“遊べるガンダム大図鑑”―『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』先行プレイレポ&インタビュー

事前登録も開始した待望の『ジージェネ エターナル』。開発チームが追い求めた「ジージェネ」らしさとは?

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“遊べるガンダム大図鑑”―『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』先行プレイレポ&インタビュー
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2月12日に事前登録(App Store/Google Play)の受付が開始され、記事執筆時点で登録者数が80万人を突破、プレイヤーから期待が高まる『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』(以下、『ジージェネ エターナル』)。

本作は数多ある「ガンダム」シリーズのキャラクターやユニットが一堂に会する戦略シミュレーション『SDガンダム ジージェネレーション』シリーズの最新作です。

今年1月にはネットワークテストが行われ、インサイドではプレイレポートでゲームの基本システムや本作がいかに『ジージェネ』らしさを備えているかということをお伝えしました。

本記事では前回より更新されたメディア向け先行プレイを体験、ネットワークテストでは未実装だった「ガンダム」作品やユニットをご紹介。さらに本作のチーフプロデューサーである白陸周佑氏とプロデューサーの小島省吾氏の両名にインタビューを行い、『ジージェネ エターナル』の制作でこだわった点やネットワークテストのフィードバックについて伺いました。

◆ガンダムはあるだけ嬉しいコレクション!ー70作品・500種以上のユニットが集結

『ジージェネ』に期待することといえば、やはりどれだけのユニットやキャラクターが使えるかということ。本作のリリース時点では70のガンダム作品から500種以上のユニットが登場、原作シナリオの収録は10作品(一部のシナリオのみ収録のタイトルあり)が予定されており、今後のアップデートによってユニット・シナリオともに追加されていくことが告知されています。

たくさんのユニットが使えるといっても有名どころだけじゃ味気ない。重箱の、いや格納庫の隅をつつくような、ちょっと珍しいユニットが使えるか否か。それこそ『ジージェネ』の醍醐味ですよね。ということで本稿では、今回の先行プレイ中で印象に残ったユニットをご紹介します。

■ル・シーニュ

ル・シーニュは漫画作品「機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校」に登場する主人公機。単体での運用もさることながら支援機として活躍してくれます。本機の装備するツイン・ビーム・トライデントは通常の攻撃のほか、強力な威力で特殊な演出を持つ「EX武装」バージョンが存在、今回の先行プレイでも前線で活躍してくれました。さらに同作の主人公アスナ・エルマリートも同時に加入。このように一部ユニットにはパイロットとなるキャラクターが同時に入手できるものも存在します。

■ブラレロ

ブラレロはガンダムシリーズの設定を用いたバリエーション企画「MSV-R」に登場するモビルアーマー。テレビアニメ版「機動戦士ガンダム」に登場したザクレロをベースとし、特殊能力を具えた人間・ニュータイプ用の武装が追加されています。本作はこの他にも「MSV」「MSV-R」関連のユニットが登場。ブラレロのようなあまり知られていないユニットに出会えるのも魅力のひとつだと思います。

■モラン&アリンカト

モラン&アリンカト『Gのレコンギスタ』に登場するユニット。正確にはモランというモビルスーツが、モビルスーツ用支援機のアリンカトに搭乗している状態です。 本作にはモランが単体で登場することもあり、このユニットの能力や武装は実質アリンカトのものとなっています。モランと比べると移動力が高く、射程の長い高出力ビーム砲と近接戦で威力を発揮する大型クローを装備しています。また飛行能力を持つため、しばしば登場する空中ステージで活躍できるユニットとなっています。

■デスペラード

デスペラードは『機動戦士ガンダムAGE』に登場するユニットで、戦闘用のモビルスーツではなく作業用の「モビルスタンダード」。原作ではモビルスーツ相手に果敢に挑み、不意打ちながら1機を撃破する活躍を見せました。本来の用途ゆえヒートスコップ、ヒートピッケルという作業用の装備しか持ち合わせておらず、決して戦闘力は高くありません。しかしこうしたユニットを使えることこそ「ジージェネ」の持つロマンなのではないでしょうか。

あなただけの最強部隊で、コンスコンを艦長席からズリ落としましょう!

