ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)とテンセントは、著作権および商標権の侵害で訴訟が継続中のタイトル『LIGHT OF MOTIRAM』について、係争中は新規プロモーションやテストを停止することに合意しました。The Game PostやEurogamerなど、複数の海外メディアが報じています。
アメリカにてSIEがテンセントを提訴―発表作品が『Horizon』を“模倣している”として

テンセントが発売を予定している新作アドベンチャー『LIGHT OF MOTIRAM』は、文明崩壊後の世界を舞台に、過酷な環境下での探索や、生き残りをかけた戦いが描かれます。
これに対し、SIEは同社の『Horizon』と多くの類似点があり、著作権や商標権を侵害しているという主張から、カリフォルニア州の裁判所でテンセントを提訴。リリースの中止や損害賠償を求めました。
SIEではシステム面、ストーリーのテーマ、アートなどあらゆる点から『Horizon』を模倣していると言及しているほか、『LIGHT OF MOTIRAM』を「slavish clone(独創性のないクローン)」と呼んでいます。


これに対しテンセント側は、「ソニーがありふれたジャンルの要素を独自の資産に変えようとしている」と反論。「文明崩壊後の世界」や「機械生命体」、「赤毛の英雄」といった要素はゲームの長い歴史の中であらゆる作品に登場しており、ソニー独自のものではないことを主張しています。


また、実際に開発を行っているのはテンセントではなく、グループ傘下の企業である点なども指摘しつつ、棄却申し立てを行っています。
一方、公開されている『LIGHT OF MOTIRAM』のSteamストアページでは、画像の差し替えが行われたことなども報じられていました。
新規マーケティングの停止やプレイテストの中止で両社が合意―“前倒し”のリリースも制限

海外メディアThe Game Postによると、12月1日にカリフォルニア州の北部地区連邦地方裁判所に共同で提出された書類のなかでは、弁論日程を延長し、棄却申し立てと差止請求の両方に関する審理を2026年の1月に行うよう要請したことが明らかになりました。
また、係争中はテンセントによる『LIGHT OF MOTIRAM』の新規プロモーション停止と、公開テストを実施しないことで両社が合意。さらに本作のリリースを、予定されている「2027年第4四半期」より前倒しにしないことや、差止命令に関する証拠開示を裁判所に求めないことなども約束しています。

棄却申し立てと仮差止命令に関するふたつの申し立ての審理に対しては、当初の予定であった2026年1月15日から1月29日に延期し、同日に審理が行われるよう両社から裁判所に提案がなされています。
依然として続く両社の訴訟ですが、1月29日の審理でどういった判断が下されるのか、また今後も訴訟が継続するのかなど、両社の動向やさらなる主張にも注目です。







