ぶいすぽっ!フェス 2025で「夜乃くろむ」に衝撃を受けたので語りたい―ライブで化ける底知れぬポテンシャル…「ピギャー」と「OTONA」のギャップ

「ぶいすぽっ!フェス2025」で夜乃くろむに衝撃を受けた筆者が、配信での可愛さとライブでのクールな姿のギャップを熱弁。彼女の表現力とグループの魅力を綴るライブコラム。

配信者 VTuber
ぶいすぽっ!フェス 2025で「夜乃くろむ」に衝撃を受けたので語りたい―ライブで化ける底知れぬポテンシャル…「ピギャー」と「OTONA」のギャップ
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VTuberグループ「ぶいすぽっ!」は11月22日~24日にかけて、ららアリーナ 東京ベイにて「ぶいすぽっ!フェス 2025」を実施しました。「ぶいすぽっ!」メンバーに加え、英語圏向けプロジェクト「VSPO! EN」、中華圏向けプロジェクト「VSPO! CN」のメンバーも参加するゲームイベントやライブイベント、さまざまな展示、キッチンカー、さらには周辺施設とのコラボレーションなど、「ぶいすぽっ!」ファンにとってまさにお祭りとなりました。

本稿では、11月23日~24日にかけて開催されたライブイベント「DIAMOND in the ROUGH」の様子をお届け……する予定でした。しかし、筆者は会場で「夜乃くろむ」という存在に衝撃を受けまくり、会場から家につくまでの間に「夜乃くろむ」という存在を世に知らしめる必要があるのではないかと思案。急遽「夜乃くろむ」さんにフォーカスしたコラムをお届けします。配信だけではない、彼女のアイドル・アーティストとしての魅力を知って欲しい。

夜乃くろむに衝撃を受けたワケ

夜乃くろむさんは2023年11月24日にデビュー。“『VALORANT』と『Apex Legends』のランクを一定まであげる”条件付きで合格したと当時の配信で語っていて、そのかいあってか、2025年11月に行われた『VALORANT』のコミュニティ大会「VTuber最協決定戦 Ver VALORANT Act2(V最)」では準優勝を収めました。

訛りの強いふわふわとした話し方や、可愛らしい声、「ピギャー」と笑う声(もはや鳴き声である)など、普段の配信で見せる姿は、コメント欄で「赤ちゃん」と揶揄されるほど。一方で、前述の「V最」では切羽詰まった状況で機敏に味方に報告をしたり、チームの後輩である蝶屋はなびさんを力強く引っ張ったりと、本人が自称する「大人(OTONA)」な一面が大きな話題を呼びました。

ライブでより色濃く感じる“ギャップ”

つまるところ、まずは“ギャップがすごい”ということ。今回のライブイベント「DIAMOND in the ROUGH」でも、曲間のMCにて、「ピギャー」と喜んだり、ファンの持つペンライトを「宝石みたいで綺麗」と話すなど、いつも配信で見せるような可愛さが爆発。身体の揺らし方や仕草まで、まるで子供のようなはしゃぎ方。

しかしながら、そんなふわふわMCの直後に披露された夜乃くろむさんの楽曲「Ready set glow」では、雰囲気がガラっと変わります。

筆者は夜乃くろむさんのギャップについてもある程度しっていましたし、原曲を予習し音源から「夜乃くろむが持つOTONAを軸に、随所に子供っぽさを散りばめた楽曲」と認識していました。しかしライブ歌唱では「クールなOTONA」がより強調され、絢爛豪華なステージセットやライティング、会場に満ちる熱気や広い会場ならではの音の返りや届き方など、さまざまな要素が混じり合い、その色気が爆増。ライブで化ける楽曲とはまさにこのこと。ライブは体験であることを忘れてた。

まるでK-POPアイドルのライブで体験するような「ビジュアルめっちゃカワイイけどステージマジカッコいい」を体現していました。配信では雑談とゲームのギャップにやられ、ライブではMCとパフォーマンスのギャップにやられるというわけ。

「夜乃くろむ」というフィルターを通じて浴びる楽曲

筆者が特に舌を巻いたのが、カバー曲における表現力の豊かさ。単に「歌が上手い」に留まらず、楽曲が持つ魅力を一度自分の中で咀嚼し、「夜乃くろむ」というフィルターを通して出力しているような感覚。

小雀ととさんと披露した「RE:I AM(Aimer)」では、原曲へのリスペクトを保ちつつも、彼女特有の少しハスキーで、それでいて芯のある甘い歌声が乗ることで、歌詞の切なさや力強さが独自の色彩を帯びて会場に響き渡ります。普段の「ピギャー」や、ゲーム中のわちゃわちゃした言動からは想像もつかない、楽曲の主人公になりきる憑依型のボーカリストとしての才能が垣間見えます。

そして、視覚情報としての「動き」の解像度が異常に高いことにも触れねばなりません。ライブイベントの肝は、楽曲を“浴びる”ことです。それは歌唱力だけでなく、どれだけ“浴びていて気持ちが良いか”という、現地ならではの体験、アーティストがどれだけ楽曲を体現した存在であるかが重要なカギとなります。

夜乃くろむさんはリズムへの乗りかたや、楽曲にある“気持ちの良いカギとなる音”にあわせた動き、手の動かし方など、ライブパフォーマンスとしての質がとにかく高い。特に空澄セナさんと共にカバーした「ロキ」では、飛び跳ね、キメポーズをし、ターンしてみたりと、元気いっぱいの姿で楽曲の“やんちゃさ”を表現していました。

また、静かなパートでは指先まで神経が行き届いたような繊細な手の動きや、ふとした瞬間の首の傾げ方、そしてマイクの流し方。計算か天然かは定かではありませんが求心力があり普段の配信で見せる愛くるしい揺れとは一線を画す、全身を使った表現者としての「夜乃くろむ」が、そこには確かに存在していたのです。

