好きな作曲家をあげるなら?日本と海外からそれぞれ
もぐ水:では好きな作曲家についてですが、私からは2名挙げさせてください。『ダンガンロンパ』などの楽曲に携わった高田雅史さんと、近年の『真・女神転生』シリーズのサウンドを主に担当している小塚良太さんです。
高田さんは『ダンガンロンパ』で知ったんですが、プレイした当時は「裁判の時の曲カッコいいな」とぼんやり思っていたんですね。その後何年かしてグラスホッパー・マニファクチュアのゲームをプレイしたら、「これ、同じ人じゃない?」とピンときて。高田さんってピアノのメロディがものすごく特徴的で分かりやすいんですよね。スッと入ってくるというか。
綺麗な旋律のピアノだけでなく、クラブミュージックっぽい曲も最高に格好良いですし、まず『ダンガンロンパ』自体に思い入れがあるので、耳馴染みがあって聴くと落ち着くところがあって好きな部分もあります。『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』の通常戦闘曲もめちゃくちゃイカしてました。
みお:私も高田さんのピアノの使い方は分かりやすいな、と思います。
もぐ水:高田さんの『ノーモア★ヒーローズ』のサントラも、キャラクターに合わせた色んな曲があって面白いんですが、プレミアがついて現状配信も無いので辛いところがあります。
小塚さんは『真・女神転生』シリーズだと、神や悪魔、天使と戦う作品の性質もあってか音を歪ませたり色んな音を使ったりと不思議な音使いをすることが多くて、なかなか他のゲームにはない楽曲が聴けるところが好きですね。悪魔召喚プログラムがインストールされたコンピューターや電子機器から悪魔を召喚する、という設定からシリーズが始まっているので、神聖さ・おぞましさの中にデジタル的なサウンドを感じさせるようになっているのが良いというか。
タキトウ ハル:FMシンセとか、飛び道具的なサウンドを使う感じですかね。
もぐ水:そうですね。シリーズ通してハードロックやメタルの曲がバトルでは使われるのもあって、そのエッセンスを汲みつつ変な音も……といった面白さもあります。もちろんバトル曲だけでなく、フィールド曲もいいんですが。
この2人の共通点として、ギターソロのある楽曲が聴けるところも好きだと感じる点で大きいかもしれませんね。ちなみに高田さんは「真・女神転生 25th Anniversary」の特典で小塚さんが作曲した『真・女神転生IV FINAL』の「Battle - f6 神殺し」の楽曲をアレンジしてるんですよ。その時もメロディにピアノが使われていて、あ、高田さんの曲だ!とすぐ思いましたね。
タキトウ ハル:私は日本と海外で2人いて、日本だと先ほども言った戸高一生さん。海外になるとこちらも先ほども言った『Minecraft』を担当したC418になるのかな。割と好みが共通しちゃってるんですけど、戸高さんに関してはWii以降のイメージも強いんですが、サウンド自体に対する執着や丁寧さというか、ウェルメイドなものもすごく多くて。それこそ、とたけけの楽曲に代表されるようにミニマルなものが多いので聴きやすくて好きというのがあります。
あと、戸高さんはA Slice of Lifeというバンドをやっていらっしゃって、ライブ中心のバンドなので音源はあまり残っていないのですが、このライブ動画がめちゃくちゃ良くて割と聴いてます。
もぐ水:いいですね、オシャレで心地良い。
タキトウ ハル:C418に関しては、聴いててひたすら心地いい音楽を『Minecraft』においては作曲してくれて、ベッドルームミュージックといいますか。録音がいいわけでは無い環境での手作り感、そういった環境から出てくるノスタルジーさが好きですかね。単純に、「Dry Hands」や「Wet Hands」は泣けるメロディーなので、それも良い。

