
2022年11月4日に正式サービスが始まった『勝利の女神: NIKKE』は、少女型ヒューマノイド「ニケ」の魅力や、心を揺さぶる物語の数々、育成・編成・エイムに特化したゲーム性など、それぞれを高いレベルでまとめ上げ、着実に人気と知名度を高めていきました。
その幕開けから早くも3年近くが立ち、記念すべき3周年が目前へと迫っています。『勝利の女神: NIKKE』は、周年の節目で常に新イベントや新たな物語を展開しているため、もうじき訪れる3周年にも期待と注目が集まっています。


3周年を迎える『勝利の女神: NIKKE』は、これからどんな発展を遂げるのか。その実態に少しでも迫るべく、「東京ゲームショウ2025」の開催に合わせて来日されたディレクターのユ・ヒュンソク氏と、シナリオディレクターのチョン・ジェソン氏に向けたインタビューを行いました。
魅力的な物語を提供するチームを取りまとめているチョン氏が、日本国内で行われるインタビューに登場するのは初となります。そこで今回は、シナリオ面に関する質問を重視しつつ、『勝利の女神: NIKKE』について伺いました。
■3周年に向けた実感と、一部のユーザーが噂する不安についての言及
──いよいよ3周年が迫ってきました。まずは、大きな節目を迎えるにあたり、率直な心境をお聞かせください。
ユ・ヒュンソク氏(以下、ユ氏):周年を迎えるごとに覚悟を新たにしているのですが、とりわけ3周年は私自身にとって非常に意味深い節目だと思っています。
実は、ずっと「この展開を早くお見せしたい」と願っていたストーリーがこのタイミングでようやく披露できるため、本当に嬉しくて意義深く感じています。
チョン・ジェソン氏(以下、チョン氏):3年というのは本当に長い時間です。ひとつのゲームを3年間提供し続け、愛され続けることは奇跡に近いことだと思っております。その奇跡を皆さんと共にできることは光栄です。これからも全力を尽くしていきたいと気持ちを新たにしています。
ユ氏:3周年には特別な意味があります。リリース前は「ユーザーの皆さんにどう思っていただけるだろう」と想像しながら作ってきました。そして、リリース後は皆さんと共に楽しむ時間を過ごしてきました。そうした「一緒に楽しむ時間」が開発期間よりも長くなるのが、この3周年の節目なのです。
サービスの時間が開発を超えていく――これは私たちにとって大きな意味があると思っています。新しいスタートのタイミングでもあるため、改めて今までの受けた皆様からの愛情に感謝し、これからも頑張っていきます。
──運営型のゲームアプリは、3年がひとつの節目とも言われています。この節目を『勝利の女神: NIKKE』はどのように乗り超えるのか、対策や明確な方針などがあれば教えてください。

ユ氏:特別に「3周年だから」と意識するよりも、毎回の大型イベントや目の前の課題に集中し、良いものをお届けすることを大事にしています。そのため、今回も同じ気持ちで臨んでいます。3周年、冬のイベント、新年のイベント――全てにおいて満足いただけるよう努力していくのが基本姿勢です。
また今後については、『勝利の女神: NIKKE』をひとつのIPとしてどう長生きさせ、愛され続ける存在にできるかを常に考えています。
これまでのゲーム史の中には、とても素晴らしいIPHがいくつもあり、長く愛されてきました。どうすれば同じように愛されるか、その結論はまだ出ていませんが、『勝利の女神: NIKKE』も歴史に残る名作のように、長く愛されるタイトルに育てていきたいと思っています。
──多くのユーザーが、もうじき迎える3周年を超えてもなお、『勝利の女神: NIKKE』を楽しみ続けたいと思っているはずです。
ただ一方で、他のプロジェクトに人員や予算が割かれていると予想し「『勝利の女神: NIKKE』が今後クオリティを保てないのではないか」と不安視する声も一部のユーザーからあがっています。この点についてはいかがでしょうか。

ユ氏:「人員が減るのでは」といった不安の声があるのは承知しております。そのため、現状について詳しくお伝えしたいと思います。
現在の人員についてですが、実際はリリース時よりも人数は2倍に増えており、これまでの開発規模の中では現在が最もピークです。さらなる採用も進めていますし、開発当初から関わっていたコアメンバーも変わらず残っています。態勢は常に万全ですので、ご安心ください。
ただし、皆様から不安の声があるのは、私たちの至らない部分があったせいかもしれません。そうした点も改善し、安心していただけるよう努めてまいります。また、どんな噂があっても、ユーザーの皆さんが不安にならないような環境を作ることを約束します。
■3周年に合わせて展開する物語のキーワードは「クイーン」

