『学マス』The 2nd Period H.I.F選抜試験 1日目──初の3DCGリアルライブ、初星学園の頂点をかけた戦いが幕張で【ライブレポート】

2026年5月16日(土)、千葉・幕張メッセイベントホールにて、『学園アイドルマスター』の大型ライブイベント「学園アイドルマスター The 2nd Period H.I.F選抜試験(セレクション)」の初日公演が開催されました。

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『学マス』The 2nd Period H.I.F選抜試験 1日目──初の3DCGリアルライブ、初星学園の頂点をかけた戦いが幕張で【ライブレポート】
『学マス』The 2nd Period H.I.F選抜試験 1日目──初の3DCGリアルライブ、初星学園の頂点をかけた戦いが幕張で【ライブレポート】 全 19 枚 拡大写真

2026年5月16日(土)、千葉・幕張メッセイベントホールにて、『学園アイドルマスター』(以下、学マス)の大型ライブイベント「学園アイドルマスター The 2nd Period H.I.F選抜試験(セレクション)」の初日公演が開催されました。

一番星(プリマステラ)の栄冠をかけて初星学園の生徒たちが火花を散らすH.I.F(初星学園アイドルフェスティバル)ーーアイドル科に所属する雛鳥たちの激戦が、ついにこの日幕を開けました。今回の公演は、『学マス』にとって初となる3DCGキャラクターによるリアルライブという点でも大きな注目を集めており、会場には期待に胸を膨らませたプロデューサーたちが詰めかけていました。

初日のステージに立ったのは、高等部アイドル科1年生の花海咲季、倉本千奈、篠澤広、花海佑芽。そして3年生の有村麻央、姫崎莉波の計6名です。司会進行は初星学園生徒会執行部から、会長・十王星南、副会長・雨夜燕、会計監査・秦谷美鈴の3名が担いました。

果たして、最高の演出とパフォーマンスが織りなした2時間はいかなるものだったのでしょうか。その熱狂の模様を、インサイドでは少し違った角度から掘り下げていきたいと思います。

近年「アイドルマスター」シリーズで行われるようになった3DCGを使ったxRライブ。2025年11月には『アイドルマスター シンデレラガールズ』xRライブ「CINDERELLA GIRLS fes. Once Upon a St@rs」が開催され、今年に入ってからは「アイドルマスター」如月千早が1月24日、25日に日本武道館単独公演「OathONE」を開催しました。


実はこの2つのライブ、前者は「アイドルマスター」xRライブ史上"最大規模""最多出演者数"を誇り、後者は日本の音楽シーンの聖地でのソロライブという、それぞれ重要なライブとなっていました。筆者は如月さんのライブレポートを執筆し、ライブ後彼女にインタビューもさせていただきました。


2024年3月に菊地真と萩原雪歩によるライブ「はんげつであえたら」からスタートした「アイドルマスター」シリーズによる3DCGを使ったxRライブは、すこしずつ同じシリーズ内に浸透し、いまではアイマスプロデューサーのなかでもライブ形式のひとつとして知られるようになっています。

こういった"キャラクターライブ"と言われる手法は、2010年代中頃からボーカロイドの初音ミクで見られるようになったのを契機に、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』『あんさんぶるスターズ!!』「ヒプノシスマイク」『プリンセスコネクト!Re:Dive』といった作品においてキャラクターライブが開催され、ほかにも「サンリオ」関連でのライブや『グランブルーファンタジー』のフェスでスペシャルキャラクターライブとして披露されてきました。

いわゆるキャラクターソングを披露するといえば、そのキャラクターを演じる声優さんが実際にライブステージに出演し、歌唱やダンスを披露するのが一般的でした。ですが2010年代後半には技術力の進歩により、3DCGを活かして"キャラクターのビジュアルや動き"をも再現、「キャラクターがキャラクターソングを披露できる」ようになりました。

こういった3DCGライブでは、作品やコンテンツから外れたスペシャル/エクストラな演出やステージになることが多々あります。例えて言えば、『グランブルーファンタジー』のフェスでキャラクターライブが行われても、それが本編作品のなかで中核に置かれることはまずない、ということです。

