2026年で14周年を迎えるスマートフォン向けタワーディフェンスゲーム『にゃんこ大戦争』。可愛らしく、少しシュールな「にゃんこ」たちが印象的な本作は、今なお大人から子どもまで幅広い世代に愛され続けています。
今回は、東京にある江戸オフィスにグッズショールームが開設されたことをきっかけに、『にゃんこ大戦争』の歩みを改めて振り返るメディア向けセミナーが開催されました。セミナーではポノスのCOO兼開発部長・佐野星一郎氏が登壇し、近年注力しているIP展開の取り組みや今後の展望について語りました。本稿では、このメディア向けセミナー会の様子をお届けします。
◆国境を越えて人気を博す『にゃんこ大戦争』の成長
冒頭、佐野氏が『にゃんこ大戦争』誕生の経緯を紹介しました。本作はもともと、スマートフォンが普及する以前の「ガラケー」向けに開発されたゲームで、「隣の人を笑わせたい」というシンプルな思いからスタートしたそうです。

当時、隣の席にいたデザイナーを笑わせるために描かれたのが、おなじみのキャラクター「キモネコ」。それを見た同僚が「これめっちゃおもろいやん」と反応したことをきっかけに、そのままゲーム化へとつながったといいます。つまり、メインキャラクターであるネコよりも先に、「キモネコ」から『にゃんこ大戦争』の原点となるキャラクターが誕生していたのです。

その後、『にゃんこ大戦争』は2012年のスマートフォン版リリース以降、毎月約100万ダウンロードというペースで成長を続け、2026年3月には全世界累計1億1111万ダウンロードを突破。現在は世界166カ国で配信されており、言語別のダウンロード割合は英語版が約51%、日本語版が約29%、繁体字版や韓国語版がそれに続くなど、国境を越えて愛されるゲームへと成長しました。

このグローバル展開を支えているのが、ポノスならではのインハウス体制です。エンターテインメント業界では複雑になりがちな権利関係を社内に集約し、開発や運営に必要なリソースも自社で抱えることで、スピーディーな展開をできています。
◆「面白いエンターテインメント」ために展開する4つの主力事業
現在ポノスでは、「ゲーム」「プロモーション」「MD(マーチャンダイジング)」「ライツ」の4つを主力事業として展開しています。

「プロモーション」事業では、全国を巡回しているリアルイベント「にゃんこ大戦争展」に加え、台湾での常設店や飲料メーカー「光泉」とのパッケージコラボ、英語版で実施した某ハリウッド映画をオマージュした「ミッション・インパウシブル」キャンペーンなどの事例が紹介されました。

MD事業では、自社ECサイト「にゃんこ大商店」の運営や、全国各地で開催しているポップアップストアを紹介。カプセルトイや一番くじをはじめ、アパレルや知育絵本まで幅広いアイテムを展開しており、2025年には約800個のアイテムをリリースしたとのことです。

ライツ事業では、飲食、交通、行政など多岐にわたるパートナーとのコラボレーションを紹介。お好み焼きチェーン「ぼてぢゅう」とのコラボメニューの提供や、「小田急」とのデジタルスタンプラリー、神奈川県庁による消費者ホットラインの啓発活動など、さまざまな形で「にゃんこ」が活用されている様子が紹介されました。

こうした4つの事業について、佐野氏は「これらは会社内の単なる区切りに過ぎない」と強調。ゲームを遊んだユーザーがグッズを買い、そこからさらにゲームへの没入感を高めるといったように、すべての事業が連動して「面白いエンターテインメントを届ける」というミッションに向かっていると語りました。

今後の展望として佐野氏は、進化させるべきものとして、多様化するユーザーのエンターテインメント体験に合わせて「届け方」をアップデートしていくとし、AIの発展やライフスタイルの変化に合わせ、ゲームやグッズにとどまらず、新たな形で「面白いもの」を届ける挑戦を続けていくと説明しました。
2027年に『にゃんこ大戦争』が15周年を迎えることから、ポノスならではの方法でこの大きな節目を祝うための企画を絶賛仕込み中とのこと。次はどのような"面白いこと"を仕掛けてくるのか、今後の展開にも期待が高まります。