◆ガンダム10作品確認ーシナリオは今後もアップデートで追加予定

前回のネットワークテストでプレイできたシナリオは『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム A New Translation』『機動戦士ガンダムSEED』の3作品。今回の先行プレイではリリース時と同様10作品分のシナリオが収録、条件を満たせば各ステージにちなんだユニットを鹵獲することができました。

各ガンダム作品のシナリオを追体験できるメインステージは、軸となるシナリオをクリアすることで、別の作品シナリオが解放されていきます。今回は新たに追加された「機動戦士ガンダムZZ」「新機動戦記ガンダムW」のシナリオをプレイしてみます。

■『機動戦士ガンダムZZ』

テレビシリーズ第3作「機動戦士ガンダムZZ」は、生活のためにジャンク屋稼業を行う妹思いの少年ジュドー・アーシタが主人公。彼と仲間たちが住むスペースコロニーに、前作「機動戦士Zガンダム」での戦いを終えた戦艦「アーガマ」が入港してくるところから物語は幕を開けます。

終始シリアスで激しい作風だった前作から一転、シリーズの中でも明るめでノリの軽い雰囲気を持つ「機動戦士ガンダムZZ」。その一方、前作で決着が付ききらなかったネオ・ジオンの首魁ハマーン・カーンとの最終決戦が描かれるなど、テレビシリーズ「ガンダム」のひとつの終着点とも言える作品です。

登場するユニットは決戦にふさわしく大型・重武装化しているのが特徴で、ゲームでもその火力を存分に発揮します。

「機動戦士Zガンダム」本編の直後を舞台としていることもあり、同名のユニット・キャラクターが引き続き登場。そのためステータス上では「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」両方の作品カテゴリーに属しているものも少なくありません。

ストーリーミッション中は原作に登場したユニットやキャラクターのステータスが向上するため、「機動戦士Zガンダム」のシナリオで育成したユニットの活躍が期待できます。

ストーリーをプレイしていて感心させられたのが前作「機動戦士Zガンダム」から「機動戦士ガンダムZZ」との繋がりの部分。『ジージェネ エターナル』ではテレビ放映された「機動戦士Zガンダムではなく、劇場版「機動戦士Zガンダム A New Translation」のシナリオが採用されています。テレビ版と劇場版の結末は異なっており、その結果、本来そのままでは「機動戦士ガンダムZZ」本編へと繋がらないストーリーになりました。

この点、本作では劇場版「機動戦士Zガンダム」と「機動戦士ガンダムZZ」で齟齬の生まれそうな描写を省略、違和感を覚えにくい構成にした上で、ふたつのストーリーを繋げています。原作を知っていれば相当大きな違いなのですが、アニメを視聴していた筆者も最初は気づきませんでした。それでいて「機動戦士ガンダムZZ」のストーリーの魅力もきちんと残されているあたり、各作品を立たせる上手い処理になっていると思いました。

■「新機動戦記ガンダムW」

続いて「新機動戦記ガンダムW」のシナリオをプレイ。テレビシリーズ6作目であり、おもに平成期に展開された宇宙世紀ではない、いわゆる「アナザーガンダム」(オルタナティブ作品)の1作です。

ガンダムを駆る5人の少年テロリストたちを主人公とし、そのひとりであるヒイロ・ユイの「お前を殺す」に代表されるエキセントリックな台詞や行動、戦いに独特の美学を持つキャラクターたちが話題を呼びました。

主役機である5機のガンダムは一騎当千の能力を持つ点は共通しつつも、変形・ステルス・格闘・火力・装甲…と、それぞれ特化する能力が異なります。これらは本作においてもユニットのステータス上で再現されています。また「新機動戦記ガンダムW」の世界は各陣営が同じ量産機を用いているのが特徴ですが、これらも陣営に応じて別ユニットとして扱われるなど細かい点が再現されています。

上記の作品以外にも多数のガンダム作品が登場する『ジージェネ エターナル』。しかしサービス開始時点ではシナリオが実装されていていない作品もあるため、好きなガンダム作品がいつごろ登場するのか気になっている人もいるかもしれません。

公式アナウンスでは、サービス開始後のシナリオ追加の大型アップデートのほか、1~2ヵ月ごとに「期間限定イベントでのシナリオ及び開発ユニットの追加」や「(ユニットの)メインステージでの追加」を行い、順次拡充が図られる予定とされています。

ガンダム作品があまりに膨大にあるため、「10作品」というと限られているように感じられますが、10作ぶんのシナリオを遊び込むのは相当なボリューム。先述したようにユニットのみが参戦しているものも数多くあります。まずは自分の好きなユニットの収集・育成に取り組むことを考えれば、長期的にプレイしてもまず事欠くことはないと感じました。

筆者も好きなガンダム作品のシナリオが早期に追加されることを願いつつ、配信後はユニットを強化しながらその機を待ちたいと思います。

◆『ジージェネ エターナル』チーフプロデューサー白陸 周佑氏・プロデューサー小島 省吾氏にインタビュー!

