
かつてゲームセンターで親しまれ、家庭向けにも開発された銃型コントローラー・通称「ガンコン」。しかし近年はアーケードで目にする機会は減少し、ブラウン管の仕組みを利用していた家庭用機向けのデバイスも活躍の場を失っていました。
そんなガンコンを現代に蘇らせるためのプロジェクトが、達成電器による「G'AIM'E(ジーエイム)」。モニターに接続するだけで簡単にガンコンでのゲームプレイが可能で、1990年代に人気を博した『タイムクライシス』や『スティールガンナー』を収録しています。
今回は、大阪・日本橋の「ジョーシン日本橋店」にて開催された、新タイトル体験イベント「ジョーシンゲームフェス」より、「G'AIM'E」でプレイする『タイムクライシス』の試遊レポートをお届けします。
◆軽くて爽快、それでいてあの頃と変わらぬ遊び心地
まず気になる「G'AIM'E」のガンコンを見ていきましょう。
ロゴ下には銃身左側にAボタン、右側にBボタンが配置されており、トリガー上のオレンジのボタンは「クレジット追加」用です。

カラーリングもスタイリッシュなこのガンコン。握った感覚はしっかりしたフィット感で、家庭用のためアーケード筐体用のような重さはなく、気軽に長時間プレイできる扱いやすい印象です。
そして、『タイムクライシス』には欠かせないペダルも。こちらは裏面に滑り止めがあり、軽い力で踏めるもの。
今回はイベント会場のため靴を履いた状態でプレイしましたが、素足でも押しやすそうでした。不意に押し込まないよう、足を浮かせつつプレイする感覚はアーケードらしさ満点。疲れてきたら逆の足にペダルの置き場所を変えればリフレッシュできるのも、家庭用ならではですよね。

それでは、いざ『タイムクライシス』をプレイ。ゲームはもちろん当時の楽しさそのままで、敵の位置や攻撃タイミングを把握して、ライフを保ちながら銃撃していく定番のガンシューティングが味わえます。
操作感はやや独特なものがありますが、「G'AIM'E」でのプレイ時には青く照準が表示されているので、すぐに感覚には慣れて納得感も◎。こちらの照準は好みでオンオフも選択可能です。

正確なエイム操作でスピーディーなクリアを目指すもよし、そして家庭版なので何度やられてもOKのため、気ままに乱射しまくるもよし。
クレジット追加ボタンが手元にあって流れるようにコンティニューするのも、単純に無限コンテニューになっている作品よりも味わいが感じられます。

プレイしていると段々腕がプルプルして照準が定まらなくなってきたり、ペダルに添えている足が疲れてきたりするという懐かしの体験も。感覚もゲームセンターそのものです。
ガンコンでのゲームプレイはかなり久しぶりだった筆者ですが、あまりにもアーケードと同じ感覚でプレイできるため、つい別作品の癖で画面外に向けて銃を振ってしまう「体が覚えている」シーンがあったのも面白かったです。


今回はステージ2までプレイしましたが、記録されているベストタイムには遠く及ばず。ここから繰り返しプレイして、動きの最適化を進められるのも家庭用版ならではの楽しみです。
ゲーム内容も体感型ゲームの金字塔であるオリジナル版に忠実な移植となっており、当時プレイした方なら満足できること請け合い。振動のオン・オフ機能もあり、臨場感あるゲームが味わえる作品となっています。
◆銃口カメラ&AIで現代でも遊べるガンコンが実現
この「G'AIM'E」は従来の家庭用ガンコンとは異なり、大雑把に説明すると「コントローラーに内蔵されたカメラの映像をAIが解析してモニター位置を認識し、銃口が向いている箇所をトラッキングする」という仕組み。「G'AIM’E」というネーミングはゲームとエイムだけでなく、AIもかかっている……のでしょうか?

このステップを踏んでいるため、銃口を動かしてからの画面の照準への反映には、僅かにラグが存在します。
とはいえ、大きく動かした場合には少し気になるかも知れませんが、プレイしていて明らかに照準が飛んでしまうなど、「今のおかしくない?」と感じるような現象はまったくありませんでした。プレイ中にズレが発生した場合は、キャリブレーション再設定で対応可能です。


また、このカメラによる認識のため、プレイ時には画面とある程度の距離が必要になるのもポイント。
イベント会場では程よい距離・高さにモニターが設置されていましたが、自宅でのプレイ時には普段より離れて、“ガンシューティングらしい”距離を確保できる環境が望ましいでしょう。

また会場では、達成電器の方にもお話を伺うことができました。本プロジェクトは、「ガンコンと、ガンコンで遊ぶタイトルを現代に残したい」という強い想いがあって実現したとのこと。
その想いをクラウドファンディングなどで後押ししてくれるファン、そして忠実な移植に尽力したバンダイナムコエンターテインメントのクリエイターの皆さんへの感謝の言葉も聞けました。
会場にも「予約したけど、早く遊びたくて来ました!」という熱烈なファンの方の姿も見られ、ガンシューティングが多くの人に愛されるジャンルであることを再確認する機会となった本イベント。
今後の展開については「ユーザーからの声が集まることで後押しになる」とのことで、ぜひ遊びたいタイトルや欲しい周辺機器・デバイスなど、リクエストの声を届けてみてはいかがでしょうか。

最新技術によって、どんなモニターでもガンコンによるシューティングを楽しめる『G'AIM'E×タイムクライシス』は11月13日より発売中。
発売時点では、本体と『タイムクライシス』を収録した「ベーシック」、追加で『ガンバレット』『スティールガンナー』『スティールガンナー2』を収録して計4タイトルがプレイできる「プレミアム」。さらに、2人プレイ対応タイトルのためガンコンが2本入った「アルティメット」と3バージョンが展開されます。

また、未定ではあるものの「プレミアムを買ったけれど、やっぱり2人プレイがやりたくなった」という方のため、コントローラーだけの販売についても検討しているとのことで、反響次第で更なる展開が見込めるプロジェクトとなっています。
今回の「ジョーシンゲームフェス」だけでなく、既に決定しているイベント出展予定もあるので、実際に触れてみたいという方はそちらへの参加もぜひ検討してみてください。



