最高に自由な侍アクション『侍道2』の魅力を紹介して、全シリーズ作品の現行機移植を祈る! 護る者、与する者、外道……侍としてどう生きる?【特集】

『侍道』シリーズのすべてを現行機で遊べる日を祈って!

ゲーム 特集
最高に自由な侍アクション『侍道2』の魅力を紹介して、全シリーズ作品の現行機移植を祈る! 護る者、与する者、外道……侍としてどう生きる?【特集】
最高に自由な侍アクション『侍道2』の魅力を紹介して、全シリーズ作品の現行機移植を祈る! 護る者、与する者、外道……侍としてどう生きる?【特集】 全 77 枚 拡大写真

「心に残る好きなゲームが、現行機で気軽に遊べるようになる」という出来事は、いつだって嬉しいものです。筆者は『侍道』シリーズが好きなのですが、Steam版『侍道3』『侍道4』が2025年6月に公式に日本語をサポートしてくれたことは、とても喜ばしいトピックでした。

『侍道』シリーズは、“侍”と呼ばれる人々がまだ残っていたさまざまな時代の土地を舞台に、プレイヤーが思うままに過ごしながら、やがて訪れる結末や“侍の生き様”を描くという作品。自由なプレイスタイルやかっこよさ、おふざけなどが印象的なだけでなく、好きな刀を蒐集したり鍛えたりと、コレクション要素もあります。

筆者はこれまでGame*Sparkでは『『侍道3』『侍道4』侍道外伝 KATANAKAMI』の魅力などを紹介する記事を書いてきました。しかし、大好きなシリーズ第2作『侍道2』に関しては紹介するタイミングがなく、Steam版『侍道3』『侍道4』が公式日本語対応した今こそ、移植を祈って紹介せねばなるまい!と考えました。



本稿では『侍道2』の魅力をたっぷりと紹介していきたいと思います!記事内のプレイおよびスクリーンショット撮影はPS2版の『侍道2』を使用しています。

最高のOP

流れ着いた侍の10日間の記録

『侍道2』の時代設定は江戸時代末期で、南蛮貿易が許され栄えている町・天原が舞台。幕府や奉行所、「素魔」と呼ばれる怪しげな薬利権を売りさばくヤクザの青門組など、土地の利権や支配を巡る勢力争いが絶えないこの町に、ある日流れ着いてきた主人公が、さまざまな出会いや出来事の中で、どう生きていくかを描きます。

主人公は天原の町にようやく辿り着いたものの、空腹と疲労で行き倒れてしまいます。そんな主人公を救ってくれたのが、言葉が不自由なひとりの少女。彼女がくれたおにぎりでなんとか元気を取り戻した主人公は、天原の地の色々な姿を見ながら、最大10日間の生活を送っていくことになります。

ゲーム内では大きく「奉行所」「青門組」「町人」の3つの勢力があり、プレイヤーは天原で過ごしていく中で仕事を受けたり主要人物と知り合っていくことで、どの勢力のストーリーを進めていくのかが決まっていきます。重要な場面では選択肢が登場し、同じ勢力でも全く異なる展開を楽しむこともできます。

前作『侍(侍道)』と比べると、刀の種類やアイテムなどが大幅に増加。第1作目の舞台は閑散としていましたが、本作では食事処だけでなく銭湯、遊郭などの施設も用意されています。もちろん鍛冶屋も存在しているので、稼いだお金で刀を鍛えることも可能です。また、ストーリー面ではカットシーンがフルボイスなことも大きな特徴です。

ストーリー上では、ゲーム内の「6日目」に神社で開催される祭りがポイントで、そこまでどの勢力に肩入れしたのかで大きく分岐します。その後の展開も含め、10種類以上のエンディングが用意されているのですが、たったひとつの恩義のために戦う侍にも、真相を知ってなお外道な道を往く侍にもなれてしまうのが『侍道2』なのです。

侍の命「刀」を集めまくれ!

本作の醍醐味のひとつに刀集めがあります。刀は基本的に相手を殺すことで帯刀している物を奪う形で、街にあふれるチンピラや同心、浪人などが持つ刀は大した価値がありません。貴重な刀やキャラクター固有の刀を手に入れるため、さまざまな手段を用いる事が必要になります。

ほとんどの重要キャラクターは一定のダメージを与えると逃げてしまうため、作中のあるポイントでしか奪うことができません。また、連続イベントをこなさないと入手できない刀、難易度を上げないと入手困難な刀などもあり、コンプリートを目指すのは簡単ではありません。

何より覚えておきたいのが、強い刀を入手するには「強い刀を持っている相手を倒さねばならない」ということ。まだ慣れないうちに強敵に対応するためにはお金を稼ぎ、鍛冶屋で愛刀の性能をアップさせたり、体力や能力をアップするアイテムを購入することが必須ともいえます。

戦闘では、敵の攻撃を防御しながら方向キーを押す「捌き」が重要なテクニック。捌きで崩した雑魚敵を斬れば一撃死も狙えますし、装備している刀の技を閃くことも。強い刀を手に入れたとしても、鍛えたり技を覚えなければ意味がないのです。武器の中には槍やハンマー、爪などもあるので、お気に入りの武器を見つけることも楽しいですよ。

本作はクリア/死亡時にまた1日目からゲームを再開できます。何度も繰り返しながら色々なルートを模索して、新しいエンディングや特別な刀を見つけたり、ひたすら刀を鍛えていきましょう。

鍛え抜いた十手で戦う虚無僧。
二刀流や居合も。

曲者ぞろいのキャラクターたちを愛したい!

