
ホロライブ所属の双子VTuber「フワワ・アビスガード」さんと「モココ・アビスガード」さんは、ホロライブENに所属する海外タレント。日本語に込められたニュアンスまで理解し、日本語を流ちょうに話すことから「JP(国内タレント)よりもJP」と言われるほどの日本通です。
※本配信も日本語まじりで実施されました。
しかも秋葉原のオタク文化が大好きで、2000年代の美少女ゲームはもちろんのこと日本のネットミームにも強く、詳しい人に「よくそんなネタ知ってるね」と感心されるほど。そんな彼女たちが愛してやまないのが“秋葉原の女王”であり『STEINS;GATE』のフェイリス・ニャンニャン役や『テイルズ オブ ジ アビス』のアニス・タトリン役などで有名な桃井はるこさんでした。
その心から敬愛する桃井さんが、メジャーデビュー25周年の今年、ついに8年ぶりとなるCD「NewGame+」(ニューゲームプラス)を発表。10月14日(火)にリリース日を迎えました。
そこでフワモコのお2人も自身のYouTubeチャンネルにて桃井はるこさん限定の歌配信を実施。本稿ではそんなフワモコのお2人の「桃井愛」が詰まった配信のようすをお届けするとともに、お2人の夢のひとつが叶った「NANIKA」収録秘話なども紹介したいと思います。
◆「今日は特別な枠!」
フワモコのお2人は2024年の12月にも桃井さんの楽曲縛りで歌枠を実施しましたが、その時は声の不調で企画は一旦中止に。今回の歌枠はそのリベンジでありつつ、桃井さんのメジャーデビュー25周年を祝う特別な枠となりました。
何より特別だったのは、8年ぶりのリリースとなるCDにコーラスとして参加できたこと! 収録曲のひとつ「NANIKA」には以下女性アーティストがコーラスで参加しているのですが、その中にフワモコの名前もありました。
「アキバ系Besties」メンバー ※敬称略
彩羽真矢
民安ともえ
絵恋ちゃん
成瀬瑛美
恋汐りんご
桃知みなみ
鈴木mob.
小岩井ことり
永野希
月宮うさぎ
FUWAMOCO
FRAM
歌枠の開始直後から「最近いいことがあった」と喜びを隠しきれなかったフワモコ。桃井さんの8年ぶりのCDに「(私たちもいちファンとして桃井さんの新曲リリースを)ずっと待ってたよ!」とテンション高めです。
「NANIKA」の歌収録では「緊張しすぎた!」「身体が大変なことになっちゃった!」と叫びつつ、「桃井さんの耳の中がフワワの声でいっぱいに!」「これどんな世界線!?」とラフィアンズ(フワモコのファン)に報告。VTuberをやっていてよかったと、まるで決壊したダムのように、ずっと興奮した様子で想いを溢れさせていました。

そんなお2人なので、厳選に厳選を重ねたセットリストは、通常の歌枠とは思えないボリュームに。なんと全19曲、3時間にも及ぶものになりました。
なお当日のセットリストは以下の通り。
01.くじびきアンバランス
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/アニメ『げんしけん』1期OP
02.ぽぽたん畑でつかまえて
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/アニメ『ぽぽたん』OP
03.Party Love ~おっきくなりたい~
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 渡辺剛/アニメ『ロウきゅーぶ!』1期ED
04.愛のメディスン
作詞 桃井はるこ、UPLIFT/作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/アニメ『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』OP
05.Mail Me
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/桃井はるこメジャーデビュー曲
06.GURA GURA
作詞 桃井はるこ/作曲 桃井はるこ/メジャーデビュー以前の楽曲
07.Let me Love you
作詞 桃井はるこ/作曲 太田雅友/編曲 大久保薫/アニメ『School Days』挿入歌
08. いっちゃえ!ぽぽたん
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/ゲーム『ぽぽたん』OP
09.マウス Chu マウス
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/アニメ『MOUSE』OP
10.アキバレンジャー シーズン痛!
