『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2』でもしっかり泣かされた!魅力ある物語の“没入”と対戦アクションの“テンポ”を見事に両立【プレイレポ】

『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2』の発売が目前に迫る中、先行体験したプレイ経験をもとに、その魅力や特徴などをいち早くお届けします。

ゲーム プレイレポート
『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2』でもしっかり泣かされた!魅力ある物語の“没入”と対戦アクションの“テンポ”を見事に両立【プレイレポ】
『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2』でもしっかり泣かされた!魅力ある物語の“没入”と対戦アクションの“テンポ”を見事に両立【プレイレポ】 全 16 枚 拡大写真

■物語の追体験と“対戦アクションを楽しみたい気持ち”の双方を汲み取る

物語とバトルの相互作用がソロプレイモードを盛り上げる本作。もうひとつ特筆したい点は双方のバランスについてです。『ヒノカミ血風譚2』は「鬼滅の刃」の物語を追体験できますが、同時に対戦アクションとしての側面も持ちます。

「鬼滅の刃」の物語の良さは、漫画やアニメですでに評価済みなので、改めて語るまでもないでしょう。一方で、その物語を全てゲームに落とし込むのは、さすがに現実的ではありません。

例えば、アニメで1時間かけた物語を丸々表現するには、ゲームでも同程度の時間がかかります。しかしプレイヤーは、対戦アクションも楽しみたいため、物語だけが延々と展開する時間にもどかしさも覚えることでしょう。

その点『ヒノカミ血風譚2』は、物語とバトルの割合が絶妙だと感じます。好みが分かれやすい点なのであくまで個人の感想という前提ですが、物語上の場面をある程度省略しつつも、ここぞというシーンや名場面はしっかり押さえてある──『ヒノカミ血風譚2』をプレイした上で、筆者はそうした印象を覚えました。

ソロプレイモードにおけるバトルの回数は多すぎず少なくもなく、ちょうどいい塩梅です。そして、前述した通りプレイアブルキャラクターが適時変わるため、バトルにもメリハリが生まれます。

また、ゲームとしては対戦アクションですが、1対1や共闘バトルだけでなく、無数に群がる鬼をなぎ倒す場面や、分裂した鬼(空喜、可楽、積怒)との1対3の戦いなど、シチュエーションに応じてバトルの内容も変化するため、単調さを感じにくい構成にもなっています。

物語面では、例えば「刀鍛冶の里編」における無一郎は窮地に陥った際に記憶を取り戻し、その出来事をきっかけにピンチを乗り越えます。しかしソロプレイモードのメイン進行では、過去に何があったのか詳しい描写は避け、要点のみを表現する形に留めていました。

柱や鬼も含めた主要人物の過去は、「鬼滅の刃」の物語を紡ぐ上で欠かせない大事な要素です。しかし、仮にその過去をゲームのメイン進行の中で描写していたら、おそらく冗長に感じたと思います。漫画やアニメと、対戦アクションというゲーム作品では、時間の使い方や許容量に差が出るのは当たり前の話です。

『ヒノカミ血風譚2』は、物語を一部省略することで、メイン進行のテンポを損なわずに維持しています。さらに、省略した物語……先の例であげた無一郎の過去などの重要な展開は、条件を満たすと任意のタイミングで見られるサイドストーリー的な要素(想いの欠片)に含まれており、テンポの維持と物語の描写の両立をバランスよく行っているのです。

物語の忠実な追体験も重要ですが、対戦アクションゲームとしてどう落とし込むか。その命題に応えるべく奮闘している様子も、この『ヒノカミ血風譚2』から感じられます。


今回のプレイでは、『ヒノカミ血風譚2』のソロプレイモードにおける、物語とバトルの高い融合性に最も目を奪われたため、この点を重視したプレイレポートとしてお届けしました。

具体的な説明はあえて省略させていただきますが、アニメをすでに知った上でなお、あるシーンで泣かされてしまい、1本取られた気分です。ちなみに筆者がヤラれたシーンでは、尺がたっぷり取られていました。物語の省略について先ほど触れましたが、大事な場面ではしっかりと演出を重視する構成になっているので、ご安心ください。

また、詳しく触れられなかったものの、対戦アクションとしての魅力も前作以上です。プレイアブルキャラクターの多さはもちろん、動きの滑らかさ、流麗な技の数々、圧巻の奥義、共闘バトルによる連携や助け合いなど、視覚的にも手応えとしても十二分な仕上がりを感じます。

特に本作では、共闘するキャラクター同士で繰り出す「合体奥義」や、攻撃力の上昇や体力回復といった特別な効果を受けられる「装具」といった新要素が、バトルを更に盛り上げてくれます。

装具はプレイヤーの個性が出やすい要素ですし、立ち回りに合わせて組み合わせを変える楽しさもあるでしょう。また、新たに2つ目の奥義が追加されているキャラクターもいるので、戦略は更に広がります。

さらに、柱たちの修練に挑む「修練の道」モードや豊富な収集要素など、本作で味わえるコンテンツは紹介しきれないほどです。ソロプレイモードも、一回クリアするだけでなく、各バトルで最高評価を狙うやり込みも楽しめます。

バーサスモードでは、ゲームならではの自由なチョイスによる共闘バトルに挑み、ソロプレイモードでは物語との一体感に没頭。この『ヒノカミ血風譚2』で、ゲームならではの「鬼滅の刃」追体験をご堪能ください。


『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2』は、スイッチ/PS5/PS4/Xbox X|S/Xbox One/Steam向けに2025年8月1日発売(Steam版のみ8月6日発売)。価格は、通常版が8,360円(税込)。限定版(パッケージのみ)が14,960円(税込)。デラックスエディション(ダウンロード版のみ)が9,900円(税込)です。

詳しくは、公式サイトをご確認ください。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C)「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2」製作委員会

※「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記となります。
※煉獄杏寿郎の“れん”の漢字は「火」に「東」が正しい表記となります。
※鬼舞辻の「辻」は「一点しんにょう」が正しい表記となります。
※Steam版はセガより発売されます。


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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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