『NTE』を遊んで実感した“好きなお菓子を少しずつ食べる”楽しさ─お手軽回避の爽快アクションや“異象”の作り込みを満喫【プレイレポ】

『NTE: Neverness to Everness』の正式サービスが始まりました。話題になっていた注目作は、どのような仕上がりとなったのか。製品版のプレイレポをお届けします。

ゲーム プレイレポート
『NTE』を遊んで実感した“好きなお菓子を少しずつ食べる”楽しさ─お手軽回避の爽快アクションや“異象”の作り込みを満喫【プレイレポ】
『NTE』を遊んで実感した“好きなお菓子を少しずつ食べる”楽しさ─お手軽回避の爽快アクションや“異象”の作り込みを満喫【プレイレポ】 全 15 枚 拡大写真

■都市型オープンワールドが生む“日常と非日常”

『NTE』のもうひとつの柱が、都市生活を体験できるオープンワールドです。ヘテロシティはエリアの区切りが少なく、自由に移動できる広大なフィールドとして構築されています。

海辺を走ったり、花が咲き誇る場所を眺めたり、高所から街並みを見渡したりと、あてもなく散策するだけでも様々な発見に出会えます。

徒歩移動だけでなく、車やバイクによる移動も可能ですし、散策に興味がなければファストトラベルもあります。プレイスタイルやシチュエーションに合わせて、こうした移動手段を使い分けができるのも、嬉しい点のひとつです。

また、探索の魅力は景観だけに留まりません。育成素材の収集やイベントの発見に加え、街中で突発的に“異象”やトラブルに遭遇することもあります。そうした平穏な日常の中に、突如として非日常が入り込む構造が、都市型ならではの没入感を生み出しています。

そして、“異象”の対処方法が一様ではない点も、興味深く感じました。単純にバトルで解決する場合もありますが、別世界に飛ばされて法則を読み解いたり、事故の映像を巻き戻して原因を追究するなど、初日のプレイだけでも様々な“異象”に出会いました。

それぞれの“異象”に相応しい対処法を用意するのは、おそらくかなりの手間だったろうと思います。すべてをバトルで片付けるようにすれば、開発する上で楽なのは確かでしょう。

しかし、バトルだけで解決してしまえば、“異象”は「単なる敵」という認識になりかねません。力押しで解決できる現象に、謎めく不可解さを覚えるのは困難でしょう。

あえて手間をかけ、様々な対処法を表現したことで、超常現象である“異象”の異常性や奥深さが際立ち、特別な存在として感じられたのだと思います。日常に潜む非日常感を、手間をかけて丁寧な手法で描いた点にも、好感を覚えました。

■『NTE』で味わった“ちょっとずつ食べたい”プレイ感

プレイを通じて、アクションの快適さと“異象”の豊かな表現、そしてこうした要素を支える都市型オープンワールドの広がりを強く感じました。こうした魅力を持つ一方で、気になる点も皆無ではありません。

まず、設定面で独自要素が多いだけでなく、システム面の情報量もかなり多く、把握するだけでも時間がかかります。また、UIも階層構造が複雑で、慣れるまでは操作に戸惑います。これは「できることの多さ」の裏返しとも言えますが、負担が大きいのも事実です。

そのため『NTE』は、一気に消化してしまうより、毎日少しずつ楽しむスタイルがいいかもしれないと、個人的に感じました。いきなりオープンワールドの全域を探索しようと思ったら、時間もかなりかかる上に、調べ尽くした後の世界は味気なく感じてしまう恐れがあります。

知りたいと思う気持ちに間違いはありませんが、情報や世界を最初に食らい尽くしてしまうより、『NTE』に詰め込まれた刺激を少しずつ味わっていくのが、ちょうどいいバランスかもしれません。

例えるなら、詰め合わせのお菓子をちょっとずつ食べたり、毎日アドベントカレンダーを開けるようなスタイルだと、本作の魅力をより実感しやすいでしょう。


『NTE』は、爽快なアクションと都市探索、そして“異象”という独自要素を組み合わせた意欲的なタイトルです。また、今はサービス開始直後なので、今後のアップデートによってさらに進化していく余地も感じられます。

今回お伝えした実感は、あくまでひとりのプレイヤーが感じた意見に過ぎません。一気に駆け抜けるのも刺激的で楽しいと思いますし、自由度の高さが『NTE』の特徴でもあります。それぞれのプレイスタイルが、異なる楽しみ方を教えてくれることでしょう。

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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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