※本記事には一部フィクションが含まれています。

「主題歌」。理性あるゲーマーならば「主題歌」と聴けば、無条件に心が踊ってしまうはずです。アニメやゲームの主題歌、特にロボット作品の主題歌というものは、印象的な物が多く、人生の様々なシーンを彩っています。

そんな主題歌ホリックとも呼べる筆者にある日、Game*Spark編集部からひとつの依頼が舞い込みます。その依頼とは、マーベラスが9月5日より発売する新作メカアクションゲーム『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』の主題歌を作らないか?というものです。
主題歌と言っても、もちろん公式なものではありません。Game*Sparkが勝手に、新作メカアクションゲームのために心が踊る「主題歌」「テーマソング」っぽいものを作ってみないか? という依頼です。本記事の冒頭で「フィクションが含まれている」と書いてありますが、こればっかりは本当に誇張抜きで、そういう依頼が舞い込んできたのです。どうかしてる。
と、いうことで今回の記事は、『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』のテーマソングを勝手に作ろう!!!というものとなっています。
まずはイメージを固めてみよう

実際に『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』を先行プレイして、主題歌のイメージとなる要素を探してみます。本作は、プレイヤーが自分の好きなようにパワードスーツをカスタマイズして、地上や空中に広がるフィールドを自由に駆け巡り、強大な敵を撃破していく「メカアクション」です。

シリーズ前作『DAEMON X MACHINA』とは毛色が変わり、「パワードスーツ」を主体としたゲームプレイが特徴です。前作の「ハイスピードなロボットアクション」に胸をときめかせたプレイヤーも多かったと思いますが、この度リリースされる新作ではまた異なるアプローチで「メカ好き」の心を刺激してくれます。

さて、世の中には「作品とあんまりマッチしない主題歌」というモノもあり、それがむしろ作品と曲そのものを彩る“味”になっていることもあります。しかし筆者としては「作品のことを匂わせつつも、単体の楽曲として成立している」というモノのほうが好みです。なんかほら、米津玄師の曲とか、そういう意味でもみんな大好きだと思うんですよね。もちろん米津玄師はプロであって筆者はあくまでアマチュア。それほどの完成度を目指すことは難しいわけですが、目指すだけなら自由ですよね。

ということで、ここから『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』について紹介していきます。本作はロボット(作中では「アーセナル」と呼ばれます)を題材にしたゲームであり、多種多様な兵装と高速移動を組み合わせたアクションが魅力です。
『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』公式サイト本作には「アーセナル」「イモータル」「ガーデン」などの用語がたくさん出てきます。こういうキーワードは音楽の“着想元”になるので、積極的にメモをしていきたいところです。個人的な好みとして「作中用語をそのまま使う主題歌」はちょっと小っ恥ずかしく感じられるため、今回は匂わせる程度に用いる、というところを意識してみます。

『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』をプレイしてまず感じた魅力は「キャラクターの動かしやすさと心地よさ」でした。そしてミッションクリア方式だった前作と大きく異なり、今回はオープンワールドを採用しています。そのため自由自在に広いフィールドを探索することができますし、敵を倒して武器を収集するなどトレハン的な楽しみ方もできるようになっています。
主題歌を作らなきゃいけないというのに面白すぎて「イメージを探す」という名目を忘れて遊んでしまうこともしばしばでした!

ゲームBGMはかっこよくテクノ風の曲調が多いため、その雰囲気から大きく外れず、Game*Sparkから依頼された“勝手にテーマソングを作ろう”企画も「電子音楽っぽい楽曲」で行こうと決意。さらに楽曲のリファレンスとして、様々なSFアニメの主題歌も手掛けてきたBOOM BOOM SATELLITESを参考にしました。もちろん全然似ませんでしたが「カッコいいロボもの」というイメージをゲームから受け取りつつ、楽曲の形も決めていきます。

『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』の主人公は「アウター」という特殊な能力を持った人類で、ゆえあって地球ではなく宇宙都市「ガーデン」に住んでいます。
物語の冒頭、主人公はいろいろあって撃墜されてしまい、地球に落とされることとなります。「ガーデン(楽園)」という名称もそうですし、失楽園的なイメージを重ね合わせてかっこいい曲を作ることができそうです。

ということでタイトルは「Falling Down」に決定。のちほど全文掲載しますが、今回は「恥ずかしがらず、カッコつけていく」というテーマも意識しました。適度に押韻を意識したりと、歌詞らしくもしています。
『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』公式サイト楽曲制作に取り組んでみよう

楽曲制作は、筆者が普段使っているDAWソフトウェア「FL Studio」で行いました。曲を作る細かい工程は割愛しますが、なんかかっこいいシンセサイザーを使いながら頑張ってそれっぽくなるように作りました。普段作り慣れていないジャンルなので苦労も多かったですが「落下感」や「浮遊感」という『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』に繋がりそうなキーワードも取り入れています。


このようにして、ボーカル以外のバックトラックをなんとなくいい感じに作れました。途中イコライザーをどうかけたらいいのかが難しかったため「イコライザーのかけ方」について、対話型AIに質問したりもしました。

人類の力と機械の力を融合する……という試みは、まさに『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』的な楽曲制作方法といえるでしょう(こじつけ)。

