東京ゲームショウ2026(TGS2026)の一般公開日2日目となる2026年9月20日(日)、幕張メッセのイベントステージにてローグライトアクション『Cinderia』の最新情報発表ステージが開催されました。開発元MyACG Studioのプロデューサー・小雨(Xiao Yu)氏と、パブリッシング担当のHotpot氏が登壇し、次の大型アップデートとなる2人協力モードの実装時期、新プレイアブルキャラクター「小紫」、そして正式リリースまでのロードマップを発表しました。

本作は、魔女に焼き払われた王国を舞台に、4人の少女がスキルや装備を組み合わせて戦うダークファンタジーローグライトアクション。2026年3月30日にSteamで早期アクセスを開始し、10日で販売本数10万本を突破、Steamレビューは4,700件超で88%が好評の“非常に好評”を維持しています(9月22日時点)。ステージはGame*SparkとAUTOMATON編集部の合同企画にもなっており、MCはイードのゲームメディアの首領である宮崎紘輔、ゲストとしてAUTOMATON編集者の相内慧氏も参加。


本稿では、約50分のステージで語られた内容を、実機プレイ、開発トーク、最新情報の順にお届けします。
「触って気持ちいい。組んで面白い」―ルーとリベットで第1章ボスに挑む実機プレイ
ステージの前半は、簡単な作品紹介を兼ねてHotpot氏による実機プレイを披露。まずは小雨氏が、本作を「ダークファンタジーの世界を舞台にしたローグライト。冒険の中で手に入れるスキルやアイテム、戦い方まで自由に組み合わせるゲームで、毎回手に入るものが違うので戦い方もかなり変わる。アクションの気持ちよさと、ビルドを考える楽しさの両方を楽しんでもらいたい」と紹介しました。

相内氏からの「スキルが増えると使うボタンも増えるが、ローグライク初心者でも入りやすいのか」という質問には、「最初は少し難しいと感じるかもしれない。でもキャラクターはゲーム内でどんどん成長するし、組み合わせに慣れていけば簡単になっていく。何度もプレイするジャンルなので、最初だけ難しく感じる、というくらいだと思う」と小雨氏。

現在のプレイアブルキャラクターは4人。ナイフを振るう赤ずきんのハンター「ルー」、大砲を担いだ金髪のエンジニア「リベット」、盾を構える青い目の騎士「イスダラ」、森の仲間を召喚するプリンセス「ウマ」で、小雨氏によれば、ルーは「スピードの速いアサシン的なキャラ」、リベットは「砲撃と弾丸に関わるビルドが多いキャラ」、イスダラは「盾を使い、動きは少し重い」、ウマは「狼などの仲間を召喚して一緒に戦う」タイプとのこと。Hotpot氏いわく、各キャラクターは近接・遠距離を含めてアクションシステムがそれぞれ独立しており、1人につき80種類以上の専用パッシブがあるため、「一回のプレイの序盤・中盤・終盤で、まったく違う操作をしていることも珍しくない」そうです。
実機プレイの1人目はルー。第1章のボス撃破を目標にHotpot氏がプレイし、相内氏が「後ろから攻撃すると有利になる背撃」「スキル次第では、敵まで長くチェーンを伸ばして突き刺し、瞬時にそこへ移動する動きもできる」と、実際に遊んだ立場から解説を添えます。ウェーブを終えるたびに3枚の中からパッシブを選び、道中ではNPCを救出して拠点を広げ、煙の中でステルス状態になったり、装備品「悪魔の卵」を孵化させてともに戦うミニオンにしたり。ボス戦ではHPが際どいところまで削られながらも見事撃破し、Hotpot氏は「半年ぶりくらいなので、体力がけっこうやばい感じになっています」と会場を笑わせました。
2人目はリベット。Hotpot氏いわく「遠距離攻撃のキャラクターに見えて、実は近接もかなり強い」キャラクターで、銃身そのもので殴る近接攻撃と、遠距離からの砲撃を使い分けます。「なぜ銃で殴らせようと思ったのか」というMCの問いに、小雨氏は「遠距離攻撃だけだと、操作の仕方を変えられる部分が少ない。だからビルドの半分を近接戦にした」と回答。相内氏が「3回殴ってから発射すると3段になる、といった近接を絡めたビルドも組めるのが面白い」と語るとおり、ターレットの設置、手榴弾、時限爆弾と、遠距離主体のビルドで2連勝を飾りました。相内氏はリベットの「くるくる」回るローリング(回避)がお気に入りとのこと。
なお小雨氏は、道中で発生するランダムイベントについて「まだ完成度は低いと思う。今は第1章と第2章にしか入れられていないので、あとでいろいろ入れ替えたい」とも明かしています。
「思いついたらすぐ作るチーム」―ゲームプレイから始まった『Cinderia』
後半は開発トーク。相内氏の「最初はどんなアイデアから始まったのか」という質問に、小雨氏は「アイデアというより、うちのチームはかなり雑で、何か思いついたらすぐ作るチーム。だから最初はゲームプレイから始まる。キャラクターの戦い方を作って、試して、合うものを見つけてから作り始める」と、ゲームプレイ先行の開発スタイルを説明しました。