『侍道2』の各勢力には、個性豊かなキャラクターたちが所属しています。彼らはそれぞれが自分の生き様や矜持を持っていて、ときにプレイヤーと共鳴し、ときにプレイヤーと敵対することもあります。本項では『侍道2』に欠かせない、最高のキャラクターたちを一部紹介していきます!

◆陰沼京次郎

青門組の用心棒として働く陰沼京次郎は血に飢えた“狂犬”のような人物。女性ですが、他人から「お京さん」と呼ばれると殺そうとするなど、ゲーム内でも常に危険な雰囲気を纏っているます。その一方で、行く先に戦いが待ち受ける主人公のことを気に入っている様子もあり、多くのルートで戦うことになります。

お京さんは戦闘でも強敵で、印象に残るキャラクターです。彼女の愛刀である片手剣「美帝骨(びていこつ)」はダメージの大きい技が多く、特に連撃後に相手の腹に剣を突き刺す大技・紅大吟醸は要注意。逆にこの刀を入手すれば、お手軽に大ダメージを与えられる最高の相棒になります。

美帝骨はとにかく強い!

『侍道2』は、ほとんどのナンバリング作品で存在する「大団円」が用意されていない作品です。青門組があまりに外道なこともあるのですが、作中のとあるルートでは「目出度し目出度しで終わる大団円が大嫌い」というお京さんの台詞もあるので、彼女の持つ生き様が大きな理由でもあるのかな、と感じます。

その強烈な性格だけでなく、戦闘での強さなどあらゆる面で『侍道2』の代表的なキャラクターと言っていいでしょう。

死に様も美しい。主人公はアンロック要素の女キャラ&鎧。

◆武藤郷四郎と黒羽奉行

武藤郷四郎は、天原奉行所に務める同心。町の治安悪化もあり、当初は奉行所の周りに近寄るだけで相手を間者と怪しみ、排除しようとするような一面も見られます。主人公が奉行所と協力するルートなどでは、彼の厳格で真面目な性格だからこそ出せる誠実な魅力が垣間見えます。

奉行所には、なんとも怪しい雰囲気の中村同心や、とても厳しい黒羽奉行、幕府から送られたお目付け役の保野など、さまざまな人物が所属しています。奉行所ルートは、作中の他のルートではわからないような恐るべき薬「素魔」の謎など、さまざま秘密が見えてくるイベントも多めです。

敵対した中で見せる姿もまた魅力的。

個人的には、奉行所ルートのひとつで見せる黒羽奉行の「覚悟」は本作を語る上で外せません。立場の違いもありあまり主人公と絡むキャラクターではないのですが、そのイベントで見せる姿はあまりに印象的です。もちろん、そこに立ち会う武藤も素晴らしい味を出しています。

奥にいる昭和の番長みたいなのは、主人公。

◆天風の少女(名なしっ子)

ゲーム冒頭で主人公を助けた少女は、天原の遊郭「天風」で雑用として働く少女。町外れで働く医者・弦庵の治療所にも出入りしているなど、町人の中では慕われています。作中では町人ルートでとても重要な存在となり、主人公が彼女を助けようとしたことが、思わぬ大きな事件に発展することもあります。

「力なき者を守るもの」として生きる侍には、これ以上わかりやすいものは無いとも言えるメインヒロインです。彼女を護り、彼女を助けるためにあらゆるものを敵に回す主人公の姿は最高で、作中で選べる選択肢の中には今なお人気の高い名台詞もあります。

6日目の祭りの中では「彼女を守るイベント」が起きるのですが、油断しているとあっさり倒されてしまいます。初プレイ時にはそのルートの専用エンディングを見ることになってしまった方も、少なくはないはずです……。

これ以外にも天原には、公式サイトのコンテンツ「教えて奈美先生」で話題になった金髪美女の奈美、シリーズお馴染みの鍛冶屋・堂島、もう一人のメインヒロイン・かすみなど、個性的なキャラクターたちの姿も。そして忘れてはいけないのが、作品を彩る最高のモブ「チンピラ」でしょう。

3バカも便利な悪役。
奈美先生!

彼らは青門組所属の文字通りのチンピラたちで、町を我が物顔で歩いています。話しかけてみると歌ったり、蹴ってきたり、天原で生きるためのコツを教えてくれたり、相棒と呼んで一緒に行動しようとしたり、色々な姿を見ることができます(所属勢力や評判などでも変化します)。なんとも楽しく生きているチンピラ達こそ、作品の顔ですね!

ありがとう……!
仕事をくれる「どチンピラ」さん!

『侍道』シリーズの魅力は自由さにあります。ストーリーを追う気がないなら、どこかの勢力に加担することをせず、ひたすらに人を斬りまくっても問題ありません。また、ほぼいつでも「天原を出る」という“ゲーム終了”となる選択を取ることができるので、大切なタイミングでふらりといなくなることもできます。ゲーム内ではクリア後にリザルトや称号獲得もあるので、ゲームプレイのすべてが侍としての生き様になります。

裏技で色々なキャラの見た目にできます。

『侍(侍道)』は、“侍の消えゆく時代”という寂しさや美しさの雰囲気が素晴らしい作品です。『侍道2』はゲーム性やストーリー性が高くなっているのが特徴でもあり、後の各シリーズも、それぞれ独自の魅力を持っています。願わくば過去シリーズすべての作品(アップグレード版を含む)が現行機で遊べることを願いたいところです。

天原神社に祈ろう。ぜひ全シリーズを!そして続編を!

そして今回で『侍道』シリーズのナンバリングはすべて紹介できたことに喜びと感謝の気持ちが隠せません。しかし、ここまで来たら次はもうひとつの侍道『サムライウエスタン 活劇侍道』も紹介したいですね!こちらも乞うご期待!


侍~SAMURAI~ オリジナルサウンドトラック
¥1,405
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《Mr.Katoh》

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