『モンハン』過去作と最新作『モンハンワイルズ』って何が違う?まだ遊んでいない人へ向けてゲームシステムの進化と変化を伝えたい

『ワールド』『ライズ』と『ワイルズ』の違い、皆さんはどれくらい思いつきますか?

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『モンハン』過去作と最新作『モンハンワイルズ』って何が違う?まだ遊んでいない人へ向けてゲームシステムの進化と変化を伝えたい
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みなさん、一狩りしていますか?

2025年2月28日に発売され、わずか1週間で全世界800万本を売上げ4月4日には第1弾の追加コンテンツも実装予定の『モンスターハンターワイルズ(以下、ワイルズ)』。大自然の中、一人のハンターとして好きなように生きていく生活にも慣れてきたことでしょう。

しかし、そんな大自然の生活に慣れきってしまい「昔はどうだったっけ…?」「前の時はここまで便利だったかな…?」とか思い出そうとしても思い出せない人もいるのではないでしょうか。そこで、本記事ではこの『ワイルズ』と過去作を比べ、何が進化していったのか、あるいは切り捨てたのかを分析・解説していこうと思います。20周年記念として生まれた『ワイルズ』と昔を比べて懐かしみを感じましょう。

戦闘システム編

まず特筆すべきなのは集中モードの実装でしょう。特定の部位や後述する傷口を狙う時に非常に役に立つと同時に、カメラを移動することで攻撃中でも攻撃方向を変更できるようになりました。従来のシステムでは大剣などの溜めモーションに入ってしまった後方向を変えることが出来なかったのに対し、『ワイルズ』では攻撃が発生するギリギリまで方向を変えることが出来るようになり、攻撃が当たらないというストレスから解消されました。

さらに『モンスターハンターワールド(以下、ワールド)』では敵の部位にクラッチクローで傷をつけるという仕組みがありましたが、『ワイルズ』では廃止され、攻撃を当て続けることで傷口が付く形へと変更されました。これにより武器を用いて戦うことに集中できるようになると同時に、集中モード時に特定の攻撃を傷口に当てることで各武器専用の特殊技へと移行するようになりました。どれも演出が派手だったり、武器種によっては攻撃能力を引き上げてくれる効果がついたりとより戦術的になりました。

また、鍔迫り合いと相殺という機能もつきました。モンスターの攻撃に対しちょうどいいタイミングで防御したり、あるいは特定の攻撃を重ねたりすることでモンスターへの隙を作り出すことができるようになり、モンスターの動きに合わせできる行動がさらに増加しました。それと奇襲攻撃という専用アクションも増えました。モンスターから未発見時の状態で近づき特定のボタンを押すことで通常の攻撃よりも強力かつ相手の姿勢を崩す先制攻撃が行えるように。

この様にアクション1つ取ってもかなり大きなアクションの追加がなされており、『ワールド』の戦闘システムをベースにより洗練し成熟させているものになっていると筆者は感じています。一方で『モンスターハンターライズ(以下、ライズ)』に存在していた翔蟲を用いた空中行動や必殺技はほぼオミットされており(一部モーションは集中攻撃などで続投していますが)、本作では地上での戦いがメインになっている印象を受けます。

ボウガンの2種に関しては、通常弾・貫通弾・散弾はそれぞれのボウガンで決められたLvの弾が無限に撃てるようになりました。そのためある程度の火力が常に担保されるように。武器も2本持てるようになったため、近距離武器と遠距離武器を1つずつ持ち込み戦うということも可能になりました。最もこの仕組みはスキル面を考えると上手く機能させるには現状難しいというのが実情ではありますが。

最後になりますが、次の大型モンスターの攻撃を受けると力尽きてしまう場合、体力バーが赤く大きく波打つようになりました。これにより「絶対避けないとダメ」「これは受けてもまだなんとかなる」というのがすぐわかるようになりました。シリーズ初心者にはありがたいですね。

探索・フィールド編

本作ではごく一部のエリアを除き全てのマップは地続きになり、オープンワールド化しました。それぞれのエリアにはそれぞれのモンスターが存在し、まるで生きているかのように動き生活しています。『ワールド』や『ライズ』では精々3体程度しか1エリアにいなかった大型モンスターも『ワイルズ』では最大10体近くいることもあり、そんなモンスターたちが縄張り争いをして戦うことも。縄張り争い自体は『ワールド』から続く仕組みではありますが、それがフィールドの至るところで常に発生しています。その縄張り争いで傷ついたモンスターに襲いかかり討伐をする漁夫の利作戦も可能。一定のダメージをモンスターに与えると自動的にクエストとして扱われ、討伐すればいつも通り報酬が貰えます。

勿論フィールドには昼夜の概念が存在します。さらに本作では季節というものも設定されており、時間や季節によって出やすいモンスターや特定の季節の時間にしかいない生物も存在するなど、生命の営みをゲームを通して感じることができるようになっています。加えてモンスターが討伐されて放置されると骨になったりと時間の経過による環境の変化の違いが本当に事細かに設定されているので、色んな方面から観察するだけでも楽しいです。

