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2024年10月2日、Aimingによるスマートフォン用戦略シミュレーションゲーム『銀河英雄伝説 Die Neue Saga(『ノイサガ』)が配信開始となりました。インサイドではこれまでにも先行プレイレポートやメディア対抗戦の模様をお届けしてきましたが、今回の記事では、正式リリースされた本作を「原作ファンが楽しめるポイント」「シミュレーションゲームファンが楽しめるポイント」の二つの視点から紹介していきます!
『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』公式サイト◆アニメ『銀英伝 Die Neue These』がついにゲーム化!
「銀河英雄伝説」は小説家の田中芳樹氏が1982年に発表したSF小説で、宇宙に進出したはるか未来の人類が「銀河帝国」と「自由惑星同盟」という2つの勢力に分かれ、終わることのない戦争を続けているさまを描くスペースオペラです。刊行40周年を迎えた2022年には累計発行部数が1,500万部を超えており、多くのファンに愛され続けています。
本稿で取り上げる『ノイサガ』は、2018年から展開されているアニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These(ディ・ノイエ・ティーゼ)』をベースとするゲームです。プレイヤーは銀河帝国軍と自由惑星同盟軍のどちらに所属するかを選び、着任したばかりの新人提督となってスタートします。
◆内政で力をたくわえ、リアルタイム集団戦に勝利せよ!
ゲームは大きく分けて「内政」パートと「会戦」パートに分かれています。内政パートは各施設のレベルを上げることで自分が管理する移動要塞の資源を増やし、それを元に各種量産艦艇を開発/量産して来るべき戦いに備えます。
一方の会戦は同じ軍勢に所属するほかのプレイヤーたちと力を合わせて相手軍勢と戦う大規模なリアルタイム集団戦闘になっており、運営が指定する日時に「遭遇戦」もしくは「決戦」が行われます。会戦で勝利するには内政を充実させておくだけでなく、司令官を務めるプレイヤーがどのような戦術を立て、個々人がいかに作戦をまっとうできるかにもかかっています。
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以上が『ノイサガ』の概要ですが、本作にかぎらず、いわゆる“原作モノ”のゲーム全般でゲーマーが気になる点は2つあると思います。それは「原作の魅力をきちんと再現できているのか」と「原作とか関係なく、そもそもゲームとしておもしろいのか」です。その疑問に余すことなくお答えすべく、両方の視点からレポートします!
◆【“原作らしさ”をチェック】帝国で始めるも、なぜか同盟の大家族が完成!
プレイにあたり、銀河帝国皇帝のごとく神聖にして不可侵な編集部から「卿は帝国でプレイせよ」との勅命が下ったので、今回は帝国をチョイスしました。
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ところが、チュートリアルを終えて無料の指揮官10連ガチャを回すとなぜか同盟のキャラがバンバン登場! 主人公の1人であるヤン・ウェンリーと彼の士官学校時代の姿、その父であるヤン・タイロン、ヤンの副官であるフレデリカ・グリーンヒル中尉、その父であるドワイト・グリーンヒル大将が出てきました。なんだこの同盟大家族は……。最初の無料10連ガチャは納得いくまで何度でもやり直せますが、ちょっとおもしろかったのでこのままプレイを始めることにしました。
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ヤンの名ゼリフにもあった補給の大切さを実感!
『銀英伝』は数々の名ゼリフでも知られる作品で、たとえばヤンは作中で「戦場に着くまでは補給が、着いてからは指揮官の質が勝敗を左右する」という言葉を発しています。『ノイサガ』には補給路の確保という概念はありませんが、物資(≒量産艦艇を十分に生産できるだけの資材)を潤沢に用意しておくことがいかに重要であるかをしっかり教えてくれるゲームであるといえるでしょう。
会戦で部隊が全滅した際は新たな量産艦艇を配備して再び拠点から出撃できますが、そのときに艦艇が残っていなければ、当然再出撃はかないません。仲間が勝つことを祈りながら戦いの行く末を見守るしかない……という事態はできれば避けたいですね。
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100年以上続く戦争の結末は…? 会戦の結果でシナリオが分岐!
原作ファンとしては、10週間のスパンで『ノイサガ』オリジナルの物語が語られる「シーズンシナリオ」も大きな楽しみです。本作は会戦の結果によって帝国と同盟のどちらが最終的な勝利を収めるかが分岐するマルチストーリー/マルチエンディングが採用されています。
この記事を書いている2024年10月下旬現在は帝国が不利な情勢に置かれており、難攻不落といわれるイゼルローン要塞を同盟に奪われたうえ、残存部隊を救出に駆け付けたラインハルト艦隊がヤン率いる同盟第十三艦隊との交戦で大きな損害を受けて撤退している最中です。帝国はこのまま同盟の侵攻を許してしまうのでしょうか……おのれ、叛乱軍どもめ!
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指揮官シナリオも原作理解度が高い!
