「AIに創造性は存在し得ない」―テイクツーCEOが語るAIが与えるゲーム開発への影響

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「AIに創造性は存在し得ない」―テイクツーCEOが語るAIが与えるゲーム開発への影響
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テイクツー・インタラクティブのCEOであるストラウス・ゼルニック氏は、ゲーム開発におけるAIの影響について、「否定論者ではないがAIによる影響は限定的」という考えを述べました。

◆「AIは過去を振り返るもの」創造の現場に立ちはだかる本質的な壁

これは現地時間10月27日から10月28日に開催された「Technology Executive Council Summit(TEC Summit 2025)」にて、「AIがゲーム開発スピードの向上に役立つのか?」という、AIがゲーム開発に与えた影響に関する質問を受けての発言でした。

「TEC Summit 2025」には、主に大手テクノロジー企業の経営層や業界リーダーが参加。AIやサイバーセキュリティなどに関して議論を交わす、国際的カンファレンスです。

議論の中で、もしAIの能力に何の制約もなかったらという仮定の話が飛び出します。ゼルニック氏は、「明日、ボタンを押すだけで『グランド・セフト・オート』と同等のゲームとマーケティングプランが作れるでしょうか?答えは“NO”です」と回答しました。

テイクツーCEOのストラウス・ゼルニック氏(右)

その理由として、「AIとは大規模なデータセットであり、膨大な計算能力を備え、大規模言語モデルに紐づけられたものです。では、データセットとは定義上何なのか?それは“過去を振り返るもの”です」と発言。

さらに「大量のデータ計算や、(過去の膨大な判例の積み上げが重要な)法学に関わるものならAIはまさに得意分野であり、ゲーム開発にも当てはまる多くの業務があります。しかし、AIに創造性は存在し得ません」と述べています。

ゲーム開発において、AIの影響を限定的と捉える理由のひとつは知的財産権の問題ですが、何よりもAIが本質的に“過去を振り返る”性質であることが、障害となっていると同氏は考えているようです。


《稲川ゆき》

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