ぶいすぽっ!っていいな

ここまで夜乃くろむさんについてお伝えしてきましたが、もちろん「DIAMOND in the ROUGH」では、参加メンバーの多種多様な個性が光ります。

「1分1秒全ての時間を楽しんでやる」と言わんばかりに飛び跳ねる猫汰つなさんの姿、故郷の街に帰ってきたかのような安心感と暖かさのある紡木こかげさんの歌声、“王道アイドル”感すら感じる小森めとさんのパフォーマンス、ファンに「ユニコーン!」と叫ばせる藍沢エマさん、“れんるなはある”など、メンバーが持つさまざまな光を、このライブイベントから感じることができました。

ぶいすぽっ!はENを含めさまざまなメンバーが在籍し、それぞれが個性を持ち、その無数の組み合わせでさまざまな化学反応を起こします。それがライブイベントでも同様に発揮され、「ぶいすぽっ!っていいな」と改めて思える時間でした。

パフォーマンスだけではありません。会場ではDay2のライブイベント直前に、運営としてコミュニティに馴染み深い星さん(運営1)が影ナレを担当し、「立って観覧したい人、座って観覧したい人、思いっきり声を届けたい人、静かに観覧したい人、みんなそれぞれを尊重しあって楽しみましょう(意訳)」と伝え、ファンもこれに応えるように拍手や声援を送りました。終演後に飛び交う開催に対する感謝の声も含め、運営とメンバー、それを愛するファンが作り出す三位一体のコミュニティが、暖かく確立されていることを示します。

2018年秋に小さな部屋から始まったこの物語が、どのような未来を見せてくれるのか、これからも大切に紡がれていくであろう一歩一歩を、大事に受け取っていきたいものですね。

■DIAMOND in the ROUGH Day1 セットリスト(2025年11月23日)

M1 : DIAMOND in the ROUGH / Day1 ALL CAST
M2 : たまには夢のえすけぃぷ / 花芽すみれ
M3 : オドループ / 一ノ瀬うるは、千燈ゆうひ
M4 : なずなぞわんだぁ~らんど / 花芽なずな
M5 : パンダーヒーロー / 橘ひなの、藍沢エマ
MC : 花芽すみれ、花芽なずな、一ノ瀬うるは
M6 : ゆらゆらサマー / 白波らむね
M7 : 毒占欲 / 八雲べに、如月れん
M8 : Sunset Explorer / 千燈ゆうひ
M9 : Deep in Abyss / 白波らむね、花芽なずな
MC : 神成きゅび、白波らむね、千燈ゆうひ
M10 : Thunderbolt / 神成きゅび
M11 : ねぇねぇねぇ / 橘ひなの、一ノ瀬うるは
M12 : Temptation / 八雲べに
M13 : 打上花火 / 如月れん、紫宮るな
MC : 八雲べに、一ノ瀬うるは、紫宮るな
M14 : 大 大 大 大好き / 橘ひなの
M15 : 超最強 / 神成きゅび、藍沢エマ
M16 : あのね / 紫宮るな
M17 : 怪物 / 白波らむね、千燈ゆうひ
MC : 如月れん、橘ひなの、藍沢エマ
M18 : Ever Blue / 一ノ瀬うるは
M19 : 動く、動く / 花芽すみれ、紫宮るな
M20 : Slow Bloom / 如月れん
M21 : 花になって / 神成きゅび、八雲べに
M22 : 藍染の空 / 藍沢エマ
M23 : だから僕は音楽を辞めた / 花芽すみれ、花芽なずな
MC : 花芽すみれ、花芽なずな
M24 : for Victory! / Day1 ALL CAST

■DIAMOND in the ROUGH Day2 セットリスト(2025年11月24日)

M1 : DIAMOND in the ROUGH / Day2 ALL CAST
M2 : 君のいちばんになりたい / 胡桃のあ
M3 : だいしきゅーだいしゅき / 小森めと、夢野あかり
M4 : ラビラビュ / 兎咲ミミ
M5 : フタリボシ / 紡木こかげ、甘結もか
MC : 胡桃のあ、兎咲ミミ、小雀とと
M6 : 君がくれた羽 / 小雀とと
M7 : UNDEAD / 夢野あかり、猫汰つな
M8 : ひとくちの魔法 / 紡木こかげ
M9 : いーあるふぁんくらぶ / 蝶屋はなび、甘結もか
MC : 小森めと、紡木こかげ、夜乃くろむ
M10 : Ready set glow / 夜乃くろむ
M11 : D/N/A / 空澄セナ、小雀とと
M12 : Everyday Party Time! / 小森めと
M13 : 愛包ダンスホール / 胡桃のあ、猫汰つな
MC : 夢野あかり、小雀とと、蝶屋はなび
M14 : 蝶影繚乱 / 蝶屋はなび
M15 : コネクト / 紡木こかげ、兎咲ミミ
M16 : ビッグドリーマー / 夢野あかり
M17 : ロキ / 空澄セナ、夜乃くろむ
MC : 猫汰つな、空澄セナ、甘結もか
M18 : 適材適所ワンモアトライ! / 猫汰つな
M19 : くりてぃかる ぷりちー / 兎咲ミミ、小森めと
M20 : Next Page / 甘結もか
M21 : RE:I AM / 夜乃くろむ、小雀とと
M22 : Momentary Light / 空澄セナ
M23 : ヒカリ証明論 / 胡桃のあ、蝶屋はなび
MC : 胡桃のあ、兎咲ミミ
M24 : for Victory! / Day2 ALL CAST


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《Okano》

「最高の妥協点で会おう」 Okano

東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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