ここからは『ジージェネ エターナル』のチーフプロデューサー・白陸周佑氏とプロデューサーの小島省吾氏へのインタビューをお届けします。質問はメールインタビュー形式で実施し、本作のコンセプトやネットワークテストの反応について伺いました。

──開発チームが目指したコンセプトについてお聞かせください。

目指したものは「遊べるガンダム大図鑑」です。
機動戦士ガンダムを知るうえでの教科書的なゲームシリーズをF2Pでやる上で

・手軽に遊んで頂ける
・シナリオや多くの実装ユニット/キャラクターを揃えて部隊を組んで楽しめる

この2点はずらさずに開発をしてきました。

──実際にプレイしてみて移動やコマンド選択などの操作、UIが快適だと感じました。従来の「ジージェネ」シリーズと比較して、スマートフォン向けに行った最適化や工夫はありますか?

スマートフォン開発としてオーソドックスな回答で恐縮ですが「とにかく選択数をいかに減らすか」「情報量が多いSLG(シミュレーションゲーム)として必要な情報優先順位は何か」を整理した上で、開発チームが何度も調整を行った結果が今となっています。

SLGですので、TVほどの画面があれば情報量はあればあるほど嬉しいのですが……。

スマートフォンの小さな画面だとどうしても情報量や操作の取捨選択が必要になりまして、開発チーム内で何度も足し引きしては、クローズドベータテストやネットワークテストを通してみなさんの意見やデータを見ながら調整をおこなっております。

──2022年に本作が発表されて以来、サービス開始を心待ちにしていたファンも多いと思います。長期にわたる開発のなかで特にこだわった点や、ブラッシュアップに注力したところがあれば詳しく教えていただけますか?

ファンの方々には発表から事前登録開始まで、本当にお待たせしております。
とにもかくにも『ジージェネレーション』シリーズである以上、初期と運用時の実装数を担保することはやろうと思っていました。

そこに紐づいてシナリオ参戦作品とアップデートタイミングの見直しから、全体のバランス設計、UI調整と全部になってしまうのですが……。
特にゲームプレイと開発を通して膨大な機体を手に入れてガンダムの各作品を知ることが出来る、という点を担保しながら、新しく遊んで頂く方々も極力迷わない設計に再構築しております。

このプレイサイクル全体のブラッシュアップによって、ゲームの醍醐味である成長実感をより感じやすくなったと思います。

──1月にはネットワークテストという形で約2年ぶりにユーザーにお披露目されました。参加者からどのようなフィードバックが届いていましたか?

率直に「ジージェネのスマートフォン版としてしっかり落とし込んでいる」というご意見を多く頂きまして、開発チーム全員の励みになっています。

ネットワークテスト後のアンケートも多くの方々から回答を頂いていまして、中でも強化経験値とCAPITALの不足による開発のしにくさや、MAP兵器のバランス、あとはジージェネオリジナルキャラクターをもっと使わせて欲しいといった点は多数頂いておりました。

このあたりは強化経験値とCAPITALの緩和や、ジージェネオリジナルキャラクターの増加、MAP兵器の調整をリリースまでには実施を予定しています。

──本作に収録される「ガンダム」作品の選定基準についてお聞かせください。

シナリオ参戦作品について。アニメ化作品を中心に、そして極力サービス運用として間があかないように物量の大小をコントロールしながら調整をしています。ガンダムシリーズの作品が非常に多く、とにかく制作物量との戦いになりますので……各作品に登場する機体を見ながら制作スケジュールを開発チームで調整して参戦選定をしている形です。

機体のみ参戦について。せっかくの運用型ゲームですので、極力新規作品は入れていきたいと考えています。それ以外についてはシナリオ参戦作品のタイミングを精査した上で、なるべくファンのみなさんが好きな作品が実装されているゲームになるように調整をしています。

──これまでの『ジージェネ』シリーズは、プレイヤーオリジナルの軍を率いて各ガンダム作品に介入するものと、クロスオーバーをメインにオリジナルストーリーが展開されるものの二種類がありました。本作は前者のタイプですが、過去作以上に原作ストーリー描写に力を入れているように感じます。こうした部分を重視した理由やこだわった点があればお教えください。

『ジージェネ』シリーズ自体がガンダムの教科書的な作品ですが、F2Pゲームである以上今までのシリーズ以上に多くのガンダムファンの方々や、「ガンダムを知っているけどどこから見れば良いか分からない」といった方々が遊ぶゲームになると考えています。

