で出会った面白い奴らに声をかけて「この日、空いていたらキャストやってくれ」とお願いしてみたくって。
もちろん、それに限らずイベントを開ければとは思っています。色んなことを体験して、色んなことを感じて、そうすると自分の「やりたい」が出てくるっていうのがこの世界の循環だと思うので。僕もその循環に乗りたいですね。