それはこれまでの「アイドルマスター」シリーズにおけるxRライブでも同じで、それぞれのアイドルやユニットが自身のイメージに即したスペシャル/エクストラな内容で開催しても、作品のなかで共有されるコアたる部分には即しないライブも多くありました。

ですが、今回のライブ「学園アイドルマスター The 2nd Period H.I.F選抜試験」は、様相がまったく異なります。それはオープニングのMC3人による説明で容易に掴むことができます。

これまで同作品ではプレイヤーができるシナリオとして、サービス当初に実装された定期公演「初」、次代を担うアイドルの頂点を決める「NEXT IDOL AUDITION」に出場・優勝を目指す「N.I.A」があり、このライブ当日である5月16日に新シナリオ「H.I.F」の3つのシナリオが加わりました。

今回のライブ「H.I.F選抜試験」は、この最新シナリオに準じたライブ内容となっており、これまで『学マス』のストーリーのなかで重要視されていた"一番星(プリマステラ)"を決める「Hatsuboshi IDOL FESTIVAL」に挑む権利を得るための、大事な試験の場として開催される形となっています。

育成ストーリーのなかでもライブを披露することはあれど、ストーリー上でも重要な試験をキャラクターライブとして表現する、それが本公演の意義になります『学マス』の物語が実際の会場として表現され、私たちプロデューサー……観客たちはそこに関わり、巻き込まれるような構図といえます。ストーリー進行にも関わるような核たる部分をうまく抜き出し、キャラクターライブとして現出される内容は、とても斬新ではないでしょうか。

まさに"ストーリーを経て成長した彼女たち"によるライブアクトとなるわけですが、花海咲季、倉本千奈、篠澤広、花海佑芽、有村麻央・姫崎莉波の6名がソロパフォーマンスを披露し、それもそれぞれ2曲のみとなっています。

キャラクターライブであればもっと楽曲を歌わせて、3時間近いライブを開催しても良いはず。しかし"選抜試験"という形式に則ったからこその2曲縛りは、作品性や世界観を訴えるには十二分です。


さて、『学マス』をプレイしているコアなファンのなかには、本作の再現性・演技性のこだわりについて知っている方も多いかと思います。

そのなかでも有名なのは、各アイドルが育成に応じて歌唱が上手になり、各々の歌い方のクセがより強くなる、といった話です。育成の初期段階ではヘタだった歌やダンスが、最後の局面では比べるまでもなく上手くなっているという前例のない手法は、当時のゲームメディアで大いに話題になり、ゲーム開始当初からプレイしているプロデューサーであればみなご存知の情報ではないでしょうか。


いくつかのメディアのインタビューなどでも、「技術的にスキルが追いついていない歌唱を行うように」というゲーム内の演技ディレクションが行われたと明かされています。この日のライブはそんなストーリーの一部として描かれているわけで、今回のライブではこんなディレクションが行われたのではないでしょうか。

「選抜試験に向けた最終局面。緊張する気持ちもありながら、明らかに上手になった歌とダンス、なによりその子らしさ溢れるパフォーマンスを披露しよう」

1番手には花海佑芽、2番手には篠澤広が登場し、前者がパッション全開で弾むように歌って踊ったかと思えば、後者はあの細く透き通りそうな声色で会場を揺らめかせていきました。調子っぱずれな音程でもなければ、体力が無くなってヘトヘトになるような、そんな様子はあまり感じさせません。"成長した自分自身"を、前半からアリアリと見て取ることができました。

とはいえ、この日最大のハイライトはやはり花海咲季です。激しいエレクトロなサウンドと重いビートを駆使したK-POPライクな「Boom Boom Pow」「Fighting My Way」で、キレッキレのダンスを披露していきます。あれだけ踊っていれば多少ボーカルがブレる瞬間もありますが、煽り方やフェイクの入れ方も普段とは違い、ハイテンションぶりがしっかりと伝わってきました。

