Amazon.co.jpで、ゲームの攻略本を謳いながら、その内容や実用性に疑問の残る書籍が相次いで販売されている問題について、Game*Sparkはアマゾンジャパン合同会社に取材を実施しました。
『ぽこ あ ポケモン』から『ゼルダの伝説 時のオカリナ』まで…繰り返される「偽攻略本」問題
Game*Sparkでは2026年3月より、Amazon.co.jpで販売されている、いわゆる「偽攻略本」の問題を継続的に取り上げてきました。
3月5日の記事では、『ぽこ あ ポケモン』や『アークナイツ:エンドフィールド』などを題材にした、生成AIによる制作が疑われる攻略本について報道。「究極のゲームガイド」「全データを完全収録」などと謳いながら、サンプルページの内容は冗長で要領を得ず、攻略情報としての実用性に疑問の残るものでした。
さらに3月9日には、当初取り上げた商品がAmazonから削除されていた一方、新たに4冊の不審な攻略本が確認されたことを報道。ゲームタイトルの表記を間違えた商品も見られました。
問題はその後も続きました。
7月6日には、『がんばれゴエモン大集合!』に収録された13作品とおまけゲームを、わずか88ページで「完全攻略」すると謳う書籍が登場。その目次では、全ボスの攻略チャートに割かれているのがわずか1ページという、不自然な構成も確認されています。
そして10月28日には、11月5日発売予定のリメイク版『ゼルダの伝説 時のオカリナ』を対象とする、不審な攻略本の存在も報じています。ゲーム本編の発売前にもかかわらず、戦闘や収集アイテム、サイドクエストなどを解説すると謳う書籍が、すでに販売されていたのです。

このほか、『ファイナルファンタジー レゾナンス』や『ファイアーエムブレム 万紫千紅』についても、同様の懸念がある商品を確認しています。
Amazonは「AIで作られたものかどうかにかかわらず」対策すると回答
こうした状況を受け、Game*SparkはAmazonに対し、書籍の販売審査や内容の正確性の確認、AI生成コンテンツへの対応、公式商品との誤認防止、問題が指摘された商品への措置、購入者への救済、今後の対策について以下のように質問しました。
1. 書籍の販売審査について
Amazon.co.jpでは、ゲーム攻略本として販売される書籍について、内容の正確性や実用性、商品説明との整合性をどのように審査・確認されているのでしょうか。また、実際に出荷元がAmazon.co.jpになっているペーパーバックは、倉庫に入荷されているのでしょうか。
2. 生成AIを利用した書籍への対応について
AmazonのKDPコンテンツガイドラインでは、AI生成コンテンツの申告を求める規定が設けられています。
生成AIによって作成された可能性があり、内容の正確性に疑問がある攻略本について、どのような基準で販売の可否を判断しているのでしょうか。また、AI生成コンテンツの申告内容について、確認や検証は行われているのでしょうか。また、AI生成コンテンツを使用した書籍の検索からの除外といった、他電子書籍サービスなどで見られる機能の導入予定はありますか。
3. 公式商品との誤認や権利関係について
人気ゲームのタイトルを使用し、「完全攻略」「公式ガイド」などといった表現で販売される商品について、購入者が公式出版物と誤認することを防ぐための対策はありますか。
また、権利者の許諾を得ていないゲーム関連書籍の取り扱いについても、貴社の方針をお教えください。
4. 問題が指摘された商品への対応について
内容の不正確さや誤認を招く表現が指摘された場合、どのような調査・販売停止措置が講じられるのでしょうか。
また、今回取り上げたような商品について、貴社として調査や対応を行う予定はありますか。
5. 購入者への救済について
攻略本として購入した商品に、誤った情報が多数掲載されていた場合、返品・返金などの救済措置はどのように運用されるのでしょうか。
6. 今後の対策について
こうした書籍の流通について、貴社として問題を認識されているか、また、審査体制の強化など、今後の対応を検討されているかをお聞かせください。
これに対し、アマゾンジャパン合同会社の広報を通じ、次の回答が寄せられました。一方で、質問に対する個別の回答は得られませんでした。
Amazonは、読者の皆さまに愛され、出版社や著者の皆さまに信頼していただける書店であり続けたいと考えています。そのために、皆さまの体験を守るためのさまざまな対策を設け、たえず強化しています。どのような書籍を販売できるかは、当社のコンテンツガイドラインで定めており、これに違反するコンテンツについては、AIで作られたものかどうかにかかわらず、違反を未然に防ぐ取り組みと、ストア内を継続的に点検して検知・排除する取り組みの両面で対策を講じています。今後も、技術や出版業界の変化に合わせてストアをモニタリングし、取り組みを強化してまいります。
Amazonは、生成AIの使用そのものを問題とするのではなく、コンテンツガイドラインへの違反を基準に対策を講じる方針を説明しています。
実際、Amazonのセルフ出版サービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)」では、生成AIによって作られた文章や画像などについて申告を求めています。また、コンテンツガイドラインでは、購入者の誤解を招く記述や、書籍の内容を正確に表していない記述も認められていません。
そのため、今回Game*Sparkが取り上げた書籍について、Amazonがコンテンツガイドラインへの違反を認定しているのか、あるいは具体的な調査や販売停止などの措置を進めているのかは明らかになっていません。
今回の回答で示されたのは、ガイドラインに違反する書籍を未然に防ぎ、検知・排除するというAmazonの基本方針です。相次いで報告されている不審な攻略本に対し、その対策がどのように機能しているのかという点については、引き続き不明な部分が残ります。
なお、生成AIを使用した書籍や、非公式の攻略本であること自体が、直ちに問題となるわけではありません。重要なのは、販売時の説明と実際の内容が一致しているか、攻略本として適切な情報が掲載されているかという点です。
読者の皆さんも、ゲーム攻略本を購入する際には、発行元や著者、公式出版物であるかどうかを確認するとともに、可能であればサンプルページなどで内容を確かめることをおすすめします。