──今年は初めてとなる自社タイトル同士のコラボ(『勝利の女神: NIKKE』×『Stellar Blade』)が行われました。その手応えや反響はいかがでしたか?
ユ氏:『ステラブレード』とのコラボについて、売上やユーザー数といった数字も重要ですが、個人的には「Shift Upが得意なことを存分にお見せできた」というのが最大の成果だと考えております。異なるチームが一丸となるチームワークを皆様に証明できたことが自信になりました。
チョン氏:物語面で言えば、コラボにも関わらず「やりたいことをやりきれた」というのが最大の成果です。『勝利の女神: NIKKE』でできるコラボとしては、その限界を超えたのではと思っています。
また、コラボイベントのストーリーを書きながら、この物語を見てたくさんの方が泣いてくれたり、記憶に残るものになったらいいなと考えていました。それが実現できたのではないかと思い、本当に満足しております。
──本筋に深く関わってもおかしくないレベルの展開をコラボイベントでやるとは思わず、非常に驚かされました。アーカイブ化も楽しみにしています。
ユ氏:私は、キャラクターが描かれ、ボイスが加わることで泣くことはありますが、普段テキストだけを読んで泣くことはほとんどありません。
しかし、『ステラブレード』のコラボストーリーは、テキストを見ただけでぐっと刺さりました。そして、「これはいける」と確信しました。
──キャラクター同士を対比したそれぞれの展開も心を揺さぶられましたし、あのラストは忘れられないものとなりました。
掘り下げてお訊きしたいところですが、近づきつつある3周年の質問を外すわけにはいきません。まだ明かせない部分がほとんどだと思いますが、現時点で窺える範囲で教えてください。

チョン氏:3周年のイベントストーリーは、メインストーリー41・42章と同時進行で描かれます。また、恒例の新ニケももちろん実装されますが、完全新規のキャラクターではなく、すでに登場している既存キャラのひとりです。誰が実装されるのか、今から予想してみるのも楽しいかもしれません。
また、3周年におけるメインストーリーの焦点を一言で表すなら、「クイーン」です。
──いよいよ、「クイーン」に関して深く迫る時が来るんですね!!
ユ氏:ちょっと話しすぎじゃないですか(笑)。詳しい話は、3周年記念生放送を楽しみにお待ちください。
──クイーンについては、語られても断片的であったり、シンデレラが戦った個体がどうなったのかなど、謎になっている部分が多々ありました。その全容にどこまで迫るのか、期待が高まるばかりです。
チョン氏:クイーンに関する気になる要素は、3周年である程度明らかになると思います。
──いちプレイヤーとして、嬉しいと共に早くも待ちきれない気持ちです(笑)。その感情を抑えつつ、次の質問へと移ります。
あくまで個人的な気持ちという範囲で構いません。「いつかこういうニケを出したい」「こういうシナリオで活躍させたい」というアイディアや想いはありますか?

チョン氏:個人的には、完全なニューフェイスのニケはひとまずもういいかなと思うところがあります。今の物語の展開には、現状のニケだけで十分じゃないかなと。
そのため新規のニケを出すよりも、現状のニケたちの深掘りをし、新たな姿やより強くなった彼女たちをお見せしたいですね。そうしたニケにまつわるストーリーと一緒に絡めて、今までは見えなかったキャラクター性の一面や、披露する機会のなかった見た目などを皆さんにお届けできたらいいなと思っています。
ユ氏:私からはその質問にお答えする前に、以前から「こういうニケを出したい」と思ってたもののひとつが今年実現したことを報告させてください。そのニケは「ドロシー:セレンディピティ」です。
──水着になったドロシーですね!

ユ氏:去年までの運営方針では、ピルグリムに水着を着せるという想定はまだなかったのですが、今年に入ってそれが実現しました。
ピルグリムはほかの企業のニケと違い、様々な姿を皆様にお見せする機会がなかなかありません。しかし、今回ドロシーが水着になったことで、可能性が徐々に広がってきました。来年もピルグリムの誰かが水着を着るかもと、早速ワクワクしています。
──それが現実になるよう、自分も個人的に期待しております!
ここまでは深掘りする形も交えてお話を伺いましたが、ここからはお答えしにくそうな質問について、一問一答の形でお聴かせください。
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