RTAの代表作でもある任天堂の3Dアクションゲーム『スーパーマリオ64』にて、RTA走者・FramePerfection氏とCrackhex氏によって新テクニック「Crackslide」が発見されました。早速、目隠しRTA走者であるBubzia氏が本テクニックを使用して10分切りを達成し、解説動画を投稿しています。
RTA文化と『スーパーマリオ64』、そして“ケツワープ”
スピードランことRTA(リアルタイムアタック)は、ゲームのクリアや特定の目標を実時間でどれだけ短く達成できるかを競う競技です。『スーパーマリオ64』は、スターやバグの多さから、RTA界隈でも代表的なタイトルとして長年愛されてきました。
そんな『スーパーマリオ64』RTAの代表的なテクニックのひとつが、後ろ向きの状態で異常な加速を得るBLJ(Backwards Long Jump)通称“ケツワープ”です。このテクニックは、階段などで後ろ向きに幅跳びを行い特定の操作をすることで、マリオが想定外の速度を得て、特定の扉や坂を強引に突破できるようになります。

新技“Crackslide”の登場による変化
今回発見された新技“Crackslide”は、使用するとピーチ城にある、開放するのにスターが30枚も必要な扉を無理矢理スキップすることができます。
具体的には、「やみにとけるどうくつ」というステージなどで使用されていた“C-Up Slide”という特殊なテクニックの応用版のようなもの。繊細なセットアップ後に、30枚スター扉の近くにある手すりの上に乗り“C-Up Slide”を行うとのことです。
Crackslideは厳密にはケツワープとは別のテクニックでありながらも、高速で後ろ向きに飛んでいく姿からケツワープの派生のようにも見えます。

大規模なRTAイベント「RTA in Japan」などで活躍し、目隠しRTAで話題となったBubzia氏は、自身の動画にてそんな“Crackslide”を解説。発見の経緯、テクニックを実演しています。
Bubzia氏は、このテクニックを活用することで、ひとつだけスターを獲得してクリアするカテゴリーの「1スターRTA」で10分を切るという快挙を成し遂げています。
今後、“Crackslide”のさらなる研究と最適化が進めば、今後ほかカテゴリーでも使用出来る可能性があり、『スーパーマリオ64』RTAの新時代が到来するかもしれないといった状況になっています。Bubzia氏が過去に「RTA in Japan」で走った1スターRTAと今回の新記録を達成した動画を見比べるとおもしろいかもしれません。




