『パワプロ2026』に「チェコの兼業選手」が登場!ヨーロッパ諸国の野球熱を伝えるゲームに大進化

6月11日に発売された『パワフルプロ野球2026-2027』(以下『パワプロ2026』)には様々な新要素が加わっています。その中で特に注目されているのが、WBCモードです。

ゲーム コラム
『パワプロ2026』に「チェコの兼業選手」が登場!ヨーロッパ諸国の野球熱を伝えるゲームに大進化
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6月11日に発売された『パワフルプロ野球2026-2027』(以下『パワプロ2026』)には様々な新要素が加わっています。その中で特に注目されているのが、WBCモードです。

プレイヤーは日本代表チームを操作してWBCを勝ち抜いていきますが、これは当然ながら日本代表選手だけでなく各国代表選手が収録されていることを意味します。驚くべきことに、チェコ代表の選手までもがパワプロに登場しています。これがなぜ「驚くべきこと」なのかは、詳しく後述したいと思います。

野球はアメリカ生まれのスポーツで、日本では独自の発展・進化を遂げました。しかし一方で、この競技は我々から見れば実に意外な国で盛んにプレイされていたりもします。その様子を、『パワプロ2026』をプレイしながら覗いていきましょう。

◆「兼業選手」が大半のチェコ代表

日本人の野球熱は、今や国外にも広く知られるようになっています。

戦前は中等高校野球大会(現在の高校野球)と六大学野球が、1950年代後半からはプロ野球が「スポーツの花形」となり、様々なスター選手が登場しました。その中でも、長嶋茂雄選手は日本史に刻まれるほどの名プレイヤーです。

日本野球は戦前から「アメリカに追いつけ、追い越せ」を掲げ、現在ではそれが実現してしまいました。大谷翔平選手の大活躍は、平日朝の出勤前の我々を大いに励ましてくれます。

他方、日本とアメリカ以外の国に目をやると、競技としての野球は案外広く普及していることが分かります。

筆者がインドネシアに長期滞在していた頃、現地のとある大学で野球の練習を見学したことがあります。話を聞いてみると、どこの大学でも野球とソフトボールは割とポピュラーな競技だとか。ただし、ここで言う「ポピュラー」とはプロスポーツとしての野球が盛んという意味ではありません。日本人にとってのラクロスやアメリカンフットボールと同じような、いわゆる「カレッジスポーツ」としてそれが行われているという意味です。

野球が大学のグラウンドで留まっている国と、それがプロ競技となっている国。どちらの代表チームがより高レベルかと問われると、やはり後者を挙げざるを得ません。しかし……いや、だからこそセミプロリーグしかない国の代表チームが完全プロで固めた国の代表チームと競り合う場面がサクセスストーリーとして大注目されます。

『パワプロ2026』ではチェコ代表の選手が実装されていることは上述の通りですが、彼らの大半がセミプロ、つまり普段は別の仕事をしていることに目を向ける必要があります。投手のオンドジェイ・サトリア選手の職業は、電力会社の社員です。その他、消防士やグラウンドキーパー、会計士など、ごくごく普通の勤め人が代表選手に選出されています。

◆ヨーロッパ諸国の「野球資源」

一方、同じヨーロッパの国でもオランダは日本に匹敵するプロ野球大国です。

実は、オランダ代表選手の多くがカリブ海領土出身。オランダ領アルバやキュラソーは、数多くのメジャーリーガーを輩出しています。キューバやプエルトリコといった国・地域がそうであるように、カリブ海エリアは野球が盛んです。

日本のプロ野球チームに所属し、大活躍した選手もいます。90年代にロッテとヤクルトに所属していたヘンスリー・ミューレンス選手は、日本では「ミューレン」という登録名でプレーしました。野村克也監督お気に入りの外国人選手で、現役引退後は指導者になり、オランダ代表チームの監督も務めたことがあります。

そのオランダ代表のヨーロッパでのライバルは、イタリア代表。こちらも意外に思えますが、よく考えてみるとアメリカには多くのイタリア系市民がいます。WBCの大会ルールでは選手の両親の国籍や永住権も考慮されるため、本人はアメリカ人でもイタリア代表への参加資格があるメジャーリーガーが多数存在します。

2023年のWBCでイタリア代表チームの監督を務めたのは、かつてロサンゼルス・ドジャースで野茂英雄選手とバッテリーを組んでいたマイク・ピアッツァという人物。筆者が小学生の頃の大スターで、野茂選手の勝利をバットとキャッチャーミットで引き寄せた名捕手です。こうした具合に、イタリアは良質の「野球資源」を確保している国だったりします。

◆「国際化」を目指すパワプロ

『パワプロ2026』は、海外代表チームに目を向けたことによりある種の「脱皮」を迎えたと評価するべきではないでしょうか。

このゲームのタイトルは『パワフルプロ野球』ですから、当然ながら日本のプロ野球を題材にしています。しかし、プロ野球そのもののレベルが第1作目『実況パワフルプロ野球'94』の時代から大きく進歩しています。大谷翔平選手、山本由伸選手の大活躍はアメリカでも連日大きく報道され、同時に彼らを育てた日本の「野球環境」に大きな注目が集まっています。

その現象に合わせて、『パワプロ』自体がある種の「国際化」に踏み切ったと解釈すべきではないでしょうか。

サッカーのゲームでは、世界各国の選手を自由自在に操作できることが当たり前になっています。野球のゲームもそうなっていくはずで、そのような進化の分岐点に『パワプロ2026』があると考えることができます。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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