祝!Steam版『ウマ娘 プリティーダービー』配信―そこで、あの“ウマ娘”のモデルにもなった史実馬に影響も受けた「みどりのマキバオー」のゲームを紹介したい

PS『みどりのマキバオー 黒い稲妻 白い奇跡』とGB『みどりのマキバオー』を紹介!

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祝!Steam版『ウマ娘 プリティーダービー』配信―そこで、あの“ウマ娘”のモデルにもなった史実馬に影響も受けた「みどりのマキバオー」のゲームを紹介したい
祝!Steam版『ウマ娘 プリティーダービー』配信―そこで、あの“ウマ娘”のモデルにもなった史実馬に影響も受けた「みどりのマキバオー」のゲームを紹介したい 全 54 枚 拡大写真

Cygamesは、2025年6月26日に育成シミュレーションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のSteam版をリリースします。本作はアニメや映画、漫画、ゲームなど幅広い展開を見せるプロジェクトで、モバイルおよびDMM GAMESにて配信中のアプリの待望のSteam版です。

アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」第1期にて中心的な役割を果たしたウマ娘・スペシャルウィーク。そのモデルである競走馬スペシャルウィークがクラシックで活躍した1998年はエルコンドルパサーやグラスワンダー、セイウンスカイ、キングヘイローなど錚々たるメンバーが揃った「黄金世代」とも呼ばれています。

そんな1998年には『ダービースタリオン98』などの競馬ゲームも色々登場していました。そんな中で今回紹介するのは、漫画やアニメでお馴染みの、つの丸先生による「みどりのマキバオー」を原作にした『みどりのマキバオー 黒い稲妻 白い奇跡』です。作中に出てくるカスケードが『ウマ娘』にも登場するフジキセキに影響を受けていることも明らかになっています。

本作と『ウマ娘』を繋ぐ、実に完璧な導入ができたので、本稿では『みどりのマキバオー 黒い稲妻 白い奇跡』について紹介していきたいと思います!

「ウマ娘 シンデレラグレイ」ではつの丸先生との描き下ろしコラボイラストも。

「みどりのマキバオー」を追体験する作品

『みどりのマキバオー 黒い稲妻 白い奇跡』は、原作の主人公・ミドリマキバオー(うんこたれ蔵)のさまざまなエピソードを体験していく作品です。ゲームのOPでは(映像的には静止画ですが)アニメ主題歌の「走れマキバオー」も流れますよ!

こちらは2022年に公開されたリマスターOP

ゲームは各話ごとにアドベンチャーパートとレースパートを繰り返していく形式で、レース結果によって未知の展開が待ち受けていることも。もちろんゲーム内ではカスケードをはじめ、アマゴワクチンやサトミアマゾン、ベアナックル、ニトロニクスなどの強力なライバルも多数登場してレースを盛り上げます。

ストーリーの序章では、マキバオーとネズミのチュウ兵衛の出会いのシーンから始まり、マキバオーの誕生と母・ミドリコとの離別などが描かれます。その後のゲーム本編では最大のライバル・カスケードとの初対決、騎手・山本菅助との出会いやデビュー戦など、原作の物語を追体験していきます。

アドベンチャーパートはストーリーを見るだけでなく、ときにコマンド選択での探索が始まることもあります。この探索では、はなす・しらべる・いどう」などを駆使して目的を達成するシンプルなもの。「パドックから地下通路までの道を探す」という謎すぎる展開が発生したりしますが、これもなんというか味わいがありますね!

アドベンチャーパートでのストーリーはダイジェストではあるものの、原作の名場面をしっかり再現しています。作中での運命のレースとも言える「日本ダービー」では、原作漫画の衝撃の展開が待ち受けていますよ。

テンポ&連打でレースの勝利を目指せ!

本作のレースはスタート地点からコーナー、直線などいくつかのパートに分かれています。レース中は、〇X□など決められたボタンをテンポよく押していくシステムで、押すテンポが早いとスピードは出るもののスタミナ消費が早くなっていきます。

ゲーム内ではマキバオーの顔アイコンで現在のスタミナが、横にあるリンゴの状態で速度とスタミナ消費状態(例:リンゴが芯だけの状態ではスピードはあるがスタミナの消費が大きい)が表示されています。スタミナが0になると大幅に減速してしまうので、適度にテンポを緩めてスタミナを回復させることが大切です。

最後の直線ではシンプルな連打で加速していく形式で、スタミナ消費はありません。ゲームが進めば「マスタングスペシャル」や「きつつき戦法」など、原作で使われた技も登場し、しっかりとレースでの見た目にも反映されます。レース中は各キャラクターの会話や駆け引きもあり、こちらでもストーリーを楽しめます。

テンポやスタミナを意識するというシステムは面白いものの、ほとんどのレースはイベントが発生しながら展開していくため、上手く操作していても急に中断させられてしまうことも。また、どうやら直線などでも“イベント発生条件”があるのか、直線が異様に長く感じられることもあります。数分の連打で腕が死ぬ……!

