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本ゲームは『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズの最新作で、瘴気によって国を失った幼い国王レオが、クリスタルによって建築術を授かり、国を復興していくという内容です。ただしプレイヤーは自らダンジョン探索などができず、冒険者のNPCに依頼して「精霊石」を収集し、これを消費して民家や商店などを建造していくことになります。本年3月のWiiウェアスタートと同時にリリースが予定されています。
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講演者の土田氏は『重装機兵ヴァルケン』『フロントミッション』などのタイトルを手がけたベテランとして、古参ゲーマーにはおなじみのゲーム開発者です。現在は『ファイナルファンタジーXIII』戦闘パートのゲームデザインを行いつつ、本作のプロデューサーも務めています。白石氏はスクウェア・エニックスに入社して約7年になり、間サーバープログラマーとして『ファイナルファンタジーXI』などの運営に従事。本作で初めてメインプログラマーとして、ゲーム作りをゼロから体験することになります。今回の講演は、この新旧2名の開発者が、それぞれの立場で交互に講演するという、本作の開発体制を彷彿とさせるユニークなものとなりました。
はじめに土田氏はスクウェア・エニックスの開発工程について紹介しました。土田氏の言葉を借りると同社は「独自の世界観をハイクオリティなCGで表現する」点が強みで、開発工程もそれに適した物になっています。プロジェクトが立ち上がると、まずストーリープロット・キャラクター・コンセプトアート設定を行い、続いて戦闘システム・フィールドマップ・イベントムービーなどの設計を行います。その後、必要なツール制作などの技術要素を検討し、実際の開発パイプラインを構築。あわせて制作する映像クオリティの基準を定めます。こうして下準備を整えてから、実開発を開始するという手順です。開発期間は通常2年から4年、開発人員は進捗によって異なりますが、約100名が1年間の開発に従事し、ピーク時のスタッフは約200名を数えます。
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これらは『ファイナルファンタジーVII』以降、徐々に整備されてきたシステムで、現在もアップデートが繰り返されています。このように大規模開発に適した、無駄のない開発手順が同社の強みですが、土田氏はゲーム内容が開発体制に規定される不安も感じていたといいます。これに対して手軽にダウンロードでき、容量も開発コストも少なく、Wiiのバーチャルコンソールやカジュアルゲームがライバルとなる「Wiiウェア」での開発は、逆に良い機会に映りました。あえて小規模開発に挑戦することで、それに適した開発体制を社内に構築し、案件に応じて選択可能にすることが重要と考えたのです。