Skollfang:私は好きな作曲家というか、好きなサウンドディレクターかな、『ファイナルファンタジーXIII』や『FF7』の鳥山求さんですね。鳥山求さんと作曲の浜渦正志さん、鈴木光人さんの座組で作った曲が今ゲーム業界ではすごくインパクトのある組み合わせかなと思ってますね。インタビューなどを見ますと、鳥山さんの発注がとてもユニークだということをよく聞きます。何を隠そう『ザナルカンドにて』を救ったのも鳥山さんだということなので。
シーンで印象に残る曲というのを的確に作ってくれる人、という点で鳥山さんは大きいですね。最近ですと、『FF7 リバース』のローチェ戦ですね。
こちらのディレクションが「式典に参加したブラスバンドの編成で」というオーダーだったらしいんですよね。鈴木さんはピアノを入れようとしていたんですが、それをやめてああいう形になった。前後の繋がりやストーリーとのリンクが非常に優れている人だな、という理由から鳥山さんに注目しています。
タナカハルカ:ちょっとソニーの話があまりないので、ソニー系から。ビデオゲームコンポーザー専業ではないんですが、Devo(ディーヴォ)というアメリカのポストパンク/ニューウェイブバンドのオリジナルメンバーであるMark Mothersbaugh(マーク・マザーズボー)が僕は好きで。彼は1度解散して、その後はアニメや映画、ゲームのサントラをずっと作ってたんですね。ソニーだと『クラッシュ・バンディクー』や『リトルビッグプラネット』、あとは『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』かな。

その中でも『クラッシュ・バンディクー』のサントラがめちゃくちゃ好きなんです。どの曲もリズムと超ミニマルなメロディで構成していて、そんな複雑なことはしていない。シンプルでバカっぽい曲がずっと続くんですが、手数の少なさでどうやって工夫するかを終始やっている。
メインテーマのパーカッションって本当に気持ちいいし、そのルールでずっとやってるけど、最後の方はちょっと変なシンセサイザーを入れて怖い曲を出してきたり……。
『リトルビッグプラネット』のサントラもめっちゃ良くて。地球をテーマにいろんな国に行く作品なんですが、色んな国に行ったらさっきの『ストリートファイター』と一緒で、国の要素をどう取り込むか、というのをずっと頑張っているサントラになってるんです。
Devoってポストパンクとニューウェイブのバンドなので、一番得意なのはパンクではあるんですが、そこから派生してプログレやサイケなどのロック要素を組み込んでいるのが面白いんですよね。最新作『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』には参加していないんですが、Mark Mothersbaughが作った地域性を想起させる面白さはしっかり受け継がれていて、ゲームのトーンを作った点としても良いサウンドを作る人だなと感じますね。
あと1つだけ滑り込みで。好きなコンポーザーというと微妙なラインですが、ちょっとエロゲの話を全然していないなと思ったので『みにくいモジカの子』のハタユウスケさん。cruyff in the bedroom(クライフ・イン・ザ・ベッドルーム)という日本のシューゲイザー【※】で有名なバンドの方が作ってる。
※シューゲイザー 1980年代後半に英国・アイルランドで生まれた、歪んだギターと浮遊感のあるヴォーカルを特徴とするロックのサブジャンル。演奏中にエフェクターを見下ろしてほとんど動かないステージ上の姿がジャンル名の由来とされている。
『みにくいモジカの子』の主人公はいじめられていて、ずっとうつむいて、下を向いてるからシューゲイザー、という本当にダジャレのようなところからシューゲイザーを起用した作品なんですが、本当に激ヤバノイズフィードバックシューゲイザーが続くんですね。
エロゲって特に音楽を繰り返し使う必要があるから、ループに耐えうる構造にしないと聴いていられないんですが、シューゲイザーでそれをやるという試みがすごく新しい感覚で。バンドサウンドとしての展開もある中で、ずっとループして聴いていられる。ハタさんはこちらの作品しかゲームに参加していないんですが、もっといろんな人が声かけて曲作ってほしいな、とずっと思っています。
文章書く彦:自分は最初に『パラッパラッパー』の話をしたので、松浦雅也さんにさせてください。『パラッパラッパー』を作った七音社という会社の社長で、ご自身も昔PSY・S(サイズ)というバンドをやっていた音楽家の方です。『パラッパラッパー』だけでなく、『ビブリボン』、『パラッパラッパー2』、『ウンジャマ・ラミー』など様々なサウンドトラックに関わっていらっしゃって、どれも素晴らしいんです。
『ビブリボン』って、CDを入れ替えて、CDの曲に合わせて遊べるという斬新なゲームなんですが、デフォルトで曲が何曲か入ってまして。その曲を松浦雅也さんが作っているんですが、それが前衛エレクトロポップみたいな感じで異様なんですよね。当時のSCEのハイセンスでハイファイな感じが非常にカッコよくて好きです。
あと、自分も滑り込みなんですが井上拓さんの話をしたくて。元ナムコの作曲家で、『鉄拳』シリーズや『リッジレーサー』シリーズに携わっていたんですが、『アイドルマスター』シリーズの「クレイジークレイジー」など素晴らしい曲を作っているので、井上拓さんもとても好きです。
みお:また低い音の音楽の話になってしまうんですが、特徴的でサンプリングを多用した作曲家といえば葉山宏治さんですね。PCエンジンの『超兄貴』とかで有名かな。熱苦しい男の声をサンプリングしまくって流しまくる楽曲の人で、聴いたら一発でこの人だなって分かる作曲です。めちゃくちゃ好き。
もう1人いるんですが、リブート版の『DOOM(2016)』と『Doom Eternal』で有名なMick Gordon(ミック・ゴードン)ですね。超メタルな音楽を作っている人で、『Atomic Heart』にも提供しているんですが、この方も聴いたら一発で分かる低い音です。

