空に浮かぶ島々を巡る「騎空士(きくうし)」となり、仲間たちとともに冒険を続ける本格スマホRPG『グランブルーファンタジー』。本作はゲーム内の物語だけでなく、毎年恒例の大型オフラインイベント「グラブルフェス」にも大きな注目が集まっています。そして、そのフェスのステージに立つ「オフィシャルキャスト(OC)」の存在は、今や欠かせないものとなっています。
OCは、公式衣装を身にまとったコスプレイヤーでも、作品PRのためだけに登場する出演者でもありません。彼らに託されているのは、「キャラクターが3次元の世界に現れ、いまこの会場で生きている」という状態を、フロアの隅々にまで行き渡らせることです。
一度きりのステージに全力のパフォーマンスをぶつけ、会場内の各地、いわゆる“平場”では一瞬たりとも素に戻らず、殺陣・ダンス・楽器演奏まで駆使してキャラクターの人生をなぞっていきます。その背景には、役者・ダンサー・モデルといった多様なキャリアと、キャラクターと演者の間に生まれる不思議な「シンクロ」があります。
本稿では、名古屋・仙台・大阪会場で開催される「グラブルEXTRAフェス2026」の最中から、そんなOCの魅力を、「3次元に生きるキャラクター」「一発本番の熱量」「平場のパフォーマンス」「複数の技術の融合」「キャラと演者のシンクロ」「隠れた演技の仕掛け」「毎フェスごとの進化」という7つの切り口で紐解いていきます。次のフェスで彼らの姿を目にするとき、あなたの視界には、きっとこれまでとは違うグラブルの世界が広がっているはずです。
今回は、シエテ役のTOMMYさん、ヴァルフリート役の久保龍一さん、シス役の五十嵐遼さん、サンダルフォン役のえぃむさんの4人にお話をうかがいました。
◆OC紹介




◆OCの仕事とは?
――『グラブル』のイベントにおける、OCとはどんな仕事をしているのですか?

TOMMY:「キャラクターが3次元の世界に現れ、生きている」という前提でステージや平場に立つことが、いちばん大事な役割だと思っています。お客さんから見えた瞬間にもう、そのキャラクターとして存在していることが求められているんです。
たとえばシエテなら剣が大好きなので、会場にある剣を見たら「これはどんな剣か」を理解して、敵側の剣なら嫌そうな反応をしたり、自分の正義の剣なら誇らしげに見せたりする。キャラの価値観に沿って、その場の状況に対応し続けるのが仕事ですね。
◆コスプレとの違い:演じる仕事として
――OCのオファーを受けたとき、一般的なコスプレとの違いはどう感じましたか?

五十嵐遼:僕はもともと役者なので、「2.5次元舞台でキャラを演じる」お芝居の延長線上だと感じました。最初からこれは「コスプレの仕事」ではなく、「このキャラクターを100%演じてください」というオーダーだと捉えていました。メイク、衣装、小道具など専門スタッフの力を借りて、僕らがそこに「演技」を乗せることで初めて成立する。なので、自分が「コスプレをしている」という意識は今でもほとんどなくて、「ものすごく完成度の高い舞台用の役をもらっている」という感覚に近いです。

久保龍一:僕も同じです。役者として芝居をしている感覚が基本にあって、その上にコスプレ要素が乗っている感じです。特殊な仕事ではありますが、「役を演じる」という意味では普段の芝居と近いですね。
TOMMY:ベースの考え方は同じなんですが、2.5次元舞台よりも「コスプレ的なこだわり」がさらに強い仕事だと思っています。衣装や造形の再現度がものすごく高いし、ステージ以外の「平場」での立ち姿やポージングも、どこから写真を撮られても美しく見えるように意識し続ける必要がある。ポーズのシルエット、身体のライン、キャラらしい角度など、いわゆるコスプレイヤーが大事にしているポイントを、役者の芝居と同じくらい重視している感覚ですね。

えぃむ:僕はそもそも演技経験がほぼない状態で、この『グラブル』のオーディションが初めてでした。もともと『グラブル』も知らなくて、サンダルフォンというキャラもこの仕事をきっかけに勉強していったんです。だからなおさら「コスプレをする」という意識はなく、「そのものになる、一心同体になる」という感覚でやっています。
◆コスプレイヤーから学んだこと