また、1つのエリアの広さも『ワールド』や『ライズ』に比べて圧倒的に広くなっており、1つのエリアを全て探索するだけでも相当な時間がかかります。それだけ広いマップになっているということもあり、本作では「セクレト」と呼ばれる『ライズ』に登場していた「ガルク」に似た高速で移動できるお供が登場し、ハンターをサポートしてくれます。クエスト中は倒すべきモンスターに自動的にロックをして、そのモンスターの場所まで自動的に連れて行ってくれる機能もあるので、迷子になりやすい人でも問題ありません。ただ、場所によってはセクレトの自動化が最適化されておらず同じ場所をぐるぐる回ってしまうことがあるので、そのあたりは改善を待ちたいところです。

あと、蜘蛛などが苦手な人に対して蜘蛛恐怖症対策モードが実装されており設定すると蜘蛛がスライムになります。発表当時は話題になりついに公式カフェでメニューにもなりました。

装備・アイテム編

『ワイルズ』で最も大きな変化といえば、男女防具の共有化です。本作より防具の見た目が全て2種類になり、自分の好きな方を選ぶことができるようになりました。性能はどっちにしても変わることはないので、同じシリーズの防具でも頭は男性版、胴体は女性版という形にして見た目をより拘れるように。ここは素直に嬉しい点です。

それ以外の仕組みは『ワールド』とほぼ同一です。スキルを付与できる装飾品はクエストのクリア報酬もしくはいらない装飾品をマカ錬金で合成で手に入れ、護石というスキルが内包されている装備はモンスターの素材で制作します。ただし、『ワイルズ』では武器と防具でそれぞれセットできる装飾品が異なる形に変更されました。

なお、それ以外の部分は割と劣化している部分が多いなという印象です。制作画面で防具に設定されているスキルを見るためにどんな操作をすれば良いのかわかりづらく、画面遷移も『ワールド』より1回分多くなってしまいました。アイテムに関しても『ワールド』『ライズ』ではキャンプ地点ではキャンプ以外の場所でもすぐアイテムボックスアクセスできるようになっていたにも関わらず、本作ではキャンプの中に入らないとアクセスできなかったり、クエストを受けようとしてもキャンプの中以外だと受付嬢ことアルマしかおらず、その受付嬢が結構な頻度で移動したりしているのでストレスが溜まりやすい形となっているのはマイナスです。

それとアイテムポーチは縦にも拡張できるようになったり、一気にアイテムを全展開できるようになったり使いこなすと便利な仕組みはあります。細かな点は結構アプデしてあったりいい面がある分も多いのですが、今までできたことが出来なくなってるのが少しなという。

ただ、このあたりは次回のアップデートで改善されるかもしれないのでそれに期待。実装予定の「大集会所」もありますし。

マルチプレイ編

これに関しては大きな改善が1つ。本作ではついに全てのプラットフォームでクロスプレイが可能になりました。また、今までは全てのハードで同時発売、ということも無かったのでこれも初。ようやくと言えばようやくなのですが、この点をどれだけ待ち望んだことか。本当にありがたいことです。リンクパーティを組むことで、同じフィールドを共有するMOに近い遊び方もできるようになっているので、そういうのが好きな人はぜひ。

あと、1つのエリアには最大100人まで入れるようになりました。もっとも、1つのキャンプに表示されるのは15人までですが。とはいえ、同じロビーエリアにいれば同ロビー内にいる人のクエストは簡単に受けれるので、野良であれこれ遊ぶ人には楽しい仕様だと思います。

ストーリー編

最後に言いたかったのはこの点です。『ワールド』や『ライズ』でもハンター(プレイヤー)の活躍によってお話が進行していったりちょっとしたお話が展開されてはきましたが、『ワイルズ』ではがっつりストーリーが作られました。少年ナタと"白の孤影"を巡り、主人公であるハンターと調査隊が禁足地を進むにつれその地に済む人たちとの交流、あるいはモンスターと対峙していきやがて禁足地の最奥にある真実を知ることになる…。

そんな王道なストーリーが展開されていくのですが、まず主人公であるハンター、つまりプレイヤーの分身が喋ります。今まで掛け声くらいしか出さなかったキャラが口数はそこまで多くないですが喋ります。さらにオトモであるアイルーも日本語で普通に応対してくれます(設定でいつも通りのアイルー語に変更もできます)。

これがまあ面白い。今まで『モンハン』シリーズを追って遊んできた人間にとっては「それってそんな設定だったんだ」「話には出てたけど実際の動きや絵はこんな感じなんだ」の連続でとにかく先が気になってストーリーを進めたくなるようにできていました。そして下位クエストの最後の展開がもう………

少なくとも下位クエストのあの流れは今までの『モンハン』シリーズの中でも歴代最高の良さなので、ぜひ実際にプレイして体験して欲しいです。それだけにストーリーが短いという人の気持ちも結構わかります。その結果「エアプタシン」というXでちょっとした話題になっているタグが生まれたのかなとも。

21年目を踏み出す未来に進むための作品

以上が今までのシリーズと本作との違いに関する解説となります。筆者としては「箱庭から飛び出した」というのが結論になります。今までの常識を全部一回なかったことにして、1つの世界で完結するように作ったのがこの『ワイルズ』という作品だと思っています。

一部は退化していたり遊びづらくなった点もあります。それでも、新しい自然の世界に飛び出そうとするエネルギーに溢れた本作は、間違いなく人々に楽しまれる作品へとまた育っていくのだろうと、そんな未来を筆者は見ています。とりあえず次の大型アップデート、楽しみです。


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《げーまー哲》

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