
「えっ!? ヤバ!」「クオリティ高っ!」
『マインクラフト』(以下『マイクラ』)内で兎田ぺこらさんが開業した「ファッションセンターぺこむら」には、配信を視聴していたリスナーはもちろんのこと、店を訪れたホロライブのタレントたちも目を丸くして驚きの声を上げます。
それもそのはず。防具立てにディスプレイされた防具一式はどこかで見たようなキャラクターばかり。よく特徴を捉えており、そのクオリティの高さに皆驚いていたのでした。
ラインナップは、ユニコーンガンダム風防具、スパイダーマン風防具、アイアンマン風防具、超サイヤ人風防具などさまざま。もちろんホロライブのタレントたちそっくりの衣装も、ヘルメット、チェストプレート、レギンス、ブーツの4点セットでカスタマイズされています。
はたして皆さんはどの防具一式がどのキャラクターか分かりますか?
本稿ではそんな、ぺこらさんが“ファッション”にハマッた経緯を振り返るとともに、なりきりセットを購入してはしゃぐタレントたちの、微笑ましい“推し活”の様子をお届けしたいと思います。

◆それは『ワンピース』からはじまった!
『マイクラ』では鍛冶型というアイテムを使用することで防具に模様をつけることができます。さらに元々のカラーリングに加え、鍛冶型を使用することで模様の色味を変えることもでき、それらを組み合わせればオリジナルデザインの防具を作ることができるのです。
これにホロライブ内で真っ先に注目したのがぺこらさんでした。

2025年2月3日に新たなるサーバーを設置することになったホロライブでは、“新世界”で遊ぶべく多くの女性タレントがログインを実行。ぺこらさんも初日からインし、2月は全日、3月に入ってからも2日間遊びつくしました。
鍛冶型を集め始めたのは新サーバーの開設から2週間ほどが経過したころ。AZKiさんや風真いろはさんがはじめたオークションのイベントに関連し、そこに出品するためのアイテムを用意しようと、鍛冶型を使ってルフィ、ゾロ、サンジのなりきりセットを作ったのがきっかけでした。

当初は試作品のルフィに「束縛の呪い」をつけて、「一度着たら死ぬまで脱げない」というイタズラを仕掛けていたぺこらさん。しかし思った以上の再現度だったことで味を占め、今度は本格的に『マイクラ』内でなりきりセットを販売しようとします。それが「ファッションセンターぺこむら」の建設でした。
ぺこらさんのなりきりセットはオークションの頃からタレントたちに好評で、店舗の完成を今か今かと待ちわびる人がちらほら。実際に開業すると、多くのタレントが店内に足を踏み入れて感嘆の声を上げます。


とくにこれまで何度も爆殺されたことがある大空スバルさんは、「ぺこちゃん、いつからこんな真っ当な仕事するようになったの!?」と驚き顔。「シェフのおまかせ方式」でオーダーメイドした2着のなりきりセットを引き取ると、「マジでいいものくれるとは思わなかった! もっとヤバいの来ると思ったよね」とコメント欄のリスナーと喜びを分かち合います。
ちなみにその時にぺこらさんが仕立てたのは『ジョジョの奇妙な冒険』(第3部)に登場するハイエロファントグリーンとDIOでした。

販売価格にしても、コストを考えればダイヤ50個から100個あたりという良心的な範囲。
全18種の鍛冶型の獲得には途方もない冒険が必要ですし、消費型のアイテムである鍛冶型はダイヤ7つでコピーできるため、4種の防具すべてに使用するとそれだけでダイヤ28個を消費します。
また素材となる防具は基本的にぺこらさんの負担。ダイヤ装備やネザライト装備をベースにすればそれだけでコストが上がりますし、カラーリングを施す際にもダイヤやネザライトを使う場合があるので、モノによっては赤字になってしまいます。
それでも販売価格を抑えるのは、「高すぎるとホロ鯖(ホロライブサーバー)の経済が回らなくなるから」とのこと。いくら配信とは言え、基本はただのゲーム配信です。真剣にゲームをやりつつ、熱くなりすぎない程度にみんなで楽しむからこそ「ファッションセンターぺこむら」はひとつのムーブメントとして話題になったのでした。



◆祭壇まで作っちゃった! 推し活4選
「ファッションセンターぺこむら」では社長のぺこらさんだけではなく、リスナーの「野うさぎ」もデザイン班として商品開発に協力。クオリティアップに寄与しました。おかげでどの商品も大好評で、購入者はウキウキと小躍りしながら「誰かに見せたいな!」「これどう!」と、ほかのタレントたちに披露します。
オーダーメイドも可能ということで、角巻わためさんからは『ワンピース』のチョッパーやナミ、鷹嶺ルイさんからは『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュ、博衣こよりさんからは『ドラゴンクエスト』シリーズのロトの鎧などの注文が次々と舞い込むことに。
それらはデザインの再現性もさることながら機能面でも実用性あるものにしようと、なるべく強い装備、便利なエンチャント(追加効果)を付与しようとします。そのためロトの鎧などは、「金装備なら理想的なカラーリングになるけど、実用性を考えたらダイヤ装備にしてあげたい」と、結局2パターン作成することもありました。