――OCの中には、普段はコスプレイヤーとして活動している方もいると思いますが、そんな方々と一緒に仕事をする中で影響を受けたことはありますか?
五十嵐遼:ポージングのバリエーションや「見せ方」に関しては、コスプレイヤーさんは圧倒的に長けていると感じています。一緒に仕事をすることで、ポーズの考え方や写真映えする角度、仕事への取り組み方など、ものすごく勉強になっています。コスプレイヤーさんは自分でメイクをし、衣装も自作・調整する方が多いので、想像以上にすごい技術と情熱を持った人たちだと思いましたね。あとはアドバイスも的確で。
久保龍一:分かる!稽古の中でも、コスプレイヤー視点のアドバイスはかなり具体的で、僕らでは思いつかない動き方やモーションの付け方を教えてくれるんです。ポーズを「決める」だけでなく、その前後の動きまで含めて魅せる考え方は、とても参考になりますね。
TOMMY:僕はキャラクターを作るとき、そのキャラのファンやコスプレイヤーさんにかなり話を聞きます。「このキャラはこういう時何をしてほしい?」「このキャラはこういうことをしないよね?」といったことに対するユーザー側・コスプレイヤー側の目線はすごく参考になる。僕自身には持てない視点なので、ファンの目線からの意見をたくさん吸収して、キャラの仕草や立ち振る舞いに反映させています。グラブルのOCはいろんな「畑」出身のメンバーが合流している現場ですが、その中でもコスプレイヤーの視点はユーザーさんへの魅せ方を考えるうえですごく参考になりますね。
◆オーディションに受かったときの気持ち
――初めて『グラブル』オフィシャルキャストのオーディションに受かったとき、どんな心境でしたか?

えぃむ:当時は正直、この仕事の「ことの重大さ」をあまり分かっていませんでした。サンダルフォンがすごく重要なキャラだ、と言われてはいたんですが、最初はピンと来ていなくて。ただ、ステージに立つ回数が増えるたびに、会場の反応や原作のストーリーを通じて「本当にすごいキャラなんだ」と実感するようになっていきました。周りのキャストの熱量も高く、「このままだと自分だけ置いていかれる」「即戦力になるかも」という危機感もあって、とにかく必死に食らいついていった感じです。
五十嵐遼:僕はオーディションに全然受からない時期だったので、受かった瞬間は純粋に大きな喜びがありました。『グラブル』もCygamesもほとんど知らない状態から、「舞台のオーディションを受ける」つもりで挑んだんです。実は、最初の稽古に入った頃はすごく尖っていて……。でも回数を重ねるうちに、現場の仲間の技術や熱量を心から尊敬できるようになって、「負けたくない」という気持ちと「この現場に恩返ししたい」という想いが強くなりました。今も、年々進化していく現場だと感じながら稽古しています。

久保龍一:僕は当初オイゲンを志望してオーディションに行きました。資料にオイゲンがいて、当時の自分は髭も伸びていて髪も長く、「これは絶対に寄せられる」と思って、ポーズまで研究してから臨みました。その後しばらく間が空いてから、ヴァルフリート役を頂きました。「似ているから」という理由で決まった部分もあるようで、偶然が重なったご縁だと感じています。やっていくほど熱も入り、ゲームのシナリオに沿った表現をステージで体現できることが、とても楽しいです。
TOMMY:僕はもともとコスプレイヤーでもダンサーでも役者でもなく、普段は広告やカタログのモデルがメインの仕事でした。オーディションの話を受けた際、事務所に「この中からどのキャラが良い?」と聞かれて、自分では四騎士の中ならヴェインかジークフリートあたりだろうと思ってエントリーしたんですが、いつの間にかドランクになっていたんです(笑)。しかも、オーディション当日は前の仕事が長引いて少し遅刻してしまったので前のお仕事のビジネスカジュアルの衣装のまま入ったら、プロデューサー陣がうつ伏せになって笑いを堪えていて……(笑)後から聞いたら、「うさん臭さがドランクっぽかった」ことが決め手だったらしくて、偶然が重なってキャラと噛み合ったのだと思います。キャラを深堀りしていくと、演者はみんな本当に「そのキャラっぽい」部分を持っていて、毎回すごいなと感じています。
◆演じるうえで意識していること
――イベントやステージに立つとき、OCとして特に気をつけていることはありますか?