ゲームとしても遊びながら作品を知るきっかけになれればと思っていまして、「各ガンダム作品に介入する」形でシナリオ実装をすることは決めたのですが、スマートフォンでシナリオを表現する以上、従来のADV表現だと画面サイズが小さいことがどうしてもネックになっていました。

全編CGで制作する、スチルを起こして全てを再現する、などの方法もあるのですが、そもそも全体の制作物量を考えると現実的には難しいこともあり……。
であればいっそアニメシーンを利用するのが最も見やすくシナリオ展開もわかりやすく出来るだろうと考えました。その結果、スマートフォンで遊ぶうえでの見やすさが担保された形が取れまして、今の実装方式になっています。

──本作は相応の難易度を保ちつつ、プレイヤーの思考と判断で十分に状況を好転させられる、戦略シミュレーションとしてやりごたえのあるゲームだと感じました。基本無料ゲームである本作にとって、課金要素とゲームバランスの調整にはどのような注意を払って製作されましたか?

昨今の市場にあるゲームは無料でも十分に遊べる内容になっていますし、何より新たなガンダム作品を知ることができるゲームとして、シナリオ進行に課金要素が必須となるバランスは本末転倒になるため「無料でもシナリオ進行と開発進行が出来るゲーム」というのは開発チーム一同で意識して開発と調整を繰り返していました。

ゲームバランスとしても課金無しで開発を進めながら編成を試行錯誤すれば、シナリオをクリア出来るようにしています。

ただそれだけではサービス運用は続けられませんので、強力かつ圧倒的な戦闘演出のEX武装をガシャの最大レアリティのみで用意しています。

またシナリオに直接は関係のない高難易度のステージや、定期で行われるイベントの高難易度ステージ、またやりこみ要素として用意している常設の高難易度ステージなどは、無料範囲でのユニットを強化していけばクリア出来るバランスにはしています。ただガシャ課金ユニットが居る方が攻略可能な編成の選択肢が増えることを想定して調整を行っています。

繰り返しとなりますが、シナリオ進行や開発には課金要素を絡めない形で調整が出来ればと思っています。やりこみ要素とゲーム的な編成パターンを楽しむ点で課金要素を用意出来ればと考えています。

──スマートフォン向けタイトルとして、グラフィックや演出面で特にこだわった点や技術的な挑戦、過去作からの蓄積が役立った部分があれば教えてください。

SLGとしてのジージェネレーションを出す以上、スマートフォンとはいえグラフィックと演出面は前作『クロスレイズ』同等以上にすることは決めておりまして、当たり前ですがまず今までコンシューマで培った技術をスマートフォンで動かすところから始めておりました。スマートフォンになると機種も多様ですし、特に容量管理については遊んで頂ける方々のスマートフォンの容量を全て使う訳にもいきませんので……。

コンシューマでも容量との戦いにはなるので、そこの知見は今作でも非常に活きています。現実的な範囲での容量に抑えるために利用があまりされない戦闘演出の自動破棄設定の機能や、端末に最適化された状態でのグラフィック品質選択など、みなさんの端末に極力負担にならない機能は今作入れ込んでおります。

──長年の「ジージェネ」シリーズのファンや、新たに本作をプレイするユーザーへのメッセージをお願いします。

2022年の発表から長らくお待たせいたしました。事前登録を開始しておりますので、リリースまで今しばらくお待ち頂ければと思います。

従来のジージェネファンの方々には「ちゃんとジージェネとして遊べる」と言って頂けるように、また新たに本作をプレイ頂ける方々には「これ一本でガンダムが分かるね」と言って頂けるようなゲームにするべく鋭意開発しておりますので、リリースまで楽しみにお待ち頂ければと思います。

長くサービス運用を続けながら、数多のガンダム作品を追加し続けられるタイトルにしていきたいと思っていますので、ぜひ事前登録を!リリース後はたくさん遊んで頂ければ幸いです!

──ありがとうございました!


『ジージェネ エターナル』の事前登録(App Store/Google Play)は現在受付中。登録者数に応じてサービス開始時にもらえる報酬が決まるキャンペーンが開催中です。ガシャを実行できるチケットやダイヤなどプレイに役立つアイテムを多数入手できるので、本作をプレイ予定の方はお見逃しなく!

©創通・サンライズ
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※記事掲載の画面はすべて開発中のものです


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《林與五右衛門》

林與五右衛門

2023年4月よりゲームライターとしての活動を始めました。『Fable』や『シェンムー』といったゲームから影響を受けてNPCに強い関心を抱き、彼らがゲーム内でどう息づいているのか観察しています。演劇集団ゲッコーパレードのメンバーとしても活動中。

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