『ノイサガ』独自の視点で各指揮官にまつわる物語を描く「指揮官シナリオ」も、『銀英伝』の世界の厚みをあらためて感じさせてくれます。帝国側の重要キャラの1人であるオーベルシュタインの指揮官シナリオを見てみると、第1章は幼年期のラインハルトとキルヒアイスが「帝国の悪法・劣悪遺伝子排除法がどのようなものなのか」を軍学校であらためて学ぶシーンから始まりました。
オーベルシュタインは先天的に目を患っており両目が義眼であること、帝国の初代皇帝・ルドルフが敷いたこの悪法に思うところがあることは、小説で彼の初登場シーンを強く印象付けているエピソードです。そうしたバックボーンもしっかりと拾ってくれていることが分かりました。
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第3章からはいよいよオーベルシュタイン本人が登場。鉄面皮で、私心をほとんど見せない彼の内心がオリジナルエピソードで描かれるようです。これは続きが気になる!
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せっかくなので同盟側もチェックしようと思い、次はユリアンの指揮官シナリオを選択しました。第1章は、ヤンが「半個艦隊で難攻不落のイゼルローン要塞を攻略せよ」という無茶ぶりにもほどがある指令を受けて首都ハイネセンを出立するところから始まります。
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小説やアニメでは、ここからヤンが奇策を打ってイゼルローンを攻略する過程が描かれますが、ここではユリアンがヤンの家をいかに守っていたか、そして、家を長く空けることになったヤンがユリアンのためにいかに心を砕いていたかが描かれます。
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また、シナリオによっては新規収録のボイスが付いているキャラクターもいるようです。指揮官シナリオを見るための「キズナポイント」はコツコツプレイしていれば自然とたまっていくので、オリジナルエピソードを目当てにプレイするのもアリです!
『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』公式サイト◆【SLGファン視点】キーワードは“富国強兵”!内政で物資を充実させ軍備を整えよう
ここからは、ゲーム開始序盤でのコツを交えた実践的なプレイレポをお届けします。本作が「内政」と「会戦(リアルタイムの集団対戦)」に分かれているのは前述の通りで、プレイの大部分を占めるのは内政です。
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内政の目的は「11種類の施設のレベルを上げ、3種類の資源(食料・燃料・鉱物)を充実させて軍備を増強すること」です。序盤は手厚いチュートリアルが用意されていますので、プレイの仕方で迷うことはないでしょう。もし何をすればいいか悩むことがあったら、画面右下に注目。報酬をもらえる任務(いわゆるミッション)の詳細を解説し、誘導してくれるガイド機能になっています。
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各施設の強化はレベルに応じたリアル時間の経過を待つ必要がありますが、残り時間が5分を切ると無条件で完成まで短縮できます。大半の施設がレベル3くらいまでは5分前後でレベルアップできますので、まずは片っ端から強化させていきましょう。
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施設は「司令部」のレベル以上には上げられないので、レベルアップに時間がかかるようになってきたら最優先で強化するべきなのは“司令部”です。その次に重要なのが、物資(食料・鉱物・燃料)製造プラントと、物資の最大貯蔵量を上げる物資貯蔵庫です。内政という言葉にふわさしく、まずは資源を充実させるのがオススメです。
施設の強化を実行できるのは同時に2枠まで(月額制のVIPパス購入で3枠に上昇)ですが、技術開発所での「技術開発」は別枠で実行できますので、これも同時に上げていきます。技術開発には14ものカテゴリがあって迷いそうになりますが、こちらもまずは「内政」一択。豊富な資源なくして、屈強な軍は作れないのです。富国強兵! 帝国に栄光あれ!
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「星域」で各種育成素材をゲットしよう
チュートリアルにそってプレイを進めると、艦隊を編成して「星域」へ出ることになります。ここでの一番の目的は、指揮官と、指揮官にセットできる「追憶」「旗艦」を強化する素材を得ることです。
星域には多くの部隊が点在していますが、ほとんどは移動をまったくしない演習艦(NPC)です。こちらが「優勢」になる部隊を選んでガンガン倒していきましょう。勝てば、指揮官レベルを上げる素材を獲得できます。
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演習で注意すべき点は「実弾を使用するガチ演習なので、勝ったとしても兵力が摩耗していくこと」です。兵器廠で「標準戦艦」を適度に生産しておきましょう。
星域は同一サーバーの味方同士で共有された、オンラインゲームらしさのあるエリアです。周囲に他のプレイヤーの部隊がいることもありますが、味方同士で攻撃は一切できませんのでご安心ください。
「艦隊」への参加で内政の効率が大幅アップ!
チュートリアルを進めていって、おそらく多くの人が悩ましいと感じるのが「艦隊への加入」をどうするかでしょう。艦隊はいわゆるチームのことで、艦隊への加入は他のプレイヤーたちのコミュニティに加わることを意味します。「1人で気楽に遊びたい」という人もいるかと思いますが、結論から言うと参加した方がかなりお得です。
艦隊は司令官(チームリーダー)が「会戦(対人戦)」、「(プレイヤー同士の)交流」、「育成(内政)」のどれを重視するかを設定しているので、対人戦はニガテという人は後者2つのどちらかを選ぶのがオススメです。艦隊員同士で賊軍拠点の撃破報酬を共有したり(実際に撃破していなくとも自動で振り分けられます)、お互いの施設強化にかかる時間を短縮しあったりできるので、内政・育成が非常にはかどります。
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「会戦」を気軽に楽しめる、味方への貢献方法を伝授!