それでは、更に頑張って歌のレコーディングをしていきます。自分はあまり歌が上手なほうではないですが、こういうところで恥ずかしがっていてはいけません。とにかく大声で歌うのが良いとされています。真面目な話、小さい声で音程を取るのは結構難しいため、ひとまず大声で歌うってのは実際に良いことです。

とはいえ、制作に苦悩はつきもの。どうやっても「ロボットアニメのテーマソング」っぽい感じは出ません。自分なりに問題点を整理して、ゲームをプレイしながらホワイトボードに書き出していきます。

『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』の魅力は、宇宙を存分に感じられるSF的世界設定とハイスピードなメカアクション。300種類を超える強力な武装で外部装甲「アーセナル」を作り上げ、イモータルを蹴散らす……そして時には“人間であること”を棄て、その代わりに異能を身に着け、より強大な敵に立ち向かうのです。

「見えた……」
ホワイトボードがひとしきり「すごいよ!マサルさん」みたいになったところで、光明が差しました。この図を見てもピンとこないかもしれませんが、要約すると「録音してからピッチ(音程)を補正すればいいので、とりあえず全部歌いきればよくね?」という意味合いです。

ということで、レコーディング終了です! マスタリングをして、プレイ動画に重ねたらいよいよ完成。今回はネタバレを避けるためゲームプレイの最序盤のみお届けします!
『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』公式サイト自家製の“熱いテーマソング”で、勝手に心を踊らせてみよう
Falling Down
作詞・作曲 文章書く彦
今
眼の前にある青い球は
命を
引き寄せる巨大な穴だ
戦い明け暮れて
疲れることも忘れた
鋼鉄(はがね)の身体を纏って
ひたすらに堕ちていく
悪魔は
それを見ていたんだ
争いを
好む狡い連中(やつら)さ
禁断の果実はそこにあった
筋書きを描く神の手
ラグランジュ・ポイントを超えて
星の線をなぞり
楽園を失った!
Falling Down
燃える空で
氷が
溶けていく
ストーリーは
曲がりながら
異形になろうとも
走り抜ける
「Falling Down」のサビ部分は、韻にちょっと力を入れて作詞してみました。そしてバックトラックは落下感とデジタルっぽいかっこよさを意識しています。拙いながらも頑張りが伝わり、テーマソングっぽい楽曲に仕上がったのではないでしょうか……!
あとはこれをGame*Spark編集部(この企画を考えた狂った連中)や『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』の開発チームに聴いてもらうだけ……ってなんなんだよこの仕事!!!恥ずかしすぎる!
Game*Spark編集部より:

――オーダーの達成を確認、直ちに帰還シーケンスを実行するスパ。
(訳: 最後のボス戦のところ、とてもいい感じだったね!)
『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』プロデューサー・佃健一郎氏より:
スピード感、確かに。
心が躍る、そうね。そうそう。。
作品と曲そのものを彩る“味”。
匂わせる単語、電子音。
大声で歌う。素晴らしい!
これは料理としてみると、
美味しいイタリアン。
胸躍る和食。
すべての食材に愛を注ぐ。
新しいスパイスを試し、そしてすべてを混ぜ合わる。
これは………………………………………………だせぇ(笑)そして、面白い!(笑)
ありがとうございます!
色々な人が色々な視点で本作を解釈して世界が広がるのは
とても感謝しています!
また上記コメントに加えて、なんと佃健一郎氏がこの企画の始動を受けてひそかに作っていた……という特別楽曲も届きました! 同じくゲーム序盤のシーンと共に動画を制作したので、『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』の導入の展開を誰よりも熱く感じたい方は、ぜひご覧ください!
ということで、ひとときでも「テーマソング」を作っている気持ちになれて非常に楽しかった反面、それを全世界に公開されるというデジタルタトゥーを背負うことになるとても過酷な企画でもありました。今はこの達成感に包まれ、ただ眠りに堕ちたい、とそう考えています。
最後に、これだけは言っておきたいのですが『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』はめちゃくちゃ面白かったです。といっても筆者もまだクリアまで到達していませんが、とにかくオープンワールドを飛び回るのが楽しいですし、武器収集などの要素も面白く、腰を据えてじっくり遊んでも良いですし、気軽に爽快なアクションを味わう楽しみ方も大いにアリです。SF×メカゲー好きの方もそうでない方も、ぜひ手にとって遊んでみてください!
『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2向けに2025年9月5日発売予定です。PS5とニンテンドースイッチ2にはパッケージ版もリリースされます。
また、ダウンロード版は通常版に加え、配信予定のDLCを同梱したデラックスエディション、さらにデジタルアートブックとサウンドトラックを同梱したプレミアムデジタルデラックスエディションも発売されます。

また、ゲーム序盤をまるごと遊べる体験版がマイニンテンドーストア/PlayStation Store/Microsoft Store/Steamにて配信中。ストーリーやミッションをプレイできるだけでなく、クロスプレイに対応したオンラインマルチ要素も楽しめます。体験版のセーブデータは製品版へ引き継ぐこともできるため、9月5日の発売日に備えて装備を集めておくのも良いでしょう!
『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』公式サイト『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』(デモンエクスマキナ タイタニックサイオン)対応機種: PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S |