それでも欲しいと思っていたデザインが手に入るのは誰でも嬉しいもの。妥協のないクオリティに、どのタレントも「思っていた以上に元ネタそのままだった」と喜びの声を上げます。
角巻わためさんに至ってはコレクション魂に火がつき、大好きな『ワンピース』キャラクターを追加注文するだけで収まらず、次から次へと爆買いしてすっかりお得意さんに。
中でも「推し活」がはかどったのは、白銀ノエルさんと水宮枢さん、そして先輩からプレゼントしてもらった風真いろはさんと虎金妃笑虎(こがねい にこ)さんでした。



白銀ノエルさんと水宮枢さんは大空スバルさんを敬愛していることでよく知られ、2月20日に実施されたオークションでも大空スバルさん関連出品をめぐって熾烈なバトルを繰り広げたこともありました。
そのため大空スバルさんのなりきりセットを手に入れたノエルさんは、自宅の一角に特別なディスプレイスペースを設置。周囲をガラスで囲むとともにランプの明かりで幻想的に浮かび上がらせるという、「太陽神スバル」で最大限の敬意を示します。
枢さんは「素晴らしい買い物ができましたね、ヤッター!」と、やはり大空スバルさんのなりきりセットを片手に小躍りで帰宅。「推し棚、推し棚―、ルールー、ルンルンルーン」と、まるで女児のようにはしゃぎながら秘密の一室にハート形の祭壇を設置しました。
ファンにとってグッズは購入するだけではなく、それを納得いくまでディスプレイし、毎日眺めてはウキウキするまでが楽しいところ。ノエルさんも枢さんも「ああでもない、こうでもない」と飾り付けする姿は共感しかなく、タレントであることを忘れるくらい「オタク」な微笑ましい一面を覗かせていました。
なお2024年11月9日に初配信を実施したばかりという新人の枢さんですが、1月25日に実施した『くまのレストラン』の初見配信では涙ながらにプレイするという、繊細な人となりがうかがえる配信をしていたので、そちらもぜひオススメしたいところです。


一方、なりきりセットを先輩からプレゼントしてもらった風真いろはさんと虎金妃笑虎(こがねい にこ)さんは、推し活とはやや違う状況ではありますが、先輩と後輩の温かな関係性が見られる一幕を見せてくれました。
笑虎さんは先輩の鷹嶺ルイさんを慕っており、その関係はまるで姉妹のよう。ルイさんは笑虎さんをイメージした虎柄のなりきりセットが販売されていると知ると、『マイクラ』配信をがんばっている笑虎さんのためにそのセットを購入し、サプライズでプレゼントしました。
笑虎さんとしては気が付いた時にはすでにセットが売約済みということで気落ちしていたのですが、まさかルイさんが予約していたとは思わず「あのトラですか!? あれルイさんが買ったの!?」と大興奮。しかもそれが自分へのプレゼントだと知らされると、「え!? 嬉しい、マジか!」「マジかー!!」と全方位から嬉しそうに眺めていました。

AZKiさんが風真いろはさんにプレゼントしたなりきりセットは星街すいせいさんを再現したもの。星街さんとAZKiさんの、いわゆる元「イノナカミュージック」組の大ファンであったいろはさんは、星街さんの歌声に心酔するひとりです。
そのためAZKiさんがねぎらいの気持ちでオーダーメイドした星街さんのなりきりセットを目の当たりにした時は、本人がそこにいると勘違いして「はっ、はっ!?」と思わず視点が大震動するほどの動揺ぶりを見せます。
「えっ、凄い……。ありがとう……。ござる(いろはさんの一人称)がんばって良かった……」。
『マイクラ』では頼れる存在として先輩や後輩をサポートすることが多いいろはさんですが、この時ばかりはいち星街さんファンに戻って、やはり敬愛するAZKiさんを交えてのスリーショットを撮影する喜びようです。
たとえ『マイクラ』内の遊びのひとつではあっても、誰かが喜んでいる姿は見ていて嬉しくなるもの。ぺこらさんのちょっとした思い付きからはじまった「ファッションセンターぺこむら」ブームですが、普段は推される存在のタレントたちの「ひとりのファン」としての側面、そして先輩と後輩の心温まる交流が見られ、グループ内の『マイクラ』配信の良さが詰まった名場面となりました。

なお3月5日に初上陸した姫森ルーナさんや、ほぼ毎日ログインしては朝まで楽しんでいる綺々羅々ヴィヴィさんなど、ホロライブ内の『マイクラ』ブームはまだまだ熱が冷めない模様。今後の展開からも目が離せません。




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