原作の『DOOM』はMIDIのピロピロした音にメタルを組み込んだ感じの曲なんですが、その中で「At Doom's Gate」という曲が一番好きで。それを2016年版でムチャクチャ格好良くアレンジしてくれたんです。しかも最高のシーンで使われているので、一発でMick Gordonが好きになりました。
もぐ水:オープニングでエレベーターに乗ってる時に流れるやつですよね。
みお:素晴らしいです。あまり普段積極的にメタルって聴かないんですが、ミック・ゴードンはよく聴きます。
100曲以上あるサントラに、アレンジアルバム、まだサントラが出ていないゲームも
もぐ水:最後は、オールタイムベストと最近聴いてよかったものということで。まずはオールタイムベストから。
私のオールタイムベストは、フリューから出たジュブナイルRPG『Caligula』シリーズのサウンドトラックです。こちらはゲームの設定として敵対するキャラクターが「楽士」という、いわゆるボカロP的な人たちなんですね。ゲームではその人が作った曲がフィールドで流れていて、戦闘が始まるとボーカルが入るんです。本人が作った曲に耳を傾ける事によって、歌詞からキャラクターを深堀りできる。『Caligula』シリーズはゲームのキャラクターソングの中で、設定込みで優れていると思います。
そして『Caligula』シリーズの特徴的なところは、その楽士の楽曲はちゃんとキャラクターに沿ったボカロPを選んでいるところなんですよね。cosMo@暴走Pやピノキオピー、YOASOBIで有名なAyaseなど、ボーカロイドが好きな人なら絶対知っている人がたくさんいるので、ボカロという文脈や文化を取り入れている部分でもかなり良いゲームです。2作目はボーカルが2人いるので聴き比べが楽しいし、単純に好きな曲も多い。オールタイムベストです。
タキトウ ハル:私は『ゼルダの伝説 夢をみる島』リメイクのサウンドトラックかな。こちらは原作のBGMと2枚組で付いていて、それも含めてめちゃめちゃ好きです。原作はゲームボーイ特有の限られた音源を使った、荒々しくもキラキラしたサウンドが特徴的だったんですが、アレンジでは室内楽をベースにした楽曲の中に、シンセサイザーの音色が自然に溶け込むように差し込まれていて、そこがすごく好きなポイントです。

チップチューン的な要素を取り入れたアレンジって、ちょっと浮きがちなところがあるんですよね。きちんと馴染んでいる例はあまり多くない気がして。その中でリメイクのアレンジメントは本当に綺麗にまとまっていて素晴らしいなと思いながらプレイしていましたね。
Skollfang:私はオールタイムベストとしては王道ド真ん中の「ザナルカンドにて」ですね。これはもう単なるゲーム音楽の枠を超えて、スタンダードナンバーとしての認知が進んでいる、ゲームの枠を超えた作品です。
当時流行っていた癒し系のコンピレーションアルバム「image」の名だたる映画音楽に並んで「ザナルカンドにて」が入っているんですよ。別の人が演奏したものなんですが、このようにゲームを知らない人でも音楽だけ知っている方もかなり多いので、この「ザナルカンドにて」を認定しますね。
タナカハルカ:素晴らしいビデオゲーム・ミュージックの条件というものは収録曲が多い、そして偽物の日本があること。その全てをマキシマムにやっているサウンドトラックが『ビタミンコネクション』なんですよ。