久保龍一:「やりすぎないこと」です。お客さんが喜ぶ表現であっても、キャラクターを生み出した原作側からすると「それは違う」というラインがある。平場でもアドリブが入るので、自分なりの解釈を膨らませつつも、原作の軸から離れ過ぎないように意識しています。
五十嵐遼:僕はダンスでも殺陣でも、「ダンサーっぽくなり過ぎない」ことを意識しています。同じ動きでも、重心の乗せ方や手の角度を変えるだけで「キャラっぽさ」が変わるんです。僕は演者へのダンス指導もしているのですが、教える側のときも、その「キャラ感」を意識して作り上げていくのが難しくて、毎回試行錯誤しています。
久保龍一:一度フリを完成させてから、キャラを入れて崩していく、っていうのが難しいよね。

五十嵐遼:そうそう。まずは振りの基本をしっかり作ってから、それを崩してキャラに近づけていくっていう手法で、この現場では振りを作り上げていっていますね。
TOMMY:原作サイド・お客さん・自分の三者が納得できるラインを探ることが重要だと思っています。ファンが喜ぶからといって一方向に振り切りすぎると、「作品としては違う」と言われてしまう可能性もある。「こういう表現をやってみたい」と思ったら、事前に相談して確認しながら進めるようにしています。
久保龍一:キャラクターの成長やゲーム本編の進行も踏まえて、「今のそのキャラならどう振る舞うか」をアップデートしていく意識があります。
五十嵐遼:人が変わったくらいの変化があるキャラもいるよね。僕もシスと共に丸くなりました(笑)。

えぃむ:サンダルフォンもシナリオが進むのに合わせて変わったキャラのうちの一人ですね。個人的に意識していることで言うと、僕は「一瞬でも素に戻らない」ことを徹底しています。まばたき一つ、表情一つで印象が変わるので、ステージ上でも平場でも、常にサンダルフォンとしての視線や表情を維持するようにしています。写真は連写されることも多く、その一瞬が「解釈違い」に見えてしまう可能性もあるので、一秒たりとも気を抜かないように気をつけています。
◆稽古と達成感
――稽古の期間・内容、そして本番を終えたときの達成感について教えてください。
えぃむ:新しい演目や表現に挑戦して、それが本番でしっかりできた瞬間の達成感はすごいです。幕に入った瞬間にガッツポーズしたり、喜びすぎて泣く人もいるくらい。それだけの気持ちで全員が稽古しているので、「一回限りのステージ」に込める熱量がとても大きいです。
TOMMY:舞台と違って、同じ演目を何公演もやるわけではなく、「そのフェスのステージは基本的に一度きり」です。その一回のために、みんなで作り上げてぶつけて終わる。だから毎ステージでやっていることが違うし、音響・照明・ステージ設営も含めて全チームが「一発に向かって集中している」感覚があります。終わって裏に戻ったときのハイタッチは、本当に気持ちいいですね。
五十嵐遼:舞台だと回数を重ねるごとにクオリティが上がっていくんですが、グラブルフェスのステージは「最初から120%を出さないといけない」。そのために、細部まで意識を通した稽古を何度も積み重ねて、本番で一撃必殺のように放つ感じです。
久保龍一:稽古期間はフェスの規模や演目量によって変わりますが、だいたい本番の1ヶ月半前くらいから本格的に入ることが多いです。会場ごとに振り付けが違うこともあり、複数会場分を同時進行で稽古することもあります。
◆個々の稽古スタイル
――それぞれ、稽古や練習で工夫していることを教えてください。

