2026年7月2日(木)、株式会社コナミデジタルエンタテインメントより『がんばれゴエモン大集合!(以下、大集合!)』が発売となります。本作はこれまでなかなか移植が実現しなかった作品を多く含む、ファン待望の『がんばれゴエモン』シリーズ13作品の豪華なコレクション作品です。
今回Game*Sparkは本作のプロデューサーである、上野亮作氏とのメールインタビューの機会を頂きました。上野氏は、昨年7月8日発売された『グラディウス オリジン コレクション』でもプロデューサーを務められています。
スタッフが自ら遊んで感じた「遊びやすさ」の必要性がコンセプトに
――『がんばれゴエモン大集合!』における、移植のコンセプトはどのようなものですか。
上野:『がんばれゴエモン』シリーズは、これまで他機種への移植があまり行われてこなかったタイトルで、任天堂バーチャルコンソールで一部が提供されていたものの、そのサービスも終了してしまいました。結果として、現行のゲームハードでは遊べる環境がない状態が続いていました。
シリーズ40周年が近づくなかで、「これは何とかしなければ」という思いから本企画を立ち上げました。
(私が『がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝』(以下、『外伝2』)、『がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻』(以下、『ゆき姫』)、『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』(以下、『マッギネス』)を現行機で遊びたかったという理由もあるかもしれません)

今回コレクションを制作するにあたり、改めてオリジナル版を遊び直してみて、「当時の自分はよくこれをクリアできたな……」と感じる場面が正直かなりありました(笑)。たとえば『マッギネス』の竜神湖のステージなどは、その代表例ですね。すごいですよね、子供時代の執念というかパワー。
そこで今作では、巻き戻し機能やクイックセーブ・ロードを前提とした“今の時代のゴエモンの遊び方”をまず実現したいと考えました。当時だからこそ挑戦できた難易度やボリュームがあったと思いますが、それをそのまま今のプレイヤーに求めるのは、当時のプレイヤー自身も年を重ねているので……(自分も含めて)。
また、今回制作をエムツーさん(筆者注:有限会社エムツー。オールドゲームの移植を多く手掛ける会社)にお願いしているのですが、どうしても入れてほしいとお願いしたのが、外伝1・2(※筆者注 シリーズではやや珍しいRPG作品)のターボ機能です。テンポが大きく改善され、かなり遊びやすくなったと思います。あわせて連射サポート機能も搭載していますが、実は今回この機能のおかげで、初めて『がんばれゴエモン 黒船党の謎』(以下、『黒船党の謎』)をクリアできました。
開発中にスタッフ全員で「黒船党チャレンジ」をしたのですが、誰ひとりとしてクリアできなかった、という思い出もあります(笑)。

各ROM、特にスーパーファミコンタイトルの再現度については、「処理落ちも含めた完全再現」を目指すというより、全体として遊びやすさを優先する方向で調整しています。また、収録ROMは基本的にバグフィックスが行われた最終版を使用しているため、いわゆるRTAでよく使われるバージョンとは異なります。
RTAは実機で遊んでこそ、という側面もあると思いますので、そこは役割分担というか、共存して楽しんでいただければと思っています。
シリーズから厳選され収録される傑作たちについて
――『きらきら道中』は4人で様々なミニゲームが遊べるタイトルとして、当時友達の家で大変重宝していました。今回のコレクションでも4人プレイができるようで大変楽しみです。オフラインマルチプレイの実装についてコメントやエピソードがあれば教えて下さい。
上野:動作確認やチェックのために、当時のロムカセットやコントローラー、スーパーファミコン本体を用意し、久しぶりに倉庫からマルチタップを引っ張り出しました。
ちょうど横で『スーパーボンバーマン コレクション』の制作も進んでいた時期だったので、同じスーパーファミコン環境を交互に使いながら検証していて、なんだかとても懐かしい気持ちになりましたね。

――今回の『大集合!』では初移植となる貴重なタイトルが多く存在します。『がんばれゴエモン きらきら道中』(以下、『きらきら道中』)、『それ行け♥エビス丸 からくり迷路 消えたゴエモンの謎!!』(以下、『それ行けエビス丸』)、『がんばれゴエモン 天狗党の逆襲』(以下、『天狗党の逆襲』)『がんばれゴエモン 星空士ダイナマイッツあらわる!!』(以下、『ダイナマイッツ』)の4つです。これらはどのように選定されたのでしょうか。
上野:最初は、ファミコン初代と2作目、そこにスーパーファミコンの4作品を収録する、という比較的シンプルな構成でした。
ただ、エムツーさんと一緒に企画を詰めていくうちに、いつものように(?)どんどん話が膨らんでいきまして、まず『外伝1・2』が追加され、『それ行けエビス丸』、ゲームボーイの『がんばれゴエモン さらわれたエビス丸』、さらにプチ目玉として『星空士ダイナマイッツあらわる!!』も入れよう、となり……。

ここまできたら『黒船党の謎』と『天狗党の逆襲』も入れたいよね、という流れです。シリーズとしての幅や時代の流れをまとめて体験できる形にしたい、という思いで現在のラインナップになりました。ただ、『がんばれゴエモン もののけ道中 飛び出せ鍋奉行!』は、同年に発売したN64タイトル『ゴエモン もののけ双六』との連動要素があるため、本シリーズ作品ではあるものの、今回は収録しませんでした。
ちなみに私が今回の制作で一番プレイしたのが『外伝2』『ゆき姫』『ダイナマイッツ』になります。特に『ダイナマイッツ』は開発ロムが更新されるたびにいちからフルコンプリートまでやってました。後半はもう業務ではなく、空き時間の趣味になっていたように感じます(笑)。

――当時の取扱説明書を閲覧できるモードが搭載されているとのことですが、これらの資料を収集・デジタル化する過程で苦労された点や、発見があれば教えてください。
上野:取扱説明書については、比較的きれいな状態で会社の倉庫に保管されていたものがありましたので、実はそれほど苦労はなかったかもしれません。
改めて見返すと、当時ならではのデザインや言い回しも多く、資料としてもなかなか味わい深いものだと感じました。

――最後に、長年ゴエモンシリーズを待望してくださったファンの方々へメッセージをお願いします。
上野:長い間ゴエモンを待ち続けてくださった皆さん、本当にありがとうございます。自分自身も一人のファンとして、「今の環境でもう一度遊びたい」という気持ちでこのコレクションを作りました。
当時は勢いと根性でクリアしていたゲームも、今あらためて遊ぶと新しい発見があったり、「よくこれクリアできたな……」と感心したりします(笑)。
シリーズを初めて遊ぶ方でも楽しめると思いますし、昔遊んでいた方でも「これはやったことがない」「この作品は触れていなかった」というタイトルもあると思います。そんな新しい出会いや再発見を楽しみながら、ぜひ自分のペースで、楽しんでいただけたら嬉しいです。
以上が、上野プロデューサーからいただいたメールインタビューです。発売は7月2日とまだ先ですが、豪華な内容だけでなく、遊びやすさを追求した数々の機能も大変楽しみです。特にRPG作品のターボ機能はユーザービリティの向上が著しいものと予想でき、ファンの一人として筆者も『大集合!』でのプレイが今から楽しみでなりません。
『がんばれゴエモン大集合!』はPC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ向けに7月2日発売予定です。