Joy-Conミニゲーム集のようなゲームで可愛い見た目なんですが、アルバム4枚組で100曲以上あるんですよ。しかも盆踊りの曲もあるし、演歌の曲もある。ジャンルもとにかくムチャクチャで、『シャンティ』などで有名なチップチューンのアーティストであるJake Kaufman(ジェイク・カウフマン)がビデオゲームらしさを担保して、あとは全部もうハチャメチャなんですよね。やりたいことをただひたすらやっている。
ミニゲーム集という特性もあって、とにかく何でも曲を入れやすいというか。サウンドトラックの制作にあたって、ピチカート・ファイヴ【※】とかFPM(Fantastic Plastic Machine)【※】に影響をとても受けたらしくて、一貫して渋谷系のサウンドを海外の人が作る面白さがあるんですよね。
※ピチカート・ファイヴ 小西康陽を中心とした、渋谷系を代表する東京出身のポップ・グループ。1984年に結成し、2001年に解散した。『クロス探偵物語』のオープニングテーマに「大都会交響楽」を提供した。
※FPM 田中知之によるソロ・プロジェクト。渋谷系のDJやプロデューサーとして知られる。
歌ものもすごい多くて、曲数も多くて、とにかく、ムチャクチャ。ビデオゲームのサウンドトラックって自由ですからね。その自由さを存分に発揮した、とても楽しいサウンドトラックだと思うので、この作品が好きです。
もぐ水:そんなにいっぱい曲あるんですね。
タナカハルカ:すごいですよ、1回頑張って通しで聴いてください。
文章書く彦:自分は『bit Generations』 というゲームボーイアドバンスであったパズルゲームシリーズがあって、それの『COLORIS』でCornelius (コーネリアス)【※】の小山田圭吾がサントラを作ってたんです。これがゲームボーイアドバンスの音質もあって非常に純化されてまして、すごく格好良いので、ちょっとこれを今日は紹介したいなと。

※Cornelius 小山田圭吾によるソロ・プロジェクトで、渋谷系を代表するミュージシャンの1人。
なんというか、いつものCorneliusなんですが、0と1のようなイメージと有機的なものが積み重なっていくのがビデオゲーム的じゃないですか。ドットがたくさん描かれて2次元になって、点描がどんどん遠くで見るとリアルになっていく……みたいな。Corneliusはリアルをどんどん分解していく音楽性なんですけど、それと合致していて、自己言及的なビデオゲームミュージックだなと思ったんです。
みお:私は冒頭に言ってしまったんですが、「Atomic Heart (Original Game Soundtrack) Vol.1」とさせてください。ただこれは少しずるいところがあって、ほぼゲーム内で流れないんですよね(笑)。街の中にあるスピーカーから流れてくるだけで、限定的なんですがあまり聴く機会がない。惜しすぎるサントラです。レトロフューチャーなところに攻撃的なアレンジが加わっているところが世界観にも合っていて、何度も何度も聴いてました。

もぐ水:本当にそういえば聞いたような……という印象のものがVol.1は特にありますよね。私はオールタイムベストでもう1つ『パラダイスキラー』のサントラをあげさせてください。シティポップやヴェイパーウェイヴ、モールソフト(Mallsoft)【※】やファンクなど、レトロな感じの曲が多くて、これはもう全曲好きです。
※モールソフト ヴェイパーウェイヴのサブジャンルで、80年代のショッピングモールや商業施設を連想させるような音楽を指す。曲中に足音や会話、広告音などを含むこともある。
このゲームはオープンワールドの推理ゲームなので、捜査のために島をずっと歩くんですが、その時にずっと背景で曲が流れ続けてるんですよね。何回も聴くことになるので耳に残りますし、ゲームのビジュアル自体もヴェイパーウェイヴにインスパイアされたカラフルで個性的な空間とUIなので、ゲームの雰囲気とピッタリなんですよね。『Hotline Miami』からの流れでレトロな要素を含む電子音楽が好きになったので、こちらも言っておこうかなと。