世界観は当初からかなり変わったそうで、「最初は魔女と戦う話で、『魔法少女まどか☆マギカ』を参考に始めた。でも制作の途中でメンバーの好みが入ってきて、『ディアブロ』が好きな人もいれば、重い雰囲気が好きな人もいるし、絵を描く人はアニメ寄り。だからいろいろ時間がかかった」とのこと。開発でいちばん難しかったこととしては「地域によって需要が違うこと」を挙げ、「日本のプレイヤーはキーボードとマウスで遊ぶ人が多く、ゲームパッドとでは戦い方の内容がけっこう変わる。中国のプレイヤーは攻略や対戦動画を見る人が多く、操作スピードが速い。違う地域の、みんなに喜ばれるゲームを作るのが難しかった」と語りました。
早期アクセス中のローカライズを担当するHotpot氏は、プレイヤーからの反応について「Discordでは日本、韓国、ドイツのコミュニティの多くのユーザーが、ローカライズ面でサポートしてくれていて、とても感動している。TGSの期間中にも、日本のアニメをドイツに紹介する活動をしていた方から支援をいただいている。プレイヤーからのフィードバックがいちばんの励みなので、今後も引き続き頑張りたい」と感謝を述べました。
次の大型アップデートは2人協力モード―10月テスト開始、11~12月実装予定。将来は4人も視野
ステージ終盤、Hotpot氏が「『Cinderia』の最新情報を発表します」と切り出し、約30秒の映像が上映されました。映るのは、先ほどまで1体ずつ動かしていたルーとリベットが同じ画面で戦う姿。次の大型アップデートは「2人協力モード」です。

Hotpot氏によると、マルチプレイ用のネットワーク基盤はすでに完成しており、Steamと自社サーバーを通じて、2人のプレイヤーが一緒にステージに入り、協力して戦えるとのこと。中国と日本のサーバーはすでに稼働中で、公式Discordのテストチャンネルに参加すればクローズドテストを体験できます。スライドには「2人で、ひとつの冒険へ」「増える敵。手強くなる戦い」「仲間を助け、ともに切り抜ける」の文字が並び、ショップでどれを買うか相談したり、倒れた仲間を助けて先へ進んだり、装備を仲間に渡したりと、ソロプレイでは生まれない駆け引きが紹介されました。
スライド上の予定は「10月にテスト開始予定、11~12月に実装予定」となっていましたが、小雨氏は「来月からテストモードで2人プレイが可能になる。正式にいつ出すかはまだ決めていないが、できれば3か月後に出したい。遅くとも今年中にはできる」と補足しました。
興味深いのは、協力プレイがゲームデザインに与える影響について、小雨氏が率直に語ったことです。「2人で一緒に戦うこと自体は完成していて、実は4人でも可能。でもゲーム内のイベントなどは、まだ1人プレイに向けてデザインしたもの。だからこの3か月くらいで、アイテムの共有や連携技など、2人プレイに適したデザインを入れたい。まだいろいろ決めていないけれど、頑張りたい」。MCが「4人までいくのか」と驚くと、「できれば4人。でも画面がちょっと、こんなふうになってしまう(笑)」と、4キャラクターが入り乱れる画面の賑やかさを身ぶりで表現していました。Hotpot氏も「まずは2人協力からスタートし、将来的には4人まで増やす可能性もある」としています。
一度は外れかけた新キャラクター「小紫」―音符を駆使して戦う初の遠距離攻撃特化キャラ
相内氏が「映像に、見慣れない紫色の髪の女の子が映っていた」と切り込むと、小雨氏は「気づかれましたか」と笑いながら新キャラクターの存在を認めました。スライドで紹介された名前は「小紫」。ただし小雨氏によれば「正式な名前はまだ付いていなくて、内部では“紫ちゃん”と呼んでいる」とのこと。しかも「以前は(実装から)外れる予定だったキャラクターなのですが、入ってしまいました」という、一度はボツになりかけた経緯を持つキャラクターです。