TOMMY:僕は舞台経験ゼロからスタートしたので、とにかく基本を身体に叩き込むところからでした。ステージ上の立ち位置の番号を理解するところから、公園で90センチ幅の動きをひたすら練習したり、シエテの「全空一の剣の使い手」に見合うように剣を振り続けたり。人目を避けて早朝に練習していたら、夏休みの子供たちに見つかって「かっこいい!」と言われるようになり、最終的には家の中で練習するようになった、という裏話もあります(笑)
久保龍一:ひたすら反復です。ダンスも殺陣も、表情作りも、身体に入るまで繰り返すしかないと思っているので、家でも稽古場でも「影トレ」を続けています。ただ、みんなスペシャリストなので、努力している姿をあまり見せたくなくて(笑)、こっそりやっていることが多いです。
えぃむ:僕はずっと動き続けるタイプではなく、「休憩を挟みながらイメージで固める」練習が合っています。1時間集中して動いて、1時間休む。その間も頭の中でダンスや動きをイメージして、次の練習で一発で再現できるかを試す。昔から想像するのが好きで、少し厨二病的なところもあるので(笑)、頭の中で魔法を使うくらいのイメージで動きを組み立てています。
五十嵐遼:僕はダンスの基礎があるので振り自体はすぐ覚えられますが、「ダンスにキャラ感を乗せる練習」が難しいところです。シスの場合は、例えば「キミとボクのミライ」の時のアイドル的なキラキラした手の使い方と、戦闘時の格闘家としての拳の使い方が全く違う。少林寺、カンフー、極真空手、ボクシングなどさまざまな格闘技を研究して、ダンスではなく「戦い」として見えるような手の使い方や闘争心を取り入れるようにしています。
◆ハプニングの裏話
――稽古や本番での裏話・ハプニングがあれば教えてください。
五十嵐遼:ウィルナス対シスの殺陣シーンの稽古中に、久保さんを思い切り蹴ってしまったことがあります。かなり痛かったはずなのに、お互い「大丈夫」と言い合って気持ちを切らさないようにしていたのを覚えています。
えぃむ:サンダルフォンは膝をつくシーンが多いので、本番後に衣装を脱いだら膝が血まみれだったことがあります。アドレナリンが出ている間は痛みも分からないので、あとで傷に気づくことが多いですね。

久保龍一:ハプニングでいうと、EXTRAフェス2026名古屋会場に「モブおじ」として出ているとき、膝でスライディングして登場する演技を繰り返していたらアザができてしまって、リハーサル中に血が出てしまったこともありました。
TOMMY:稽古場も本番も、先生方やスタッフさんが安全面をしっかり見てくれていますが、それでも本番の空気だったり、実際の衣装を着ることで感情が高ぶり過ぎて、つい技が伸びすぎて当たっちゃったり、小さなアクシデントが起きたりすることはあります。本番のテンションが高すぎるゆえの「あるある」ですね。
◆キャラクターと自分の共通点
――演じているキャラクターと自分が「似ている」と感じるところは?

TOMMY:ドランクもシエテも、飄々としていて胡散臭いところが共通していて、自分にもそういう部分があります。どちらのキャラも俯瞰して物事を見てから動くタイプで、「まず環境を見て、どう動くか考える」というところは似ているかもしれません。寡黙さや、自分の正義を貫く姿勢も、シエテとアナザーシエテには共通していて、その「それぞれ軸になるところに向かって違う選択をした結果の運命」を想像しながら演じるのが楽しいです。
久保龍一:ウィルナスは豪快で豪胆だけど、実は頭の良いキャラで、そこがすごく魅力的だと思っています。自分が似ているかどうかは分かりませんが、元気でニコニコしているところは好きで、その部分をリンクさせて演じると楽しいですね。
えぃむ:僕は周囲から「何もしなくてもサンダルフォンっぽい」と言われることが多くて、元々の顔や雰囲気が似ているのかなと感じています。興味があるものには強くのめり込むけれど、興味がないものにはまったく関心を持たないという性格も、初期のサンダルフォンのそっけない態度に近いところがあります。第一印象が怖いと言われることも多くて、その点も似ているかもしれません。
五十嵐遼:一番分かりやすいのは「泣きぼくろ」があるところで、会場でも「シスが来た」とすぐに分かってもらえる要素になっています。僕は憑依型の役者で、役に入り込むと感情も生活も影響を受けやすいタイプです。シスを演じ続けるうちに、人と目を合わせづらくなったり、仮面を被りたくなるような心理が分かるようになったり、私生活の感覚が少しずつ似てきてしまっている部分があります。真面目だけど、時々方向性を間違えるところも、自分とシスで共通しているかもしれません。
◆25年末フェス、新章衣装でのサプライズ登場
――メインクエスト新章で新たな姿になったサンダルフォンとシスとして、新衣装でのサプライズ登場にはどんな思いがありましたか?
五十嵐遼:シスは唯一主人公の父親と会っていて、シンクとして育てられたので、メインクエスト イスタルシア編の終わりにはすごく感慨深さがありました。そこから仮面を外す展開は、過去の重いものを吹っ切る瞬間でもあり、寂しさと喜びが入り混じる感覚でした。手紙に書かれた「仮面を外すきっかけ」を思いながら新衣装で扉を開ける瞬間は、「このシスを見てほしい」という覚悟を全部込めていました。思わず感極まって泣いてしまいそうになりましたね。一生に一度の瞬間だと思って、扉の取っ手を握る手に気持ちを全部乗せていました。