◆『にゃんこ大戦争』海外人気の理由は?メディア合同インタビューの模様をお届け
――『にゃんこ大戦争』が現在でも毎月100万を超えるダウンロード数を継続していることに大変驚きました。この数字の原動力としては、やはりグローバル対応が大きな理由になっているのでしょうか?
佐野氏:グローバル対応は一部の要因であるとは思いますが、大きな理由としては自分たちの面白いものがエンタメとして評価されていることだと思います。ポノスはオーナーが所有している会社なので、インハウスで様々な物を持っていますし、多種多様な要素が複合的に重なって達成できている目標だと考えています。
――海外で特にトレンドの兆しがある地域はありますか?
佐野氏:メディアのプロモーションに力を入れている北米にくわえて、昨今スマートフォンゲームの経済発展が盛んな東南アジアなどでユーザーの増加が観測できています。
――「Nintendo TOKYO」のような、自社の単独の常設店を設ける予定はありますか?また、常設店ができるほど台湾で人気を集めている理由があれば教えてください。
佐野氏: 日本での自社の常設店については、過去にお話を頂戴したこともありますが、時期的な問題や立地の観点などで、まだ少し早いのではないかという判断で現在は見送っています。
台湾は日本や英語圏と比べると市場規模は大きくありませんが、ゲームとして愛していただいており、ファンの熱量が非常に高いので、結果として常設店のような取り組みにつながっています。

――年間800以上のアイテムを展開しているとのことですが、その中でも特に売れているジャンルや商品があれば教えてください。
佐野氏:一番売れているのはぬいぐるみだと思います。ただ、時期によっても異なり、ゲームの中やCMににゃんこレンジャーが登場すると、どうしてもグッズを集めたくなりますよね。我々が推していこうとする製品開発によってもグッズの売れ行きは変わってきますし、タイミングに応じて商品企画を行い、SKUを増やしていくといったような流れになっています。
――北米などで意外な反応を得ているような事例はありますか。
佐野氏:北米については、まだ私たちの取り組みが少し出遅れている部分があり、十分な数の商品を現地のファンの皆さんに届けられていないのが実情です。そのため、日本やアジア地域ほど十分なデータはまだ集まっていません。
今後は北米、カナダ、メキシコなど、それぞれの文化や特性を踏まえながら、どのような商品が求められているのかを探っていく段階だと考えています。
――テレビ以外の他メディアへのアプローチや今後の展開についてはどのように考えていますか。
佐野氏:テレビCMは代表的なマスメディアとして、主要なキャンペーンのタイミングで出稿しています。ただ、それだけではなく、かなり多角的なメディアプランニングを行っています。
デジタルの運用型広告も展開していますし、デジタルとマス、OOH、さらにはMDとの連動まで含めて、緻密に計画しながら施策を進めています。
近年はテレビCMの影響力に変化があるという認識は持っていますが、それでも日本では一定の影響力はあると考えています。現在はオンデマンド配信サービスなども含め、複数のメディアを組み合わせながらアプローチをしているという実態になっています。
――『にゃんこ大戦争』がタワーディフェンスゲームとして世界共通で受け入れられている、その「面白さ」はどのように感じていますか。
佐野氏:タワーディフェンスゲームというジャンルにおいて、『にゃんこ大戦争』のポジショニングは非常に競争力が高いと考えています。
プロモーションやMDなどさまざまな展開をしていますが、大前提として、ゲーム自体が面白くなければ成り立ちません。
約14年間にわたり世界中で遊んでいただき、それぞれ風習や文化が異なる国々でも継続してプレイされているということは、「ゲームとして面白い」と思っていただけていると感じています。

ゲーム、プロモーション、MD、ライツと、あらゆる事業を連動させながらIPを育ててきた『にゃんこ大戦争』。14年間変わらない「面白いものを届ける」という理念を軸に、15周年を迎える2027年にはどのような驚きを見せてくれるのか、今後の発表に注目が集まります。