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 籠島裕昌/特撮シリーズ『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』OP
11.1+1(ワンプラスワン)
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也
12.ラブスレイブ
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/アニメ『DearS』OP
13.2001年のゲーム・キッス
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/メジャーデビューシングルのカップリング
※アニメ『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』10話EDにて大橋彩香さんがカバー。
14.フィギュアになりたい
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 mobo/イベント「DreamParty」イメージソング
15.がんばれそれはI Love you
作詞・作曲・ 桃井はるこ
16.こたえ
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/ゲーム『ぽぽたん』ED
17. 天罰!エンジェルラビィ
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 小池雅也/ゲーム『まじかるトワラー・エンジェルラビィ☆傑作選』OP
18.NANIKA
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 久下真音
19.LOVE.EXE
作詞・作曲 桃井はるこ/編曲 齋藤真也/ゲーム『BALDR FORCE EXE』OP
◆コメント欄に桃井はるこ(本人)登場
桃井さんの数あるCDアルバムの中で一番好きなのは2011年にリリースされた「しょうわ」と語っていたフワモコ。その収録曲のひとつ「がんばれそれはI Love you」も今回のセットリストに含まれていたのですが、やはり注目だったのは「愛のメディスン」「フィギュアになりたい」「こたえ」あたりです。
「愛のメディスン」では桃井さんのライブ現場でおなじみの口上(こうじょう/合いの手のようなもの)を若干のアレンジで披露。「かわいい、かわいい、超かわいい! はるこのコスプレ超かわいい! どんなコスでも萌え萌えの、はるこに会うたびドキッドキ! あなたのことを想うたび、高鳴る鼓動が止まらない! 恋の病の処方箋、はるこの笑顔をくださいな!!」と叫び、モモイスト(桃井さんのファン)ならおなじみのハイテンションなライブ現場を再現していました。
しっとりと歌い上げるバラード調の「フィギュアになりたい」や「こたえ」では、モココさんが感極まったようすになり、フワワさんが「泣いていいんだよ」と肩を抱いたかのような場面も。中でも「こたえ」は歌詞がお気に入りだそうで、いかに魅力的な世界なのかリスナーに訴えかけていました。
もちろんラスト2曲の「NANIKA」と「LOVE.EXE」も見逃せません。
「NANIKA」はフワモコのお2人もコーラスで参加した新曲。桃井さんからは「コーラスに参加した人たちはいつでも歌っていいよ」と許可が出ている楽曲ということで、初披露となるフワモコver.の「NANIKA」となりました。
「LOVE.EXE」は桃井さんのライブの代表各。途中に「そいや、そいや、そいや、そいや!」などと随所に合いの手を入れるライブバージョンで盛り上がります。さらにウルトラオレンジのペンライトやサイリウムを握りしめて躍り狂う、モモイストを再現する驚きの“演出”まで!「LOVE.EXE」の歌配信以外では使いどころのない、ウルトラオレンジの特製素材で配信を盛り上げていました。

桃井さんといえば声優のイメージが強い人も多いかと思いますが、活動の幅が広く、文筆家・作詞家・シンガー・アイドルプロデュースなど多彩な才能を発揮しています。また作詞家・作曲家としては、電波ソングだけではなくロックやバラードも手掛ける幅広さが魅力です。
中でも作詞は、もともと女性アイドル好きということもあり「いつか自分が作った楽曲を提供したい!」と小学生の頃から夢見ていた分野。その夢が叶ってさまざまなアイドルに楽曲提供しているだけでなく、ご自身の歌唱用に作詞・作曲をしたものも無数にあります。その数はセットリスト選びで頭を悩ますほど。今回、フワモコのお2人がセットリストで頭を悩ませたのも当然のことでしょう。
そんな桃井さんがアーティスト活動および作詞・作曲を始めた頃に目指したのが「オタクのための音楽」でした。それはやがてネットを通じて「電波ソング」と呼ばれるようになり、多くの若者の心を掴みます。
フワモコのお2人も、そんな「桃井楽曲」に触れて心が震えた「モモイスト」の仲間。今回の歌枠でも冒頭で「桃井さんがいなければ今のフワモコは絶対にいない」と断言しており、桃井さんのライブでは毎回胸がいっぱいになって泣いてしまうこともあると語っていました。
そこまで心を掴んだのは、やはり桃井さんが綴る、オタク目線の優しい歌詞に感動したからではないでしょうか。今回の歌枠でもコメント欄に「初めて聞いたけどいい曲だな」「歌詞がおもしろい」など評価する声が多く見受けられました。
今回の歌枠では残念ながら歌えなかった楽曲も多く、まだまだ歌い足りない様子だったフワモコ。普段はリスナーを楽しませる立場の彼女たちですが、彼女たちの“一番好きなもの”を浴び、その時間でしか得られない彼女たちの楽しそうなようすはまた別腹です。「次回」がいつになるかはわかりませんが、その時は桃井さんと一緒に「NANIKA」を歌う、もしくは桃井さんが提供するフワモコのオリジナルソングも聞いてみたいですね。