マキバオーは作中で無敗というわけではなく、原作で負けたレースに簡単に勝つことはできません。だからこその“未知の展開”もあるのですが……。ちなみに有馬記念は作中でも明らかに難易度が高く油断すれば簡単に負けてしまいます。条件を満たさなかった場合は悲しい(?)ゲームオーバー展開も待ち受けていますよ。

原作愛も感じるキャラゲー

『みどりのマキバオー 黒い稲妻 白い奇跡』は、原作自体が名作というのもあり、熱い競馬ストーリーを楽しめます。作中のイベントも、(登場しないキャラクターも多いですが)わりと原作再現されています。モンゴルのツァビデルの出番が多いのが嬉しい!

ただしアドベンチャーパートでの謎の選択ゲームや、突如として挟まれる特訓ミニゲームなどでテンポが悪くなっているのは否めません。このミニゲームが実際にゲーム内で効果があるのかは一切不明で、しかも「レースとは違う操作」をするものが多いのも気になる部分。ライバルとの併せ馬など、嬉しい要素もあるのですが……。

そして最大に惜しい!と思うのが、ゲーム内でしゃべるのがマキバオー(犬山犬子さん)とチュウ兵衛親分(千葉繁さん)だけで、しかも特訓やレースでの掛け声などごく一部しかボイスが入っていないという点。アドベンチャーパートで声が聞ければな……というのは贅沢な話ではあるものの期待したくなってしまいますね。

名場面のピックアップなど、開発側の原作愛を確かに感じる作品ではありますが、一方で謎のミニゲームや、イベントに左右されすぎて連打などが無駄になりやすいレース展開など、ややプレイがしづらいのも感じます。とにかく有馬記念がきつすぎる……!連打がきつすぎて腕が死ぬ……!

ゲームボーイ『みどりのマキバオー』も紹介!

続いては1996年にトミーが発売したゲームボーイ版『みどりのマキバオー』も紹介していきます。本作はストーリーはほとんど無く、トレーニングとレースを繰り返しながら「日本ダービー」勝利を目指すというゲームです。

ゲームボーイというものありゲーム自体はかなりシンプルで、2種類の特訓どちらかを選んで「スピード/スタミナ」「ダート/根性」をアップしていきながらレースへと挑みます。ちなみにレースは4頭立てというミニマムなものですが、カスケードやサトミアマゾン、モーリアローなどのライバル馬もしっかり登場しますよ。

レースの操作としてはキャラの移動とAボタンでムチを撃つのが中心で、スタミナが切れた状態で接触すると落馬することも。最大の特徴としてはレース中に使えるカードの存在。カードの絵柄はキャラクターを模していて、「最高速を維持する」「ムチを打ってもスタミナが減らない」「1頭を落馬させる」などの効果を持っています。

「1頭を落馬させる」の効果は凄まじく、対象はランダムであるものの出走直後にカスケードを排除するという暴挙も。また、カード「チュウ兵衛」の速度アップが異常に強く、正直これがあれば勝てるな……と思うような性能です。トレーニング効果も大きく、しっかり鍛えることも大切です。

謎の煙で妨害するアマゴワクチン
出走直後に落馬するニトロニクス

原作で勝ったレースに負けても物語はある程度進行していきます。逆に本来負けたレースに勝つことも簡単で、日本ダービーを含む全9戦をすべて勝利で飾ることも不可能でもありません。その影にはいたずらにカードで落馬させたライバルたちもいるのですが……。


競馬にはさまざまなドラマがあります。「みどりのマキバオー」や続編「たいようのマキバオー」「たいようのマキバオーW」でも多くの熱く、そして過酷とも言えるドラマが待ち受けていました。『ウマ娘』でもモデル馬をモチーフにしたドラマ、そして“起こり得なかった”if展開などを楽しめます。

今回は「みどりのマキバオー」のゲームを紹介しましたが、当時発売された競馬ゲームは、実在データを基にしたものから漫画原作の作品まで多数あります。今後も印象的な作品を、いくつか紹介できたら嬉しいですね!

ライブシアターはぜひとも楽しんでください。

《Mr.Katoh》

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