紫の衣装とフードをまとった小柄な少女で、テーマは“音楽”。左クリックで音符を落とす遠距離攻撃、右クリックでチャージ式の遠距離攻撃を行うキャラだそう。一方で小雨氏は「2種類の遠距離攻撃で戦うキャラクター。音楽に関わるデザインは難しくて、音ゲーのような形をどこまで入れるか考え中」と、まだ設計途中の構想も披露。「専用パッシブや魔法カードも「かなりの数を作り直さなければならない」段階で、小雨氏と開発メンバーが設計・調整を進めています。
ロードマップ―「Heat」システム、新ボス、そして真のエンディングへ
最後に示されたのが「これからの『Cinderia』」と題したロードマップです。Hotpot氏の説明をまとめると、次のとおりです。

2人協力プレイ:10月にテスト開始予定、11~12月に実装予定。まずは2人から始め、将来的には4人まで拡張する可能性も。
新ボスとモンスター:協力プレイと同時期に高難度向けの「Heat」システムをアップデートし、新たなボスやモンスター、マップ、イベントを追加。長く遊んでいるプレイヤーがソロでも新しい挑戦を楽しめるように。
新キャラクター「小紫」の実装:専用パッシブ・魔法カードを設計・調整中。
世界観と物語:新しいプレイアブルキャラクターの設計・調整と並行して、キャラクターの物語と“真のエンディング”を充実させる。
小雨氏は「今は早期アクセスなので、プレイヤーに評価されているのはゲームプレイや戦闘の部分。でも来年3月の正式リリースまでに、シナリオや世界観、物語をいろいろ作りたい。作りたいというか、作っているのだけれど、完成してから意見を聞かないといけないので、まだまだ頑張っている」と、正式リリースの目標時期にも言及。「ローグライクに物語を入れるのは難しくないか」というMCの問いには、「難しい。でもキャラクターの物語を収集する形にして、強制的に見せるのではなく、集めたものをゲームの中で自分で見られるデザインにしたい」と、ローグライトならではの物語の見せ方を語りました。Hotpot氏も「ゲームプレイと戦闘の土台はかなりできている。ここからちゃんと、ひとつの完成したゲームにしていきたい」と意気込みました。
ステージの締めくくりに相内氏は「敵や弾幕に囲まれることがあるゲームなので、こちらも手数を増やしたいと思っていた。マルチプレイの実装は特に楽しみ。早期アクセス中もコンテンツ追加の大型アップデートが何度も実施されていて、どんどんできることが増えている。インディーゲームをユーザーと一緒に盛り上げ、成長を見守る楽しみの上でも、正式リリース前にいち早く遊んでほしい」とコメント。小雨氏は「『Cinderia』をプレイしてくれたプレイヤーの皆さんに本当に感謝している。特に日本のプレイヤー。僕はけっこうXを使うのですが、『Cinderia』に関わる声は日本のコメントが多かった」と、日本のプレイヤーへ感謝を伝えました。
「思いついたらすぐ作る」チームが、早期アクセスの反応を受けながら、協力プレイと新キャラクター、そして物語へと手を広げていく――そんな『Cinderia』の“現在地”がよく分かる50分でした。
『Cinderia』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。価格は2,000円(税込)です。