タキトウ ハル:私はオールタイムベストをあげていったらキリがなくなってしまうので(笑)。最近聴いて良かったものの話をしようかな。『Big Walk』という協力型ゲームが話題になっているんですが、サントラもめちゃくちゃ良いんですよね。
文章書く彦:いいですよね、各地に音楽が流れる場所があって……という感じの。ゲームの内容に関わることなので、あまり多くは言いたくないんですが(笑)。
タキトウ ハル:最初ゲームの印象からしてアンビエントな楽曲が多いのかな、と思って蓋を開けてみたらダンサブルな曲が非常に多くて、かつ音もメロディーも綺麗で聴いてて楽しい。
アーティストのaksfxについても調べてみたんですが、2人組で映像作家と並行して音楽もやっているらしくて。景色を楽しむ要素もあるので、そこから映像関連の方を起用したのかなと推測できるのも面白いなと思いましたね。

Skollfang:私も最近だと、去年リリースされた「Midnight Jazz Final Fantasy IX」ですね。それとクラシックギターの村治佳織さんの「Eternal Fantasy」、こちらはゲーム音楽だけのアレンジアルバムです。
『ファイナルファンタジー』のコンピレーションアルバムは定期的に出ていますが、一作丸々っていうのはあまりなくて。定番から外れたところはあまり取り上げられなかったりするので、今回「タンタラスのテーマ」や「永遠の豊穣」、「月なきみそらの道化師たち」というレアな曲の一風変わったアレンジが入っているので、これはぜひ聴いていただきたいなと思いましたね。
「Eternal Fantasy」は今年のミュージックアワードジャパンでもノミネートされて、受賞には至らなかったんですが、クラシック楽曲という枠の中にゲーム曲が食い込める余地がある、ということを示してくれたアルバムです。『スカイリム』の「The Dragonborn Comes」とかコアなところも入っているので、こちらもぜひ聴いていただきたいなと。
タキトウ ハル:『The Last of Us』のテーマもあるんですね、嬉しい。
タナカハルカ:僕が最近衝撃を受けたのは『電車アタック』ですね。これもう完璧ですよ、これを聞けばあなたもゲーム音楽オタクです!って感じで。そういうのがこんな最新作で出てくれることに感謝したいんですが、座組がヤバすぎて。セガの光吉猛修さんとか、『ペルソナ』の目黒将司さんとか、カプコンのおかんPこと藤田晴美さんが日本から参加してます。だから青いロゴの日本のゲーム会社が全部いる。

タキトウ ハル:赤色の人もいたはずですよ、永松亮(『スプラトゥーン』シリーズのサウンドトラックを担当)さんが。
タナカハルカ:そうだった。5,6人くらい日本からいて、あとは『ジェットセットラジオ』の2 Melloとリチャード・ジャックス(Richard Jacques)とか、『ソニックマニア』のTee Lopesとか。新旧問わず世界中からゲーム音楽の第一線で活躍している人が詰め込まれていて、でも80曲あって、しかも日本が舞台で初っ端から「Beppu Ramen Express」とか「Nebuta Ransen! ~ ねぶた乱戦!~」という青森のねぶたなので「ラッセーラ」と掛け声が入った偽日本要素もたくさん入ってる。
インディーズのアーティストも参加してて、Junky58%というBikini Kill(ビキニ・キル )みたいな曲をやる日本のガールズパンクバンドがいるんですが、僕ここで初めて知って、めっちゃいいバンド見つけたなと出会えましたし。
とにかくもう好きな音楽ぶち込んだろ!という気合いを感じるサウンドトラックです。気に入った曲の作曲家を調べていけば本当にたくさんのゲーム音楽が関連して聴けるので、ぜひ聴いて欲しいなと。
文章書く彦:X(旧:Twitter)で流れてきてショックを受けたんですが、『10S FOREVER』というインディーゲームのサントラが激ヤバで。制作者が作っていて、Bandcampでサントラが聴けるのでぜひ。

あと大作でいうと『Marathon』はSon Lux(サン・ラックス) のRyan Lott(ライアン・ロット)がサウンドトラックを担当していて、その中の「Code Race」という曲のリミックスがあるんですが、多分ゲーム音楽史上一番格好良い楽曲になっています。
トレイラーでしか流れないので、ゲーム音楽と言っていいかは分からないんですが……。リミックスが最高に格好良いので紹介させてください。
もぐ水:『Marathon』のサントラ格好良いですよね。ゲームのビジュアルもサイバーで尖っているので、それに合っているのがすごく良いなと。