えぃむ:サンダルフォンも今までと比べるとだいぶ丸くなったなって。過去のステージと、新衣装の姿の表情を見比べてもらうと変化が伝わると思います。実は舞台裏では、狭いドアからいかにかっこよく出るかを何度も練習していて、20回くらい出入りして「ベストな出方」を探しました(笑)。本番では照明が当たる時間が想像より短くて「もっと見せたかった!」という気持ちはありましたが、それだけ「新しいサンダルフォンを見てほしい」という思いが強かったということですね。
◆サンダルフォンのキャラソングの演じ分け
――サンダルフォンのキャラクターソング「Ain Soph Aur」と「ORISON」では、どんな演技のアプローチの違いがありますか?
えぃむ:「Ain Soph Aur」は悲しみや迷いが強い曲で、表情もどこか下を向いたようなニュアンスを意識しています。一方「ORISON」はルシフェルへの想いを抱えながらも「前に進む」決意の曲で、歌って踊っていても前向きな気持ちになれる。演じていても楽しく、成長したサンダルフォンを感じられる曲です。ただ、楽しさが強すぎて素に戻らないよう、表情に気をつけています。
◆シスとネハンの「導」、それぞれの所作
――シスとネハンのキャラクターソング「導」を演じるとき、どんな所作を心がけていますか?

五十嵐遼:「導(しるべ)」は僕が振り付けを担当していて、歌詞や二人の関係性を動きに落とし込むことを強く意識しました。ネハンは大きな怪我を負ったキャラなので、左半身だけでどう魅せるかにこだわり、肘から先の動きで「少ない動きでも大きく見せる」ように作っています。
シスは対照的に、大きく、男らしく、少し荒々しいくらいの動きでネハンとリンクさせる。二人の動きが似ているようでどこか違う、その「差」を楽しんでもらえるように振りを組みました。
――所作ひとつひとつにも様々な思いが乗っているんですね。他にも意識していることなどはありますか?
五十嵐遼:ネハンやシエテ、ルリアなど、一緒に登場するキャラによって、シスが見せる表情や距離感も変えています。ネハンとは過去のことがあるので、まっすぐ面と向かって話すことができないけれど、本音では仲良くしたい…その複雑さを所作に乗せるようにしています。
◆シエテ/アナザーシエテの演じ分け

――シエテとアナザーシエテ、さらに「シエテが扮したアナザーシエテ」という、同じキャラクターですが3つの面を演じていますよね。それぞれどう演じ分けていますか?
TOMMY:メンタル面では、それぞれの「正義」と目的を自分の中にしっかり入れています。シエテは団長や仲間と一緒に、みんなの笑顔と平和を守るために動く正義。アナザーシエテは、自分の正義のために世界を再創生しようとする極端な選択。
表情面では呼吸のテンポや「どこから声を出しているか」で分けています。何かを伝えるときのベクトルを変えるイメージですね。シエテは額のあたりから話しているイメージで、眉もよく動いて表情豊かになる。アナザーシエテは喉から出して話している意識で、眉をほとんど動かさず、冷徹な表情になるように呼吸をゆっくり、深くしています。「シエテが扮したアナザーシエテ」のときは、その二つを一度混ぜるようなバランスにして、時折シエテの表情が漏れ出る瞬間を作っています。他にも色々ありますが、これ以上は企業秘密ということで(笑)
◆殺陣で意識していること
――武器を使ったバトルシーンでは、どんな魅せ方を意識していますか?