こういったライブを見る際に、「すでに制作されたものを再生しているだけ」と勘違いしている方が多いかと思いますが、少なくともこの日のライブはまったく違います。原曲やゲーム中に見せていたボーカルやダンスとは異なっていて、"ライブ感"が非常に高くなっていました。なによりゲームと違うのは、現地照明・ライティングとのマッチ具合です。

特に咲季のパフォーマンスでは、大型スクリーンで描画された3Dステージのライティングと現地会場のライティングが見事にシンクロしていました。フラッシュ(ストロボ)ライトの激しい明滅から彼女へピンスポットが当たるという演出がバチッとはまり、歌い終えた瞬間、あまりのオーラと演出に多くの観客が気圧されてしまったのか、会場が一瞬静寂が包まれていたほど。

花海咲季が目指し、もしくはイメージしていた"強者"感あるライブが、この幕張メッセにおいて花開いたのでした。仮に初日のH.I.F選抜試験で合格者を出すならば、彼女を置いて他にいなかったように感じたほどです。

ストーリーの最終局面で仕上がったアイドルたちが、緊張の面持ちでステージ演出に彩られながら良いパフォーマンスを見せる、それは後半戦になっても変わりませんでした。隠しきれない姉っぽさや愛らしさをフルマックスに表現した姫崎、ダンサブルな楽曲で自分らしさを歌い上げた有村、スローな動きから幼気さとしたたかさが共存した歌声を響かせた倉本、個々人ができうる限りの最高のパフォーマンスをみせました。

ライブ後半では「エキシビジョンライブ」と題し、この日出演した6人がコラボするステージがスタート。咲季と佑芽による「SUPREMACY」のアッパーなサウンドとキレのあるダンス&ボーカルで、作中で描かれている花海姉妹が持っている巨大な才能を改めて感じさせてくれました。

篠澤、倉本、佑芽での「Let's GO!! ICHI-NO-NI!!」では、途中まで3人で歌唱していたところ、ラストのサビでステージ横から1年2組のクラスメイトである秦谷をつれて、原曲通りに4人で歌唱するというサプライズ。この日聴けないのか、と思わせていたところから4人で歌い出した瞬間、会場は割れんばかりの歓声で4人を迎え入れました。

さて、6名のステージが幕を閉じたとき、このライブが持つ意味の射程の長さ・深さを改めて感じました。

3DCG技術によって"本物らしさ"の追求にとどまらず、一人のキャラクターを通して漂ってくるヒューマニズムやメッセージをより立体的に捉えさせることにつながり、H.I.F選抜試験というライブ形式を通して在籍メンバーの熱量やメッセージをしっかりと受け取っていくようになっていました。

未熟さも緊張も成長もすべて内包した6人のパフォーマンスは、『学マス』が一貫して描いてきた"過程の美しさ"のなかで育まれたもの。ゲーム内のストーリーラインを、技術力・演技性を使って幕張メッセのライブ会場までつなげて表現するという試みが、実を結んだ素晴らしい内容でした。ゲーム体験を音楽ライブへと拡大化・現実化したと、言い換えていいでしょう。

ライブが終わり、客電がついたあと、「本日の試験結果は、明日メールにてお知らせします」と館内アナウンスされると、会場内にどよめきが起こりました。創作と現実がひとつなぎとなった本日の公演、本作品を知っているひとならば見逃してはいけないライブといえるでしょう。

セットリスト「学園アイドルマスター The 2nd Period H.I.F選抜試験(セレクション)」1日目公演

01 つよつよ最強エクササイズ
02 The Rolling Riceball
03 メクルメ
04 コントラスト
05 Boom Boom Pow
06 Fighting My Way
07 clumsy trick
08 L.U.V
09 Feel Jewel Dream
10 Fluorite
11 ときめきのソルフェージュ
12 Wonder Scale
13 キミとセミブルー
14 SUPREMACY
15 ミラクルナナウ(゜∀゜)!
16 Let's GO!! ICHI-NO-NI!!
17 標
18 ガラクタロード


Hatsuboshi Gakuen Remix Album 「ReCollection」vol.1 - 初星学園
¥3,500
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《草野虹》

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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