文章書く彦:世界観に合った有機的かつ無機的で不気味格好良い感じがいいんですよね。ワープ(Warp Records)というレーベルっぽい、と出る前から言われていたんですが、蓋を開けてみたら音楽までそうで。00年代にテクノとか聴いてた人に刺さる良いゲームです。また注目されてほしいので『Marathon』については口を酸っぱくして言っていきたい所存です。PvEも出るので!
みお:『グノーシア』のサントラもいいんですよね。宇宙船の中で人狼をしながら物語が進んでいくんですけど、楽曲が格好良くて。スペイシーでアンビエントだけど、ちょっとシューゲイザー的なノリもあって。宇宙船が舞台なので、シチュエーションにも合ってて好きです。「ULULO」という曲が一番好きですね。
もぐ水:私が最近聴いて良かったのだと、まだゲーム内には実装されていないんですが、『Warframe』のアップデートで追加される予定の「View From The Top」という曲ですね。ノワールっぽい感じで、ジャズも入ったしっとりとした聴き心地になっています。
あとまだサウンドトラックが出ていないんですが、『ROMEO IS A DEADMAN』の曲がかなり良かった事も触れさせてください。OPをロックバンドのLuby Sparks(ルビー・スパークス)が担当していたり、ヒップホップのスチャダラパーの書き下ろしが作中で流れたり、他にもボス戦でボーカル曲も色々あったりして面白いんです。
トレーラーでも使われた通常戦闘曲も早く聴きたいので、サウンドトラックを出してくださいという祈りも込めて挙げておきます。ミニサントラでなく、全曲入りで!
もぐ水:というわけで、今回は色々なお話が聞けて楽しかったです。もちろん意識して分けてくださったとは思うんですが、みなさんあげるゲームも傾向も違うので、それも面白かったなと。
タナカハルカ:無限にありますからね。ジャンルとかでもいけますし、カーラジオだけでも話せますから。
文章書く彦:ゲームも音楽も無限にある。
もぐ水:長い時間でしたが、ありがとうございました!
他にもあがったゲームや曲たち
今回の座談会で、まさにゲームも音楽も無限にあるといった通り様々なタイトルがあがりました。まだ拾えていない曲や話題にあがっていないものもあり、改めてゲーム音楽の広さと豊かさを感じます。
他にもあがったタイトルや曲もあるので、そちらもリストでまとめました。また、今回の記事で紹介した楽曲のプレイリストをSpotifyで作成したので、そちらもぜひ見てみてください。
タキトウ ハル
『Portal 2』のエンディング「Want You Gone」はちょっと良すぎる。
『Inscryption』最初のあいつのBGMは非常に怖いけど、最後を聴くと悲しゅうて悲しゅうてしょうがない。
タナカハルカ
『すくみず ~フェチ☆になるもんっ!~』の「泳・げ・な・い」。本当にエモくて泣いてしまう。『AIR』の「鳥の詩」が国歌と言われていますが、僕はこっちを国歌として行きます。
『MOTHER2 ギーグの逆襲』の「ダンジョン男のテーマ」が気持ち悪すぎて最高。
Skollfang
『聖剣伝説4』で坂本龍一がメインテーマを書き下ろしたことは忘れないでほしい。
文章書く彦
『素晴らしき日々 ~不連続存在~』の「空気力学少女と少年の詩」。日本語ロックマナーで作られているので、日本語ロック好きはきっと好きなはず。
『かまいたちの夜2』のOPは東儀秀樹さんが入ってて、すげえ不気味でヤバい曲。
みお
『Balatro』の中毒性あるゲーム性にあったサントラ。2024年のThe Game Awardsで最後オーケストラ演奏されていて、良すぎてちょっと泣いてしまった。
『No, I'm Not a Human』のサントラが激良い。
『かまいたちの夜』SFC版の最初の曲がめちゃくちゃ好き。リッチで、冬のペンションに閉じ込められる空気感を表していてかっこいい。
もぐ水
『サイレントヒル4 ザ・ルーム』歌ものが多く、それもグランジ系。ホラーとグランジの組み合わせとしてあげておきたい。
『アーマード・コア ネクサス』のサントラ、特に「Flood Of A Life」。とにかく爽やかでエモーショナル。曲の爽やかさとは裏腹に、ゲームのストーリーは滅びの道へまっしぐらで、そのギャップ含めて良い。