TOMMY:シエテは正統派の剣士として、真っ直ぐな気持ちを持って戦うので、殺陣も「正当派の攻め方」を基本にしています。逆にアナザーシエテは、普通なら打たない角度やノールックでの一撃など、少し異質な殺陣を取り入れています。『GRANBLUE FANTASY: Relink』などアクションゲームの動きを研究して、「ここでこのモーションを使えそう」というものを殺陣チームと相談しながら反映しています。武器の形状が特殊なので、普通の剣とは取り回しが違い、どこで写真を撮られても綺麗なシルエットになるように、太刀筋と表情の両方を意識しています。
五十嵐遼:シスは爪から拳に武器が変わり、構えも変化しています。まだ絵として描かれていない構えも、ストーリーや設定から想像して「こういう構えで戦っているはず」と想像して動いているところもあります。
◆モブおじとしてのステージと平場
――ウィルナスやヴァルフリートに加えて、「モブおじ」を演じた感想は?

久保龍一:最初に「モブおじをやってください」と言われたときは戸惑いもありましたが、今年はとにかく楽しみました。レフェリーとして試合を一番近くで見て、お客さんと一緒に盛り上がる役割として、ステージ上でも平場でも全力で楽しむようにしました。平場では一人で会場のフォトスポットを練り歩きをしましたが、行く先々へ騎空士のみなさんが大名行列のようについてきてくれて(笑)、モブキャラクターとは思えない光景でした。各キャラクターとの絡みも自由にさせてもらえたので、「僕が演じるモブおじはこういう人だ」と思ってもらえたら嬉しいですね。
◆複数キャラの演じ分け
――久保さんはウィルナス、ヴァルフリート、モブおじなど複数キャラを担当されていますが、どう演じ分けていますか?
久保龍一:3キャラとも三者三様で全然違うので、むしろ演じ分けはしやすいです。ヴァルフリートは渋くクールで、歯を見せて笑わず、口角が少し上がる程度。一方ウィルナスは豪快に笑うタイプ。モブおじはモブおじとして自由度が高い。気をつけているのは「バランス」と「振り切ること」。キャラごとに遠い方向へ尖らせて、それぞれの個性に振り切るようにしています。
◆ウィルナスとしてのドラム演奏
――ウィルナスはキャラクターライブステージでのドラム演奏も印象的でした。役を保ったまま演奏する難しさはありますか?
久保龍一:ダイナミックに見せることを意識しています。実は一度、ダイナミックにやりすぎて指につけていた六竜のリングが吹き飛んでしまったことがあって。その後の演出が、一度ステージの前方に出てから戻ってくる動きだったので、アドリブを入れつつ落ちているグッズを「キャラとして拾う」という所作でリカバリーしました。そうしたハプニングも含めて、ウィルナスらしい豪快さで見せるように心がけています。
◆次の「グラブルフェス」に向けての意気込み
――EXTRAフェス大阪会場に向けての意気込みは?

TOMMY:毎年スケールが大きくなるグラブルフェス!僕たち自身も今年はどんな景色が待っているのかワクワクしています。お客様と一緒に"お祭り"を思いきり楽しむことを何より大切に、その瞬間、その場所でしか味わえない特別な時間をみんなで共有できれば思っています。今年も最高の思い出を一緒につくりましょう!

久保龍一:1年ぶりの大阪会場で、ウィルナスとしてどんな演目をやるのか……ぜひ期待していてください!

えぃむ:僕も毎年サンダルフォン役で出演させてもらっていますが、OC全員が日々成長しているので、その進化を大阪でも感じてほしいです。殺陣・ダンス・楽器演奏など、表現の幅も広がっているので、楽しみにしていてください!

五十嵐遼:今年のEXTRAフェス2026最後の会場ということで、いつも以上に気合いを入れて稽古しています。当日は全力で一緒に楽しんでいただきたいです!
OCの存在は、グラブルフェスを「イベント」から「物語の続きが生まれる場所」へと押し上げています。明日から開催が予定されている「グラブルEXTRAフェス2026」ラストとなる大阪会場、そしてその先の空の旅路で、彼らがどんな新しい一場面を見せてくれるのかーーその答えは、次に会場で彼らと目を合わせたときに、きっとあなた自身の胸の内に生まれるはずです。
■YouTube配信情報
8月8日(土)16:00頃より、大阪会場ステージプログラム(オフィシャルキャストエンタメステージ、オフィシャルキャストステージ)を放送予定です。
詳細は公式サイトのお知らせをご確認ください。
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