※本稿では、システム上の関係で簡体字/繁体字で表記すべき部分も異体字に置換している場合があります。
◆『セブンナイツ リバース(SEVEN KNIGHTS Re:BIRTH)』

5月15日に韓国国内にて、Netmarbleが展開するスマートフォンゲーム「セブンナイツ」シリーズの最新作となる『セブンナイツ リバース』がサービス開始を迎えました。「セブンナイツ」シリーズはNetmarbleの主力IPの一つであり、韓国国内のみならず、日本市場においてもさまざまなタイトルが展開されてきました。
今回リリースされた『セブンナイツ リバース』は、初代『セブンナイツ』のリメイク作品という位置付けです。原作で採用されていた独自エンジンからの脱却を図り、新たに「Unreal Engine 5」で開発されました。ゲーム全体のシステム部分を現代向けにブラッシュアップし、単なるリマスター作品に留まらない、“リメイク作品”に相応しい進化を遂げています。また、App Storeでは初登場後に1位を獲得しており、シリーズの根強い人気を再認識させられました。





◆『輝燼 EMBERS』

4月28日~5月23日まで、マルチプレイ対応の見下ろし型アクションRPG『輝燼 EMBERS』のベータテスト募集が実施されています。本作は2022年9月ごろから動いているタイトルで、過去に実施したベータテストのプレイヤーフィードバックを粘り強くゲームに落とし込んできました。
しかし、開発者ノートの不定期な情報発信こそあれども、今回行うベータテストまでにはかなりの時間をかけています。もちろん、辛抱強いファンも多く見られますが、次の一手を打ち込むまでに『Black Beacon』や『プロジェクト夢遊』など、本作と同じ見下ろし型のアクションRPGジャンルの大作がリリースされている状況にあります。
中国ゲーム市場は世界的に見ても、特にアプリ分野における動きが流動的な傾向にあるため、本作が既存作とどのように差別化を図って独自の強みを打ち出していけるかが、一つの課題になるのではないかと見ています。まずは、バージョンアップされた最新ビルドの反響に注目が集まります。




◆『踏風行』

5月16日から「Unreal Engine 4」によって開発された、3D御霊修仙共闘ゲーム『踏風行』がサービス開始となります。前日15日には事前ダウンロードが開始されていましたが、各主要プラットフォームのランキング上位圏に食い込む注目度と勢いを見せています。ちなみにApp Storeでは1位を獲得しています。
本作は“仙人になるための修行”を指す言葉「修仙」と呼ばれる人気ジャンルを題材とした放置ゲーム。中国ゲーム市場において「三国志」「仙侠」「西遊記」などをテーマにした作品は、ゲーマー以外のユーザー層からも根強く支持される古典的な人気ジャンル群です。
トレンドの移り変わりが激しい中国市場では、主要な広告戦略であるタレントマーケティングとの組み合わせによって認知拡大を図り、とにかく初動に勢いを付ける傾向が見られます。本作もそうした施策を打ち出しており、長期的にゲームプレイを続けてくれるコアユーザーのリードを獲得していくのが狙いと見えます。
しかしカジュアルゲームは、魅力的なゲーム設計がなければプレイヤーの維持は難しく、市場で埋もれてしまいやすい分野です。施策の継続性やコンテンツとの一貫性が伴わなければ、初動の一時的な注目に留まるだけという懸念も否めませんが、今後の動向が気になるところです。