会戦は「遭遇戦」と「決戦」の2種類が用意されており、指定された日時に実施されます。遭遇戦は艦隊同士(最大で15人対15人)、決戦は複数の艦隊同士によるリアルタイム対戦となっています。
筆者が実際に参加した遭遇戦は「帝国領:キフォイザー星域」で行われました。会戦の時刻が迫ると、NPCのオペレーターがミニマップや実際のマップを画面に映し出しながら簡単なブリーフィングをしてくれるのですが、なんと司令官が事前に進攻ルートを3つ設定してくれていました。ううむ、これはアガる。
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会戦は勝敗に関係なく参加するだけでかなりの報酬を得られる(※)ので、対人戦によほどの抵抗がなければ参加するのがオススメです。とはいえ、プレイを始めてまだ間もない人や、ゆるゆると遊ぶスタイルの人が敵側のガチ勢と激突して勝てるかというと、難しい話なのは否定できません。
※ただし、自身の戦闘行動により1つ以上の報告書が発行される必要がある。
筆者の場合のように司令官が作戦を用意してくれている場合は、もちろんそれに従うのが上策でしょう。その結果負けてしまうこともあるのは、それはもうしょうがないことです。強い人は本当に強いので、気にしないのがベストです(大量の標準戦艦を爆散させながら)。
本稿では、具体的な作戦がないなどの理由で比較的自由に動ける場合に、他のプレイヤーとムリに激突せずとも味方に貢献できる方法を2つお伝えします。
一つ目は、会戦宙域に点在する「敵のNPC部隊(補給艦/偵察艦)を撃墜して回ること」です。大きな戦功にはなりませんが、チリも積もればなんとやら。特に、遭遇戦のNPC部隊は弱めに設定されていて倒しやすいのでオススメです。
二つ目は、「拠点の防衛部隊になること」です。味方拠点の真上に移動するとその拠点に駐留することができ、敵が攻めてきたときに自動で防衛を行います。防衛部隊の数は「×2」「×3」というような表記で相手側にも見えるので、複数の部隊が防衛していることを知った相手が進行ルートを変更する可能性もあります。
その場にいるだけで相手にプレッシャーをかけられるのだから、しめたものです。本拠地や最前線の味方拠点に居座るだけでも、味方の助けになれるというわけですね。
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リアルタイムシミュレーションであるため攻撃時でも画面切り替えなどは発生しませんが、画面をピンチアウトすると角度を変えながらここまでズームできます。臨場感を味わいたいときは活用しましょう。小説やアニメでのヤンの座乗艦・ヒューベリオンが早くほしい!
「会戦」で貢献しやすい指揮官や艦艇の選び方は?
内政を充実させて生産できる艦艇の種類が増えてきたら、前述の貢献方法に合わせた部隊や艦艇を編成してみましょう。敵のNPC艦を撃墜して回るなら、航行速度(移動速度)に優れた「駆逐艦」がオススメです。部隊にアタッカーを多めに編成し、戦場を駆け回りましょう。
防衛に務めるなら、部隊にディフェンダーとヒーラーを編成して守りを固めましょう。さらに、砲撃に強い「重装甲艦」や空戦に強い「巡洋艦」を用意できればベストですが、開発できるようになるまで時間がかかるので、しばらくは標準戦艦でいいと思います。
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相手プレイヤーの部隊に挑みたい!という人へのワンポイントアドバイス
星域に出てNPC部隊を倒していると気がつく人も多いと思いますが、本作はいわゆる攻撃コマンドがありません。「移動していない(移動をそこで終了する)部隊が同じマスに重なる」ときのみ、お互いに攻撃を行います。
会戦でほかのプレイヤーの部隊に戦いを挑むときは、「相手部隊が移動を終えるマス」がどこになるかを強く意識しましょう。「こちらから攻める」というよりは「待ち構えて襲いかかる」心持ちでいることがポイントです。
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また、駆逐艦は「移動速度が高い代わりに戦闘能力はそこそこ」という特徴を持ちますが、移動速度が高いということは「敵が移動を終えるマスに急行しやすい(攻撃をしかけやすい)」ということでもありますので、知っておくと戦術の幅が広がります。
原作ファン、シミュレーションゲームファンの双方が楽しめる『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』はスマートフォンで好評配信中。PC版も後日配信開始予定となっています。現在放送中のTVアニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These』ともども、自分たちの手で銀河の歴史を左右できる本作も楽しんでみてはいかがでしょうか。
『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』公式サイト(C)田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These 製作委員会 (C)Aiming Inc.