ファミコンからPS時代までの進化をプレイしながら追体験する!ゲーム史を愛する人に贈りたいアクションADV『エボランド』の魅力【プレイレポ】

ゲームはどのように進化してきたのか。その歴史を知識としてではなく、実際に遊びながら体感できるのが『エボランド:レジェンダリーコレクション』です。懐かしさと新鮮さが同居する独特な魅力に迫ります。

ゲーム Nintendo Switch
ファミコンからPS時代までの進化をプレイしながら追体験する!ゲーム史を愛する人に贈りたいアクションADV『エボランド』の魅力【プレイレポ】
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幼少期にファミコンやスーパーファミコンで遊んだユーザーにとって、「ドット絵」は懐かしく親しみ深い表現でしょう。一方で、近年のユーザーは高精細な3Dグラフィックが当たり前の環境で育っており、ドット絵を懐古的なものではなく、新鮮な表現として受け止めているとも聞きます。

ドット絵に慣れ親しんだ世代は、ゲーム表現の進化をリアルタイムで見届けてきました。粗いドットで描かれていたキャラクターは次第に精細になり、やがてポリゴンによる3D表現へと発展。また、当初は角ばっていた3Dグラフィックも、ハード性能の向上とともに急速に進化し、現在では実写と見紛うほどの映像表現にまで到達しています。

こうした変化は、まさにゲームの歴史そのもの。その歩みを知るには、当時を振り返るほかありません。しかし、「ゲームの進化」を直接味わえるゲームがあるとしたら、遊んでみたいと思いますか? 『エボランド:レジェンダリーコレクション』なら、その願いを一端ながら体験させてくれます。

■「右へ進むことのみ」から始まるゲームの進化

『エボランド:レジェンダリーコレクション』には、『エボランド』と『エボランド2』の2作品が収録されています。

まず『エボランド』を何の予備知識もなく遊び始めると、多くの人が予想外の展開に驚くはずです。画面は大きめのドットで構成されたモノクロ表示で、しかも描画は横一列程度しかなく、動けるのもその範囲のみ。現在のゲームに慣れている人なら、あまりの不自由さに戸惑うことでしょう。

さらに主人公は、ゲーム開始時点では右方向にしか移動できません。どのようなゲームなのか、この時点では想像するのも難しいことでしょう。しかし、想像はできずとも可能な行動は限られているため、とりあえず右へ進むのみです。すると宝箱を発見し、中から「左へ」を入手します。一見すると意味不明なアイテムですが、実際に操作してみると、主人公が左方向にも移動できるようになったのが分かります。

続いて別の宝箱から「2Dアクション」を獲得すると、画面が上下方向にも広がり、見下ろし型のフィールドへと変化しました。さらに「スクロール」を手に入れると画面が主人公を追従するようになり、セーブ機能も解放。グラフィックには色が付き、主人公を描くドットもきめ細かくなっていきます。その変化を例えるなら、まるでファミコンからスーパーファミコンへ進化したかのようです。

察しのいい人は、この時点で『エボランド』というゲームの本質に気づいたことでしょう。本作は、ゲームそのものの進化を題材としています。プレイヤーはゲームを進めながら、新たなシステムや表現技法を獲得し、ゲーム史における進化を疑似体験していくのです。

進化するのはドット絵のクオリティだけではありません。進行に応じて3D表現も解禁され、初代PlayStationを思わせるポリゴンキャラクターが登場します。また、基本は見下ろし型アクションで進行するものの、場面によってはサイドビュー形式のコマンドバトルが展開されるなど、当時を思わせるゲームデザインも織り込まれ、プレイにメリハリを与えます。

ドット絵から3Dへの進化をシームレスに体験できる点は、当時のゲームに触れていたユーザーにとっても新鮮な驚きでしょう。若い世代にとっては、それこそ初めて尽くしの経験になるはず。

『エボランド』は進化の驚きそのものが魅力だけに、一度体験すると新鮮味は薄れやすく、リプレイ性の高い作品とは言いにくい面があります。しかし、本作が持つ独創性は、味わって損のない経験に他なりません。

■物語性を強化し、遊びごたえを増した『エボランド2』

そんな『エボランド』にも、残念なことに物足りない部分があります。ゲームの進化が体験の主軸となっているため、それ以外の部分は簡素になっている点です。特にストーリーはあっさりしており、物足りなさを感じる人も少なくないでしょう。しかし、『エボランド』に感じる物足りない点は、『エボランド2』が補ってくれます。

本作もゲームの進行に合わせて様々な進化や変化を見せてくれますが、こちらはストーリーもしっかりしています。先が気になる展開を、ゲームプレイを損なわないような適度なテンポで盛り込まれており、『エボランド』の後に『エボランド2』を遊ぶと、欲しかった要素がこれだったのだと実感できます。

物語自体はシンプルながら、終盤へ向かうにつれて盛り上がりを見せるほか、開発陣の遊び心やユーモアが感じられるテキストが随所に用意されており、シナリオ面の読みごたえは前作から大きく向上しました。

また、『エボランド』ほどの劇的な視覚的変化はないものの、ゲーム史に残る名作をオマージュとして取り込んでおり、こうしたネタと出会う楽しさは『エボランド2』が持つ魅力のひとつ。表現の進化を取り入れるだけでなく、その歴史の中から生まれた作品たちにもフォーカスしており、ゲーム史に別の切り口から踏み込んでいるのも興味深いところです。

『エボランド』はゲームの進化そのものを疑似体験でき、『エボランド2』ではゲーム史の中で生まれた名作たちの断片に触れられる。同じシリーズでありながらアプローチはそれぞれ個性的で、この2本がセットで遊べる『エボランド:レジェンダリーコレクション』のスタイルにも、趣深さが感じられます。


『エボランド:レジェンダリーコレクション』は、ゲーム史やその進化をテーマにした非常にユニークな作品です。収録された2作品は方向性こそ異なりますが、どちらもゲームという文化そのものに対する深い愛情に満ちています。

この『エボランド:レジェンダリーコレクション』をこれから遊びたいという人には、セール中のNintendo Switch版がおすすめです。通常価格2,500円のところ、今なら60%オフの1,000円(税込)で購入できます。セール期間は6月7日までなので、忘れないよう早めにチェックしておきましょう。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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